てんかんの症状とは?種類ごとに解説。注意・対処法についても紹介。
てんかんの症状は、意識がなくなりけいれんが起こるものから、急に動作が止まりぼんやりするものなどさまざまです。
てんかんは脳の病気でどの脳の部位が原因かによっても症状が異なり、一見てんかん発作とは気づかないものまでたくさんの種類があります。
今回この記事では、症状や原因、てんかん発作が起こるきっかけや注意点についてまとめました。
てんかんの症状
強直間代発作
- 意識を失いけいれんが起こる
- 発作後30分~1時間ほど眠ることも
強直間代発作(きょうちょくかんだいほっさ)とは、突然手足がつっぱり硬直し、意識を失う発作のことです。発作時には叫び声を出したり呼吸が止まったりし、顔や唇が紫色に変わってしまいます。
意識を失った後は、手や足がガクガクと一定のリズムでけいれんを起こし、数十秒ほどでおさまります。
発作がおさまると、30分〜1時間ほどもうろうとし、眠りにつくケースが多いです。また呼吸が再開すると、口に溜まった唾などを吐き出します。
欠神(けっしん)発作
- 数十秒間にわたり意識がなくなる
- 急に動作が止まりぼんやりする
欠神発作は、急に表情がぼんやりとした目つきになり、動作が停止したり、反応がなくなったりする症状です。
本人にはその間の記憶がなく、発作は急に終わるのも特徴です。
発作は数秒から30秒程度で戻りますが、ぼんやりとしたまぶたを何度もパチパチさせるなどの症状がみられます。
短い発作のため、周囲には気付かれにくい傾向があります。学校の授業中におこると、不真面目な児童と誤解されやすく、注意が必要です。
ミオクロニー発作
- 手足、全身が瞬間的にこわばる
- 睡眠から目が覚めた時に起こりやすい
- 光によって発作が生じることが多い
ミオクロニー発作は、手や足、顔、全身が突然ピクッとする発作です。
発作は短時間で連続して起こり、例えばスプーンやフォークなどを落としたり投げ飛ばしたりするなどの症状が現れます。
10代から20代で発症しやすく、特に12歳から18歳ごろに多いとされています。
また、睡眠不足や早朝覚醒、過度の精神的ストレス、アルコール摂取などによって誘発されることもあります。
脱力発作
- 突然全身の力が抜ける
- 崩れるように倒れる
脱力発作とは、突然全身の力が抜けて、崩れるように倒れ込む発作です。発作時間は1秒~数秒程度と短く、意識障害はなくすぐに回復します。
しかし、大きな尻もちや転倒の危険性が高いため、頭部の保護が必要です。
患者さんの倒れ方はいつも同じになるケースが多く、頭の後方部、唇、顎、額、目の上、耳などが受傷しやすい部位です。
倒れ方について確認しておけば、2次的な事故を防ぐことができます。
気づかれにくい症状もある
- 口をモグモグさせる
- 顔や手足がつっぱる
- 不快なにおいがする
- 光が見える
- 動悸がする
- 顔が青くなる
てんかん発作には、さまざまな症状があり、嫌なにおいを感じたり、光が見えたり、動悸がしたりすることが報告されています。
てんかんは、脳内の電気信号が過剰に発生し、感覚や記憶に関わる機能をコントロールできなくなる病気で、こういった症状は、本人や周囲の人が気づきにくいこともあります。
てんかん発作がおこるきっかけと注意点
てんかん発作がおこるきっかけ
- 体温の上昇
- 睡眠不足・疲労・ストレス
- お薬の飲み忘れ
- 光の点滅
通常てんかん発作は、集中したり、緊張しているときには発作が起こりにくいとされています。一方ほっとした時や、ぼんやりしている時のほうが、発作が起こりやすいです。
発作が起こりやすい時間帯や状況は、患者さんによって異なりますが、発作のきっかけとしては、体温の上昇・睡眠不足・ストレス・疲労・薬の飲み忘れなどによって発作が起こりやすくなります。
症状改善のためには、ご家族や主治医とともに起こりやすい時間帯や状況などについて確認しておくようにしましょう。
発作が起こった時の対処法
周りの人は、まずは落ち着いて行動することが大切です。目の前で突然倒れ、呼吸が止まるなどすれば、やはり最初は慌ててしまいます。
通常、てんかん発作は1分〜数分程度でおさまり、その後10〜20分以内に意識が回復するケースが多いです。
まずは安全な場所に移動させ、様子を見守りましょう。呼吸しやすいように服のボタンを外す、ベルトをゆるめるなどして、安静な体勢をとることも大切です。
万が一、けいれんが長時間にわたって続いたり、意識が戻らない場合は、かかりつけの病院に連れて行きましょう。
てんかんは誰でもかかる可能性がある
有病率
てんかんは誰もがかかりうる病気です。その有病率は、およそ100人に1人ともいわれており、乳幼児から高齢者まで、幅広い年齢層の人が発症する可能性があります。
その中でも、小児や高齢者の方は発症率が高く、脳神経の未発達や障害が原因で起こりやすいとされています。
しかし、小児てんかんの場合は成人になると治る可能性が高く、薬物療法や外科的治療によって、70〜80%程度は発作を止めることができるといわれています。
原因
てんかんの原因は、大きく分けて「特発性てんかん」と「症候性てんかん」の2つです。
「特発性てんかん」とは、検査しても原因がはっきりしないてんかんのことです。
「症候性てんかん」とは、脳に何らかの障害や損傷があるために起こるてんかんのことです。
いずれの場合も、脳の電気信号が乱れることが原因で発症すると考えられており、脳内の電気信号が正常に伝達されなくなることで、体の動きがコントロールできなくなると考えられています。
てんかんの治療方法
てんかんの治療は、主に薬物療法で行われます。薬物療法では、脳内の電気信号を抑制する抗てんかん薬を服用することで、発作をコントロールします。
薬物療法で効果が得られない場合や、副作用が強い場合は、外科療法や食事療法などの治療が行われることもあります。
外科療法では、脳の病変部位を切除することで発作を抑制します。
食事療法では、ケトン食と呼ばれる特殊な食事療法で、脳のエネルギー源を糖からケトン体に切り替えることで発作を抑制します。
てんかんのある方が利用できる支援や制度
精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳は、何らかの精神疾患により、長期間にわたって日常生活や社会生活に支障をきたす方に交付される手帳です。
障害等級判定基準が1〜3級まで区分されており、てんかんの場合は発作の種類と頻度、日常生活の自立状況などによって判断されます。
また取得すると福祉・就労支援サービスの利用資格、所得税・住民税などの各種減免制度の適用が可能です。
自立支援医療(精神通院医療)
区分 | 上限額 |
---|---|
生活保護 |
0円 |
低所得1 |
2,500円 |
低所得2 |
5,000円 |
中間所得1 |
5,000円 |
中間所得2 |
10,000円 |
一定所得以上 |
20,000円 |
表の料金は所得に応じた医療費の月額自己負担額の上限額となっております。
表の料金を超えた場合には、自己負担なしで医療が受けられます。
自立支援医療制度は、すべての精神疾患(てんかんも含む)が対象になり、継続して通院している人が申請できる制度。
医療費の自己負担分を3割から1割までに軽減でき、障害があっても自立した生活が送れるようにするため設立されました。
精神科病院やクリニックに通院している場合には、受診料が自立支援医療の対象になり、そのほかにも薬代・訪問看護にかかる費用・デイサービスの費用なども自立支援医療の対象になります。
就労支援
就労移行支援制度は、就労を希望する障害者を対象とした障害福祉サービスです。
職場体験や訓練、就労に関する支援などを受けることで、就職に必要な知識やスキルを身に付けることができます。
就労移行支援は、原則2年間利用できます。
65歳未満の方が対象で、お近くのハローワークや障害者就業・生活支援センターなどに相談すると、自分に合った就労移行支援事業所を紹介してもらえます。
精神科訪問看護という選択肢も
精神科訪問看護とは?
・精神科・心療内科に通院中の方
・精神疾患の診断を受けた方
・診断がなくとも医師が必要と判断した方
訪問する人
・看護の専門職
・リハビリテーションの専門職
訪問時間
・医療保険
(30分から90分程度)
精神科訪問看護とは、精神疾患を抱える方や精神的な不安を抱える方が利用できるサービスです。
看護師や作業療法士などの医療スタッフが医師の指示のもと自宅へ訪問し、30分~90分の間、看護を受けることができます。
精神科訪問看護は家族への支援も実施しており、利用者様を取り巻く環境全体を整えていく役割も担っています。
利用対象者は、精神科・心療内科に通院している方や精神疾患の診断を受けた方です。
また、精神疾患を抱える方や精神的な不安を抱える方は、訪問看護を検討してみましょう。
精神科訪問看護のメリット
- 自宅に居ながら専門的なケアが受けられる
- 自宅での様子を主治医に連携できる
- 対人関係や日常生活の支援を受けられる
訪問看護では、薬の飲み忘れ防止や日頃の健康管理など、日常生活からサポートを行い、症状の悪化を未然に防ぐなどさまざまな役割があります。
また、医師の判断で利用の有無が決定され、利用料金には医療保険が適用されます。
主治医やケアマネージャー、地域の行政機関と連携を取りながら、病状や内服状況など情報を共有できます。
その他にも、家庭での療養状況や家族の疲労を確認し、デイサービスやショートステイ、介護サービスの導入も提案できます。
精神科訪問看護の料金
負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
---|---|---|
3割負担 | 3,897円 | 2,565円 |
2割負担 | 2,598円 | 1,710円 |
1割負担 | 1,299円 | 855円 |
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
精神科訪問看護では、医療保険を利用することにより自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用可能。かかった費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、長時間の訪問を行う場合は別途料金が発生します。
また自立支援医療制度いう制度を利用すると料金が1割負担になるほか、所得に応じて自己負担が0円になる場合もございます。
でんかんの症状でお悩みならシンプレへ
シンプレの特徴
精神科に特化したシンプレ訪問看護ステーションは、てんかんを含むうつ病などの精神疾患で悩んでいる方やそのご家族への継続的なサポートを行っています。
その人らしい安心した療養ができるように支援し、自主性を重んじた社会復帰をお手伝いします。
また精神疾患の専門知識や看護経験が豊富なスタッフが多数在籍しており、さまざまな精神疾患に対応することが出来るのが当院の強みです。
密に地域の医療期間や公共機関と連携を取り合い、地域全体としてサポートできる体制をととのえていきます。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
てんかんには、強直間代発作・欠神発作・ミオクロニー発作・脱力発作などがあり、その症状はさまざまです。
またてんかん発作は重度になる場合や転倒の危険性があり、日常生活に支障をきたす患者さんも一定数いらっしゃいます。
てんかんに悩む患者さんのために、シンプレ訪問看護ステーションでは、自宅で安心して治療を受けられるよう、サポートしています。
また、てんかんだけではなく、さまざまな精神の病気に関するご相談にも乗らせていただきますので、是非お気軽にご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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