アルコール依存症に使用される治療薬の種類やその効果について
アルコール依存症の薬は、飲酒欲求を抑えたり、離脱症状を軽減したりする効果があります。
アルコール依存症は、早期に治療することが大切です。依存症の症状が悪化すると、健康問題にも大きく関わってきます。
シンプレ訪問看護ステーションは、アルコール依存症の治療をサポートしています。ぜひご相談ください。
アルコール依存症の治療薬を紹介
まずは、アルコール依存症の治療を進めていく際に使われる治療薬にはどのようなものが挙げられるのかについて、詳しくご紹介していきたいと思います。
アルコール依存症に使われる薬
薬名 | 効果 | 副作用 |
---|---|---|
ジスルフィラム |
抗酒薬 | 発疹 吐き気 頭痛 抑うつなど |
シアナミド |
抗酒薬 | 頭痛 不眠 悪心 嘔吐など |
アカンプロサート |
断酒補助剤 | 下痢 おなかが張る 吐き気 嘔吐など |
セリンクロ |
飲酒量低減薬 | めまい 傾眠 頭痛 など |
アルコール依存症において薬物療法を用いる場合、患者さんの症状や体調に合わせて主に上記の表のような治療薬を使用していきます。
アルコールを断つことを目的とした抗酒薬や、飲酒に対する欲求そのものを減らす断酒補助剤、飲酒の量を減らしていくのを目的とする飲酒量低減薬などが挙げられます。
これらは「飲酒すると気分が悪くなる」や「中枢神経に働きかけて飲酒欲求を軽減させる」などで断酒を促進する薬で、副作用も想定されるので、併せて押さえておきましょう。
抗酒薬の効果をチェック
抗酒薬を服用すると、まるで下戸の人が飲酒した時のように「頭痛」「顔面紅潮」「吐き気」などが引き起こされて、非常に気分が悪くなるとされています。
ただし、この抗酒薬には飲酒への欲求を抑制する効果はなく、さらに、肝臓や心臓に疾患のある方や妊娠中の女性の使用は禁止されています。
また、用途の一つとして、「今日一日は断酒をする!」という意思の表明として、朝家族の前で服用してみせて安心させるという効用にも定評があるようですね!
国内初の飲酒量低減薬「セリンクロ」
また、日本国内では初となる飲酒量低減薬としては、「セリンクロ」という治療薬があり、2019年の3月から全国の医療機関向けに販売がスタートしています。
飲酒予定時刻の1~2時間前に服用することで、中枢神経に働きかけながら飲酒欲求を抑制し、アルコール依存症患者の飲酒の量を減らすことを目的としています。
アルコール依存症の治療に一役買ってくれるわけですが、服薬の規定を守った上で、あくまでも飲酒量の低減を目的としてのみ使用可能なので、押さえておきましょう!
アルコール依存症の原因やきっかけ
次に、アルコール依存症が引き起こされてしまう原因やきっかけとしてはどのようなものが考えられるのかについて、詳しく見ていきたいと思います。
お酒の危険性
お酒を飲むのは楽しい行為でもありますが、その反面、不安障害やうつ病を引き起こしたり、抑うつ気分を悪化させたりなどの悪影響も考えられます。
また、薬を服用している方はアルコールで影響がでることも考えられ、例えば不安障害やうつ病の薬の服用と同時に飲酒をすると効果がですぎてしまうこともあるようです。
他にも、睡眠障害を引き起こしたり、冷静な判断ができなくなり自殺行為に走るなどの危険性も考えられるので、しっかりと知っておくようにしましょう。
アルコール依存症の症状
症状 | 内容 |
---|---|
自律神経症状 |
めまい、ふらつき、 のぼせ、冷え、 頭痛、耳鳴り、 動悸、関節の痛み、 便秘、下痢など |
情緒障害 |
自分の意志では感情が コントロールできない |
幻覚・幻視 |
見えるはずの ないものが見える |
見当識障害 |
自分のいる場所や 時間が分からなくなる |
アルコール依存症の主な症状としては上記の4つのようなものが挙げられ、飲酒のタイミングや量をコントロールできなくなる上、あらゆる異常が引き起こされます。
めまいやふらつきなどが見られる自律神経症状をはじめ、感情がコントロールできなくなったり幻覚や幻視が発生したりと、まるで薬物のような症状も出てしまうのです。
アルコール依存症は、自分自身の心身に負担がかかるのはもちろんのこと、社会生活でも悪影響があることもしっかりと押さえておきましょう。
アルコール依存症による健康問題
症状 | 説明 |
---|---|
肝障害 |
γGTP値の上昇~ 進行すると 黄疸やむくみ、 腹水などが出る |
胃腸障害 |
胃炎や下痢、 胃潰瘍などになる |
膵炎 |
上腹部や背部の痛み、 または嘔吐・発熱など |
糖尿病 |
疲労感・皮膚が痒い ・免疫力低下 ・目がかすむ ・EDなど |
がん |
食道がん、胃がん、 肝臓がん、大腸がん、 すい臓がん |
睡眠障害 |
不眠・過眠 ・生活リズムの乱れ |
アルコール依存症が原因で引き起こされる健康問題としては上記のようなものが挙げられ、健康診断の際に指摘されることで発覚するものもあるようです。
また、これらのような体調の変化が起こると同時に、一人になるとつい飲酒をしてしまう、休日の早い時間帯からアルコールを摂取するなど生活も変化してきます。
アルコール依存症は、健康問題が重症化して初めて気付くこともあるほど気が付きにくいので、専門機関への相談も視野に入れながら早期発見を目指しましょう!
アルコール依存症の治療法
アルコール依存症の治療法は、通院して治療を進めていくのも一つの手段ですが、日本国内で主流なのは入院治療で、3つの段階に分けて進めていきます。
まずは心身に発症している合併症や離脱症状の治療をし、その次は断酒するためのリハビリ治療へと進み、それらが終わった後は退院後にアフターケアをしながら経過を見ます。
各段階、必要であれば「投酒薬の服用」「自助グループへの参加」などが組み込まれ、特に専門施設で治療を進めるのが望ましいとされているので、押さえておきましょう。
ご家族にアルコール依存症の疑いがある場合
もしご家族でアルコール依存症の疑いがある方がいる場合は、どのような対応を進めていけば良いのかについて、詳しくご紹介したいと思います。
早期治療のすすめ
重篤な疾患についてはしばしば早期治療が望ましいとされていますが、これはアルコール依存症も同様で、あらゆる悪影響を未然に防げることが多いです。
とは言うものの、早期段階だと諸問題や自覚症状が明確でないため、患者さん自身が中々アルコール依存症であることを認めないケースも考えられます。
なので、アルコール依存症の早期発見のためには、ご家族がアルコール依存症の症状の知識を持ち、適切な対応をとっていくことが重要なのです。
スクリーニングテスト
アルコール依存症の早期発見のためにはスクリーニングテストというツールも有効で、患者さん本人が回答しそれを点数化することで判断ができます。
方法は簡単ですし、患者さん本人に「アルコール依存症である事実に気付かせる」ことやご家族が飲酒問題のレベルがどれくらいかを把握することにも有効です。
ただし、これはあくまでもスクリーニングであって明確な診断基準ではないということを、しっかりと認識しておきましょう。
専門家への相談
前述のように、患者さん本人がアルコール依存症などの飲酒問題を中々認めようとしない場合などは、外部の専門家に相談することをおすすめします。
まずは患者さん本人が認めないことには家族も動きようがありませんし、その問題に手を焼いている内に状況がどんどん悪化してしまう恐れもあるのです。
上記の問題が解決しないと、日々どんどんエネルギーを使ってしまい、最終的には事態を打開するための気力もなくなるので、積極的に利用するようにしましょう!
アルコール依存症の治療なら訪問看護がおすすめ!
アルコール依存症を効率良く治療していくためには専門機関の利用が有効なのは前述の通りですが、訪問看護が特におすすめなので、詳しく見ていきましょう!
アルコール依存症は1人での治療が難しい
アルコール依存症は「精神的依存」と「身体的依存」の2種の依存性を持っていて、それらが重なり合うと例え通院していたとしても、自力で完治させることが難しいようです。
精神的依存は薬物依存のようなもので、摂取することが当たり前になり、例えやめようと思っても気持ちを安定させるために再び手を出してしまうようなことを指します。
身体的依存は、アルコールが体内から抜けると「手の震え」「発汗」などの症状が出現し、その抑制のため再度手を出してしまうことで、一人での治療は困難とされています。
訪問看護のメリット
このように、アルコール依存症にとても有効な訪問看護ですが、利用することでどのようなメリットが考えられるのかについて見ていきましょう。
看護師が服薬管理をしてくれる
アルコール依存症をはじめ、あらゆる疾患を効率的に治療していくには正しい服薬が大切なわけですが、訪問看護はその点でもメリットがあります。
看護師が自宅に訪問してケアをしてくれる際に、「服薬管理」や「服薬指導」なども対応してくれるので、正しい方法での服薬を身に付けることができるわけです。
せっかくの薬も、正しい方法で使用しないとその効果が半減したり失われたりしてしまうので、訪問看護を利用してきちんとした知識をつけるようにしましょう。
福祉・介護・就労支援等のサービスが受けやすい
アルコール依存症は、常習化すると日常生活や社会復帰が難しいとされているので、訪問看護を利用してあらゆる支援を受けることでスムーズに治療が進むようです。
日常生活のサポートなどはもちろんですし、社会復帰に向けての準備や精神的なケアなども含め、医療従事者から直接指導してもらえるのでとても便利なのです。
また、患者さん本人だけでなくご家族の介護や健康相談も対応してもらえるので、ご家庭だけで抱え込まずに積極的に利用していくのをおすすめします!
アルコール依存症の相談ならシンプレ訪問看護ステーションへ!
シンプレ訪問看護ステーションではアルコール依存症の方の訪問看護も行っております。詳しく見ていきましょう。
シンプレ訪問看護ステーション
シンプレ訪問看護ステーションは精神科に特化した訪問看護を提供しておりアルコール依存症の方の訪問看護も行っております。
患者さんが持つ病気とどう向き合っていくかを看護師が一緒に考え、患者さんらしさを失わないよう自立した生活をするためのサポートを心がけています。
患者さんの主治医や通っている医療機関とも密に連携をとりながら社会復帰に向けてのサポートを行っています。
訪問看護の料金
訪問看護を利用したい…という場合、料金の設定はどのようになっているのかについて、詳しく見ていきたいと思います。
訪問者 | 時間 | 料金 |
---|---|---|
看護師 |
30分未満 | 4,670円 |
看護師 |
30分以上 60分未満 |
8,160円 |
基本料金
訪問看護は、その名の通り看護師が患者さんの自宅を訪問するわけですが、料金は時間制で設定されているようですね。
利用時間が30分未満であれば4,670円ですが、30分以上でかつ60分未満だと8,160円になるので、こちらを頭に入れた上で利用するようにすることをおすすめします。
また、月に何回利用するのか、患者さんが持っている疾患や症状はどのような状況か、によってさらに細かく変動するので、前もって確認した上で利用するのをおすすめします。
時間 | 30分未満 | 30分以上60分未満 |
---|---|---|
1割負担 |
467円 | 816円 |
2割負担 |
934円 | 1,632円 |
3割負担 |
1,401円 | 2,448円 |
医療保険適用の料金
訪問看護の利用において、医療保険適用はどのように設定されているのか気になるところですが、上記の表のような形で運用されているようです。
こちらも時間制になっていて、1割負担で利用時間が30分未満の場合は467円負担、3割負担で30分未満利用の場合は1,401円…というようになります。
ただ自立支援医療制度という精神科の医療費に適用される制度を利用すれば月の医療費の上限が設定されるため上限を超えた場合には自己負担なしで訪問看護を利用することが出来ます。
シンプレが対応しているエリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションが対応可能なエリアは現在、主に上記が中心となっております。
これらの地域にお住まいの方はぜひ積極的にご検討いただけたらと思います。
上記以外のエリアにお住まいのご家族でも、対応できる場合があります。
まずはお気軽に電話や問い合わせフォームでお問い合わせください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
アルコール依存症は特に、一人で気付きにくい、治療を進めにくいという特徴もあるので、患者さん自身とご家族の生活のためにも、医療機関にかかることが大事になってきます。
シンプレ訪問看護ステーションではアルコール依存の方の訪問看護も行っております。
どこに相談をしたらいいかわからなくて困っている、訪問看護のサービスについて聞いてみたいなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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