PTSDの症状とは?つらい記憶がよみがえってつらいなど心当たりのある方へ
あなたはPTSDをご存じですか?
PTSDは近年、災害現場などで注目されている強いストレスが原因の病気です。日常生活にも大きな影響があるため、早期の治療が必要です。
PTSDに困っていて、生活のサポートを必要としている方はシンプレまでお気軽にご相談ください。
PTSDの症状
つらい記憶がよみがえる
PTSDの症状には、ストレスとなった出来事を記憶がよみがえるように再度感じる「フラッシュバック」があります。
日常生活の中で、ストレスとなった出来事を連想するような出来事があると、心的外傷を受けた時の感情が呼び起こされることがあります。
このような出来事が繰り返されると、不安や恐怖がさらに強く感じられてしまいます。
つらい記憶は、悪夢の形でよみがえることもあります。悪夢による恐怖や不安により、入眠できず、心身がリラックスできない状態になります。
辛い記憶を思い出す状況や似た場面を避ける
つらい記憶を思い出す状況や似た場面を避けることを回避行動といいます。このような回避行動は、PTSDの症状のひとつです。
つらい記憶を連想すると、体験がよみがえり、感情や思考が繰り返されてしまうために無意識に似た場面を避ける行動になります。
似た場面とは、広範囲にわたり、人によりさまざまな事に対して回避行動として現れます。例えば、記憶を思い出すような場であったり、人、状況であったりします。
回避行動が、極端に現れると、日常生活のなかで行動が制限されてしまい、生活に支障が生じます。
常に緊張状態
- 些細なことに反応
- 不眠になる
- 自暴自棄になる
PTSDの症状として、常に緊張状態がつづき、リラックスできない状態になることがあります。これを、意識の過覚醒状態といいます。
過覚醒状態では、物音や光などが気になり、集中できず、そわそわと落ち着かない状態になることがあります。
このような状態は、緊張や興奮をさせる交感神経が強く働きすぎることが原因となります。緊張とともに不安の強さが継続して、不眠などの症状も現れる場合があります。
多くの場合では、この過覚醒状態は症状が出たり、おさまったりします。治癒とともに徐々に軽快していく場合が多いです。
感覚が麻痺する
PTSDの症状として、感情や感覚が鈍くなり、麻痺したような状況になることがあります。つらい記憶を思い起こすことがないようにこのような状態になります。
つらい記憶を思い出さないように、このような状態になると考えられています。思い出したことで、記憶のなかで再体験することなどがないように守るための症状です。
この感覚の麻痺は、PTSDの治癒により、徐々に改善する事が多いとされます。
PTSDとは強いストレス後の病気
PTSDの原因となる主な出来事
- 交通事故
- 犯罪被害
- 虐待などに合ったこども
- 大規模災害の被災者
- 対人援助職
PTSDの原因となる出来事に共通することは、自分の命や存在がおびやかされると感じるようなストレスを伴う出来事という点です。
具体的にどのような出来事かというと、火災や地震、水害などの災害があります。テロなどの犯罪被害や暴力や性的虐待も考えられます。
また、対人援助を仕事としている場合に、仕事中あった体験や仕事中にうけた暴力がPTSDの原因になることもあります。
このストレスとなる非日常的な出来事を、直接体験したり、みたりすることによってPTSDとなります。
PTSDになりやすい人の特徴
・被害後の社会的サポート不足
・生活のストレス
生活要因
・アドレナリン分泌が多い
・カフェインの過剰接種
職業などの要因
・危機に直面して救出する人
過去の経験が要因
・過去のトラウマ体験
・児童期の虐待経験
PTSDは、実は身近でありふれた病気であると言われます。大規模災害後には、多くの人に症状が現れます。それほど、私たちはPTSDになりやすいと言えます。
性的犯罪被害は、受けた被害についてなかなか誰かに相談することができない傾向があり、PTSDになりやすいと言われています。
アドレナリンの分泌が多い人は、PTSDのリスクが高いことが分かっています。スポーツマンや危機に直面した人を救助する人は、アドレナリンの分泌が多い傾向があります。
また、職業としては警察官や消防士、自衛官がPTSDの原因となる出来事に遭遇しやすいことがあります。
PTSDと気づかないこともある
PTSDになっていても、自分では気づかないこともあります。PTSDの自覚症状である不安や緊張があっても、それがストレスからの反応であるとは結びついていない状況です。
ご本人はその出来事からのストレスをもう乗り越えたと思っていたり、ささいな事だととらえていたりする場合にも、ストレス反応が出ている事があります。
表面的な意識や理解の範囲ではそのように考えていても、身体や無意識が大きな影響を受けていて、ストレス反応となって現れている可能性があります。
緊張や不安感、夜間不眠や悪夢などに悩まされている場合は、ストレスとなるような出来事がなかったか早期に気づくことが大切です。
PTSDの検査・診断
PTSDの診断基準
PTSDは、心的外傷となるような出来事の後に、上記にあげた症状が1ヶ月以上継続していることが診断基準となります。
心的外傷となるような出来事には、自分自身の体験のみでなく、友人や家族などの身近な人がそのような出来事に遭遇したことを見聞きしたということも含まれます。
そのうえで、つらい記憶に対しての回避行動や過覚醒状態や不安が強く、社会生活や日常生活に困難が現れている場合に診断されます。
不安や気分の落ち込み、イライラなどの気分変動がどのくらいあるかといった心理テストが検査として行われる場合もあります。
PTSDとよく似た症状の病気
・適応障害
症状の期間で鑑別
・急性ストレス反応・障害
PTSD以外の病気でも、PTSDと似た症状が現れる場合があります。
PTSDは命の危険を感じるような非日常的な出来事が原因になります。適応障害では、日常生活上のストレスが原因になります。
PTSDは一ヶ月以上続く症状が診断の基準になります。急性ストレス反応では、一か月未満で消失する、日常生活を障害するストレス反応のことを言います。
PTSDだと思ったら相談できる場所
・精神科
・心療内科
民間窓口
・犯罪被害者支援センター
公的窓口
・警察の相談窓口
・行政の相談窓口
ご自分が、PTSDだと思われる場合には、相談できる場所があることを知って、なるべく早く、相談する必要があります。
大規模災害の際には、行政に申し出ることにより、救護スタッフの中に心理士など精神科の治療に詳しいスタッフを紹介してもらえる可能性もあります。
つらい記憶となっている出来事が犯罪被害によるものの場合には、警察でその旨をお伝えしましょう。信頼できる、カウンセリングの実施施設などを紹介してもらうことができます。
犯罪被害によるカウンセリングは、犯罪被害者等基本法に基づく医療費の給付制度などの支援をうけることができます。
PTSDの治療
自然の回復力を高める
PTSDになると、過大なストレスが身体やこころにかかります。そのため、自律神経のバランスが乱れます。
この自律神経のバランスの乱れを改善することで、身体とこころの持つ自然の回復力を高めることができます。回復力が高まることによって、PTSDの症状の改善につながります。
PTSDの症状がある状況では、不眠などの症状も現れます。自律神経の乱れをととのえることで、PTSDの症状の改善が期待できます。
具体的には、リラックスできるような時間を作ることや音楽などで好きな活動の時間をもつ事があります。
苦しい症状を軽減する
・持続エクスポージャー療法
・認知処理療法
・眼球運動脱感作療法
カウンセリング
・治療の心構え
・治療方針
薬物療法
・SSRI
・抗うつ薬など
PTSDの症状は、つらい出来事に対するストレス反応から現れます。これらの苦しい症状を軽減する治療があります。
認知行動療法
認知行動療法は、心理療法のひとつの方法です。治療の目標をはっきりとしたうえで、症状の改善やストレスに対する対処行動を獲得しようとする精神療法です。
認知行動療法は、一回一時間以下の面接で、10~16回の治療期間で行われます。患者さんの症状や状態により、治療時間が追加されることがあります。
カウンセリング
カウンセリングは、心理療法のひとつの方法です。カウンセリングは、精神科医師が行う場合と心理士が行う場合があります。
PTSDになった場合には、辛い体験をどのように乗り越えていくか話をしながら、気持ちや考えを整理することをめざします。
薬物療法
薬物療法では、強い不安や不眠などの症状を改善することができます。不安に対する薬やうつ状態を改善する薬が処方されます。
これらの薬を服用することで、夜間に入眠できることや悪夢が改善され、症状が改善が期待できます。
患者の家族の対応
PTSDの症状がある方が家族にいる場合、注意する点は本人の様子の変化に気づけるようにするという点です。
身体の症状やこころの症状がどのような状態か気にすることで、早期の受診などの相談や治療につながりやすくなります。
具合のすぐれない時には、あまり詮索しないことも大切です。本人が話しをする場合には聞いてあげましょう。また、大きな決断などをしなくてすむように助言することも必要です。
良くなるようにという思いから、励ますことで、本人の焦りにつながる場合もあります。受診に付き添ったりすることで、患者さんを支えることができます。
PTSDの経過と予後
PTSDになった人の経過は、自然治癒と治療を受けた場合で違いがあるといわれています。
自然治癒の場合は、三か月程度で回復すると考えられています。しかし、一定数の人は慢性化するといわれています。
治療を受けることができた場合には、治癒の確率が高くなります。さらには、早期に治療を始めることが大切です。
PTSDは、早期に治療を開始すれば、治癒が可能な病気です。つらい記憶を思い出すことを避けたい気持ちはあるとしても、相談や治療の力に頼ることが大切です。
PTSDでお悩みならシンプレ訪問看護ステーションへ
シンプレの特徴
- 精神疾患に特化
- 利用者様の自主性を尊重
- 利用者様それぞれに合わせた親身な対応
- 医療機関や行政との連携
シンプレ訪問看護ステーションは、精神科疾患の看護に特化した訪問看護ステーションです。精神科の知識や経験のある看護師などがお宅を訪問します。
PTSDの症状がある方やそれ以外の精神科疾患にも幅広く対応しています。利用者さんの主体性を尊重し、在宅生活を支援します。
それぞれの個別性や希望に添いながら、生活を整えたり、社会参加したりすることを支援しています。
医師を始めとした、訪問看護事業所以外の支援者とも連携や協力をしています。地域で暮らす精神障害を持つ方が暮らしやすくなるように調整も行います。
シンプレの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
上記の地域が、シンプレ訪問看護ステーションの訪問エリアになります。今後、訪問エリアを拡大する予定があります。
上記のエリア以外の地域でも、場合により訪問可能なケースもございます。まずは、お気軽にシンプレ訪問看護ステーションへご相談ください。
PTSDの症状でお悩みのある方、治療中で今後の社会復帰を検討していきたい方などのご相談にのることができます。
PTSDの症状以外の精神科疾患にも対応可能です。大切なお身内のことなどでお悩みのある方も、ご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
これまで、PTSDとはどのような病気か整理してきました。PTSDとは、どのような症状がある病気なのかということについても解説しました。
PTSDの症状が、日常生活に影響し、生活に苦労する状況になります。症状を抑えるためには、お薬に頼ることも大切です。
また、精神科の知識のある医師や看護師も相談にのることができます。精神科訪問看護では、社会復帰にむけ、課題の整理や課題について一緒に考えることができます。
PTSDの症状でお悩みの方は、お気軽にシンプレ訪問看護ステーションへご相談ください。
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