訪問看護の料金にある「特別管理加算」ってなに?
特別管理加算とは、特別な医療を必要とする方でも訪問看護を利用して自宅で暮らせるように作られた仕組みです。
特別な管理が必要な利用者に対して計画的な管理を行った場合に加算され、利用者の状態や看護内容によっても加算額が異なります。
今回は、特別管理加算の対象となる利用者や算定方法などについて紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
訪問看護の特別管理加算とは?
特別管理加算の定義
訪問看護の特別管理加算とは、留置カテーテルの使用など、特別な管理が必要な利用者様に対して計画的に管理が行われている場合に月1回算定する加算のことをいいます。
訪問看護サービスは医療保険と介護保険が利用できます。どちらの保険にも同じように特別管理加算があり、利用者様の状態に応じて加算額が決定されます。
訪問看護の特別管理加算は、利用者様の状態に応じてⅠとⅡの2種類に分類され、加算額が違ってきます。
介護保険と医療保険どちらにもある
訪問看護の特別管理加算は介護保険と医療保険の両方にあり、医療保険と介護保険では、特別管理加算の算定要件が違ってきます。
医療保険の特別管理加算の算定要件は、地方厚生(支)局長へ届出を提出することと、24時間対応体制加算を算定できる体制を整備していることが要件になります。
先ほども述べた通り、医療保険と介護保険の特別管理加算の算定要件は、ⅠとⅡの2種類があります。
特別管理加算Ⅰと特別管理加算Ⅱの2種類ある
特別管理加算Ⅰは、利用者様が在宅悪性腫瘍患者指導管理を受けている場合や、気管カニューレを使用している場合等に適用される特別管理加算の算定要件です。
特別管理加算Ⅱは、利用者様が在宅自己腹膜灌流指導管理を受けている場合や、在宅血液透析指導管理を受けている場合などに適用される特別管理加算の算定要件になります。
厚生労働省は利用者様の状態に応じて加算額を決めており、医療保険と介護保険の特別管理加算の具体的な算定要件については後で詳しく解説します。
介護保険の特別管理加算
特別管理加算Ⅰの対象者
介護保険で訪問看護サービスを受ける場合、特別管理加算Ⅰの対象になる利用者様の状態と加算額は次の通りです。
- 在宅悪性腫瘍患者指導管理を受けている
- 在宅気管切開患者指導管理を受けている
- 気管カニューレを使用している
- 留置カテーテルを使用している
対象者
上記の4つのいずれかの状態に該当する利用者様は、特別管理加算Ⅰの対象になり、利用者様の状態に応じて加算額が決定されます。
在宅悪性腫瘍患者指導管理を受けている状態とは、利用者様が末期がんの状態で、鎮痛剤の経口投与ができず、注射による鎮痛剤の注入が必要な状態であることが要件になります。
在宅気管切開患者指導管理を受けている状態とは、気管切開の手術を受けた利用者様に対して、気管切開の指導管理が必要な状態であることが要件になります。
保険の種類 | 介護保険 |
---|---|
特別管理加算の 種類 |
特別管理加算Ⅰ |
加算額 | 5,000円 |
利用者負担 (1割) |
500円 |
利用者負担 (2割) |
1,000円 |
利用者負担 (3割) |
1,500円 |
加算額(月1回)
特別管理加算Ⅰの対象になる利用者様の加算額は上記のように1回5,000円ですが、介護保険の自己負担割合によって加算される金額が違ってきます。
介護保険の自己負担割合は原則として1割負担ですので、ほとんどの利用者様の加算額は5,000円の1割の500円です。
ただし、高所得の利用者様は自己負担割合が2~3割負担になるため、2割負担の場合は5,000円の2割の1,000円が加算額になり、3割負担の場合は1,500円が加算されます。
特別管理加算Ⅱの対象者
介護保険で訪問看護サービスを受ける場合、特別管理加算Ⅰの対象になる利用者様の状態と加算額は次の通りです。
- 在宅自己腹膜灌流指導管理を受けている
- 在宅血液透析指導管理を受けている
- 在宅酸素療法指導管理を受けている
- 在宅中心静脈栄養法指導管理を受けている
- 在宅成分栄養経管栄養法指導管理を受けている
- 在宅自己導尿指導管理を受けている
- 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理を受けている
- 在宅自己疼痛管理指導管理を受けている
- 在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている
- 人工肛門また人工膀胱を留置している
- 真皮を超える褥瘡の状態
- 点滴注射を週3日以上行う必要があると認められる
対象者
利用者様の状態が上記のいずれかに該当する場合は特別管理加算Ⅱの対象になり、利用者様の状態に応じて加算額が決定されます。
在宅血液透析指導管理を受けている状態とは、利用者様に血液透析に関する指導管理が必要な状態です。
在宅自己疼痛管理指導管理を受けている状態とは、利用者様が痛みを緩和するために体内に装置を埋め込んでおり、そのため指導管理が必要な状態です。
保険の種類 | 介護保険 |
---|---|
特別管理加算の 種類 |
特別管理加算Ⅱ |
加算額 | 2,500円 |
利用者負担 (1割) |
250円 |
利用者負担 (2割) |
500円 |
利用者負担 (3割) |
750円 |
加算額
特別管理加算Ⅱの加算額は上記のように1回2,500円であり、介護保険の自己負担割合によって加算される金額が決定されます。
特別管理加算Ⅱの対象になる利用者様は、特別管理加算Ⅰの対象になる利用者様よりも指導管理の負担が軽減されるため、特別管理加算Ⅰの加算額の半額になります。
自己負担割合は1割負担の場合がほとんどですので、利用者様が現役並みの高所得でなければ、2,500円の1割の250円が加算されます。
医療保険の特別管理加算
特別管理加算Ⅰの対象者
医療保険で訪問看護サービスを受ける場合、特別管理加算Ⅰの対象になる利用者様の状態と加算額は次の通りです。
- 在宅悪性腫瘍等患者指導管理を受けている
- 在宅気管切開患者指導管理を受けている
- 気管カニューレを使用している
- 留置カテーテルを使用している
対象者
上記の4つのいずれかの状態に該当する利用者様は、特別管理加算Ⅰの対象になり、利用者様の状態に応じて加算額が決定されます。
気管カニューレを使用している状態とは、利用者様が気管切開後の気道確保や気道分泌物の吸引のために気管カニューレを使用していることが要件になります。
留置カテーテルを使用している状態とは、利用者様が膀胱から直接尿を排出するために、留置カテーテルを使用していることが要件になります。
保険の種類 | 医療保険 |
---|---|
特別管理加算の 種類 |
特別管理加算Ⅰ |
加算額 | 5,000円 |
利用者負担 (1割) |
500円 |
利用者負担 (2割) |
1,000円 |
利用者負担 (3割) |
1,500円 |
加算額
特別管理加算Ⅰの対象になる利用者様の加算額は上記のように1回5,000円ですが、医療保険の自己負担割合によって加算される金額が違ってきます。
医療保険の自己負担割合は、70歳未満の方は自己負担割合は3割負担になり、3割負担の場合だと加算額は1,500円です。70歳から74歳までの方は自己負担割合は2割負担になります。
75歳以上の後期高齢者は、医療保険の自己負担割合は1割になりますが、75歳以上の方でも現役並みの所得がある場合は3割負担になります。
特別管理加算Ⅱの対象者・加算額
医療保険で訪問看護サービスを受ける場合、特別管理加算Ⅱの対象になる利用者様の状態と加算額は次の通りです。
- 在宅自己腹膜灌流指導管理を受けている
- 在宅血液透析指導管理を受けている
- 在宅酸素療法指導管理を受けている
- 在宅中心静脈栄養法指導管理を受けている
- 在宅成分栄養経管栄養法指導管理を受けている
- 在宅自己導尿管理を受けている
- 在宅人工呼吸指導管理を受けている
- 在宅持続要圧呼吸療法指導管理を受けている
- 在宅自己疼痛管理指導管理を受けている
- 在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている
- 人工肛門また人工膀胱を留置している
- 真皮を超える褥瘡の状態
- 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している
保険の種類 | 医療保険 |
---|---|
特別管理加算の 種類 |
特別管理加算Ⅱ |
加算額 | 2,500円 |
利用者負担 (1割) |
250円 |
利用者負担 (2割) |
500円 |
利用者負担 (3割) |
750円 |
加算額
特別管理加算Ⅱの加算額は上記のように1回2,500円であり、医療保険の自己負担割合によって加算される金額が決定されます。
特別管理加算Ⅱの対象になる利用者様は、特別管理加算Ⅰの対象になる利用者様よりも指導管理が軽減されるため、加算額は特別管理加算Ⅰの半額です。
70歳未満の方は自己負担割合は3割負担ですので、2,500円の3割の750円が加算されます。70歳から74歳までの方は2割負担で500円、75歳以上の方は1割負担で250円が加算されます。
特別管理加算を算定する際に注意することは?
月途中で保険が変更になった場合でも両方には請求できない
特別管理加算は医療保険と介護保険の両方にありますが、月途中で保険が変更になった場合でも両方に請求されません。
訪問看護は医療保険と介護保険の利用が可能ですが、医療保険を利用していた利用者様が要介護や要支援の認定を受けた場合は、介護保険が優先されます。
医療保険を利用していた利用者様が、月の途中で介護保険に切り替わった場合でも、特別管理加算は両方の保険に請求されないわけです。
介護保険では一人につき1か所の事業所のみ算定
介護保険を利用して複数の訪問看護ステーションを利用されている場合は、特別管理加算は1人の利用者様に対して1か所の事業所のみで算定されます。
例えば、利用者様が2か所の訪問看護ステーションを利用している場合であっても、特別管理加算は1か所の訪問看護ステーションから請求されるわけです。
なお、どちらの訪問看護ステーションで請求するかについては、利用されている複数のステーション間の話し合いで決定します。
医療保険では関わっているすべてのステーションで算定
医療保険を利用して複数の訪問看護ステーションを利用されている場合は、特別管理加算は利用をしているすべての訪問看護ステーションで算定されます。
例えば、利用者様が2か所の訪問看護ステーションを利用している場合は、特別管理加算は利用している2か所の訪問看護ステーションから請求されるわけです。
介護保険の場合だと1人の利用者様に対して1か所の事業所のみで算定されますので、医療保険を利用するよりも介護保険を利用する方がお得です。
特別管理加算対象者にもおすすめのシンプレ看護ステーション
シンプレ訪問看護ステーションとは?
シンプレ訪問看護ステーションは精神疾患に特化した訪問看護サービスを提供しており、特別管理加算の算定を受けている利用者様にも対応しています。
シンプレ訪問看護ステーションには、専門的な知識や経験が豊富なスタッフが多数在籍しており、利用者さまのご自宅を定期的に訪問し、服薬の管理や症状の悪化防止などの適切なケアを行います。
気管カニューレや留置カテーテルを使用されている利用者さまのケアの経験も豊富ですので、特別管理加算の算定を受けている方もお気軽にお問い合わせいただければと思います。
どんな看護をしてもらえる?
統合失調症
双極性障害
不安障害など
主な看護内容
生活支援、自立支援
症状の悪化防止
服薬支援など
シンプレ訪問看護ステーションが対応している精神疾患は、統合失調症やアルコール依存症、発達障害など精神疾患全般に対応しています。
利用者さまが持つ病気とどう向き合っていくかを一緒に考え、患者さんらしさを失わないよう自立した生活をするためのサポートを心がけています。
精神疾患で治療を受ける利用者さまや社会復帰を目指す利用者様本人だけでなく、自宅で支援をおこなう、ご家族のご相談もお受けしています。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの訪問エリアは、上記中心に行っています。
年齢に関わらずご利用することが可能です。サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。
上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
訪問看護のサービスは公的医療保険や公的医療保険の利用が可能で、いずれの保険にも同じ趣旨の特別管理加算があり、利用者様の状態に応じて加算額が決定されます。
特別管理加算の対象になる場合も、料金は公的保険の自己負担額だけで済みますので、高額な費用はかからず、必要な様々な支援やサービスを受ける事ができます。
わたしたち、シンプレ訪問看護ステーションも利用者さまへのサポートを通じて社会復帰に向けての一歩をお手伝いします。
訪問看護のサービスについて聞いてみたい、どこに相談をしたらいいかわからなくて困っていた、などございましたらお気軽にお問い合わせください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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