後天的に発症したサヴァン症候群について紹介
サヴァン症候群は、発達障害や知的障害を抱えながら、ある特定の分野で驚異的な能力を発揮する人のことをいいます。
多くは先天的なものですが、中には後天的にサヴァン症候群を発症するケースもあります。
では、後天的なサヴァン症候群は一体どのようなことが原因なのでしょうか?この記事では、後天的にサヴァン症候群を発症した事例をいくつか紹介します。
後天的にサヴァン症候群を発症するきっかけ
さっそくですが、後天的にサヴァン症候群を発症するきっかけを確認していきましょう。今回は3つのケースをご紹介します。
病気を経験したあと
病気で脳に衝撃を受けたり障害を負ったりした後に、ある分野で突出した能力を発揮することがあります。
これは小さい子に限らず、年配になってからでもこのような現象が起こることがあります。
前頭側頭型認知症(FTD)の発症
前頭側頭型認知症(FTD)は、脳の前方にある前頭葉と側頭葉が障害される病気です。
FTDに陥ると、通常は使われない脳の部分が活性化されることがあります。
その結果、サヴァン症候群と呼ばれる、特定の分野で驚異的な能力を発揮するようになったという事例があります。
事故などによる脳への衝撃
サヴァン症候群は、脳の損傷や障害、事故などによる脳への衝撃によって発症する可能性も考えられています。
サヴァン症候群の原因は、まだ完全には解明されていませんが、脳の機能と密接に関係していることは明らかです。
サヴァン症候群の特徴と後天的な事例
そもそもサヴァン症候群とは
サヴァン症候群とは発達障害や知的障害を持ちながら、ある特定の分野に突出した能力を発揮する人や症状のことを言います。
発達障害や知的障害は、比較的重度であり1人で日常生活を送ることが難しい方の場合が多いことも特徴です。
その能力については、規則性や傾向はありませんが、これから解説していくのような能力をもち、並外れて高い計算能力、音楽性、美術性などがあり、特に記憶力・再現力が高いことが特徴といわれています。
しかしながら、得意な分野と苦手な分野の差が大きく、苦手な分野では一般の人と比べて学習能力が劣っていることも知られています。
音楽的能力
音楽的才能については、絶対音感や高い記憶力、即興演奏能力などが挙げられます。
絶対音感とは、音を聞いてその音程を正確に認識できる能力です。音楽的サヴァン症候群の人の多くは、この絶対音感を持っています。
また、一度聞いた曲をすぐに覚えて演奏できる記憶力も、音楽的サヴァン症候群の特徴です。さらに、即興演奏ができることも、音楽的サヴァン症候群の人の特徴です。
後天的な事例では、楽器の演奏経験がない前頭側頭型認知症(FTD)の患者が、発症後にサクソフォンを習い始めると、わずか2ヶ月で馴染みのない曲を演奏できるようになったという症例報告があり、その後も初見での演奏を容易にするようになったとされています。
絵画など芸術的な表現力
サヴァン症候群の人は、絵画や彫刻などの芸術分野で、写実的な表現力や細部へのこだわり、独自の視点や表現力など、突出した才能を発揮することがあります。
後天的な事例では、かつて絵を描いたことのないヘルペス脳炎の患者が、発症数年後に風景写真の模写を始めたところ、写実的な作品を描くようになり、サヴァン症候群のような才能が開花したという症例報告があります。
記憶力や数学的能力
サヴァン症候群の人は、数学や記憶力に優れた能力を発揮することがあります。
数学では、計算能力が特に高く、生年月日を聞いただけでその日が何曜日か当てたり、膨大な数の数字を瞬時に計算したりすることができます。この能力は、幼少期からカレンダーや数字に触れることで身につくと考えられています。
記憶力では、膨大な量の情報を一瞬で記憶し、再現することができます。例えば、一度しか読んだことがない本の内容を完全に覚え、指定された人物のセリフを復唱したり、一度しか見たことがない地図を何も見ずに複写したりすることができます。
サヴァン症候群の方に多い障害と接し方
サヴァン症候群の人に多い主な障害
知的障害
サヴァン症候群の人に多い主な障害は、知的障害です。
知的障害とは、生まれつき、または幼少期に、知能の働きが低下している状態です。知的障害の程度は、軽度から重度までさまざまで、周りの人の助けがないと、日常生活の基本的な動作や、社会生活を送るのが難しい方がいらっしゃいます。
自閉スペクトラム症
自閉スペクトラム症は、人との関わりや言葉のやりとり、特定のことに強いこだわりなど、さまざまな特徴を持つ発達障害の一種です。
人との関わりの特徴としては、目が合わない、表情や感情を読み取るのが難しい、コミュニケーションが苦手などがあります。
言葉のやりとりの特徴としては、言葉の発達が遅い、相手の意図を理解するのが難しい、言語以外のコミュニケーションが苦手などがあります。
特定のことに強いこだわりの特徴としては、特定の物やことに強いこだわりを持つ、同じ行動を繰り返してしまう、感覚過敏や感覚鈍麻があるなどがあります。
サヴァン症候群の方への接し方
サヴァン症候群の方は、特定の分野で突出した能力を発揮する一方で、コミュニケーションや社会性が苦手な傾向があります。そのため、仕事や社会生活において、周囲からの理解や配慮が重要です。
サヴァン症候群の方に過度な期待をすることは、本人にとって大きなプレッシャーになる可能性があります。また、周囲からの偏見や差別によって、生きづらさを感じることも少なくありません。
本人の能力を最大限に引き出すためには、周囲が本人の個性を理解し、適切なサポートを行うことが大切です。
サヴァン症候群や関連疾患に関する相談窓口
サヴァン症候群の疑いがあるのが「子ども」か「大人」かで相談する機関が変わってくるので、それぞれの相談窓口をまとめました。
子供の場合
- 保健センター
- 子育て支援センター
- 児童発達支援事業所
- 発達障害者支援センター
サヴァン症候群など、子供の発達障害について悩んでいる方は、保健センターや子育て支援センター、児童発達支援事業者に相談することができます。
保健センターや子育て支援センターは、障害の有無に関わらず、子育て全般に関する相談を受け付けています。
まだ言葉が出てきていないような小さな子の場合、知的障害などの有無を判断するのは難しいです。
そのため、まずは保健センターや子育て支援センターに相談し、専門家のアドバイスを受けるのがおすすめです。
大人の場合
- 発達障害者支援センター
- 障害者就業・生活支援センター
- 相談支援事業所
大人の発達障害について悩んでいる方は、発達障害者支援センターや障害者就業・生活支援センターに相談することができます。
これらの機関では、日常生活や就労に関する悩みだけでなく、発達障害に関する疑問や不安の相談も受け付けています。
発達障害は、本人が気づきにくい場合もあります。他の人と違和感を感じているなど、気になることがある方は、一人で悩まず相談することをおすすめします。
精神科訪問看護を利用するという選択肢も
サヴァン症候群の疑いがあり日常生活で支援が必要なら、精神科訪問看護でサポートしてもらうのもおすすめです。
精神科訪問看護について
サービス名 | 精神科訪問看護 |
---|---|
対応スタッフ | ・看護師 ・准看護師 ・作業療法士 |
訪問日数 | 原則週3日以内 |
精神科訪問看護は精神科に特化したサービスで、医療従事者が訪問し必要な看護・療養上必要な援助・社会復帰指導などをおこないます。
精神科訪問看護は精神疾患のある利用者とその家族が利用できるサービスで、医療保険を利用する場合は週3日までです。
医療保険を利用する場合は週3日までと制限がありますが、制限を超える場合は自己負担で多く通うこともできます。
精神科訪問看護ではどんなサポートを受けられる?
- 症状のコントロールや治療の相談
- 日常生活の援助
- 対人面の相談
- 気分転換の援助・健康管理
- 服薬管理状況確認、援助
- 家族の悩みや不安の解消
- 社会資源の活用援助
精神科訪問看護では、社会生活機能の回復を目的として個々の患者さんに応じたプログラムや治療をおこないます。
日常生活の援助や自立支援、症状の悪化防止・服薬支援だけでなく、家庭・社会的問題の解決のお手伝いもします。
日頃からコミュニケーションを取ることで病状を把握しやすく悩みも相談しやすくなりますよ。
精神科訪問看護の料金
負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
---|---|---|
3割負担 | 3,897円 | 2,565円 |
2割負担 | 2,598円 | 1,710円 |
1割負担 | 1,299円 | 855円 |
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
精神科訪問看護では、医療保険を利用することにより自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用可能。かかった費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、長時間の訪問を行う場合は別途料金が発生します。
また自立支援医療制度いう制度を利用すると料金が1割負担になるほか、所得に応じて自己負担が0円になる場合もございます。
精神科訪問看護ならシンプレ看護ステーションへ!
最後に、精神科医療に特化した訪問看護サービスを提供している、当シンプレ訪問看護ステーションをご紹介します。
シンプレ訪問看護ステーションの特徴
・統合失調症
・双極性障害
・不安障害
・パーソナリティ障害など
主な看護内容
・生活支援、自立支援
・症状の悪化防止、服薬支援
・社会復帰へのサポート
・家族の方への支援など
シンプレ訪問看護ステーションでは精神科に特化した訪問看護サービスを提供しており、さまざまな精神疾患の訪問看護を行っております。
シンプレには、専門知識や経験が豊富なスタッフが多数在籍しており、精神疾患に対する看護を行いたいという気持ちの強い看護師が集まっています。
看護師など専門職のスタッフが定期的にお宅を訪問し、緊急のときもすぐに関係機関に連絡ができるよう、バックオフィスが連携をおこない、利用者様が安心した日常生活が送れるサポートをいたします。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
脳の欠損や障害、事故などによる脳への衝撃がきっかけでズバ抜けた能力が目覚めるサヴァン症候群は適切なケアが必要です。
相談できる機関は多数ありますが、こころの健康問題をご家族やひとりで抱えて悩むのではなく、精神科訪問看護という選択肢も含め専門機関に早めに相談しましょう。
シンプレ訪問看護ステーションは利用者様へのサポートを通じて社会復帰に向けての一歩をお手伝いします。精神科訪問看護サービスを受けるのが初めての方でも、どうぞお気軽にお問い合わせください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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