訪問看護の医療とは?医療保険は使える?費用・対象者をわかりやすく解説|シンプレ訪問看護
訪問看護は、自宅という落ち着いた環境で医療的なサポートを受けられるサービスです。住み慣れた自宅で療養したい方や、一人暮らしで生活や体調管理に不安を感じている方にとって、心強い支えとなります。
とくに近年は訪問看護の医療として、治療と生活を両立させる役割が注目されています。
訪問看護を検討する際、「医療としてどんな支援が受けられるのか」「医療保険は使えるのか」「自己負担はいくらかかるのか」など、疑問を感じる方も多いでしょう。
この記事では、精神科訪問看護を中心に、訪問看護の医療的な位置づけや保険制度、費用の考え方について、分かりやすく解説していきます。
精神科訪問看護の医療とは?
精神科訪問看護とは
・精神科・心療内科に通院中の方
・精神疾患の診断を受けている方
・診断名がなくても、医師が必要と判断した方
訪問する人
・看護師、准看護師
・作業療法士などのリハビリ専門職
訪問時間
・医療保険適用
(1回30分〜90分程度)
精神科訪問看護とは、精神疾患を抱えながら自宅で療養している方のもとへ、看護師や准看護師、作業療法士などの医療専門職が訪問し、医師の指示に基づいた支援を行う医療サービスです。
病院に通院しながらも、日常生活の中で不安や困りごとを抱えている方に対し、医療と生活の両面から継続的に関わることが大きな特徴です。
精神科訪問看護は、身体の処置だけを行うものではなく、症状の観察や服薬状況の確認、生活リズムの調整、対人関係や社会参加に関する相談など、幅広い支援を行います。
医療従事者が定期的に関わることで、症状の悪化を早期に察知でき、再発や再入院の予防にもつながります。
また、精神科病棟を退院した直後は、環境の変化による不安が強くなりやすい時期です。精神科訪問看護は、退院後の医療的フォローとしても重要な役割を担っており、本人だけでなく、同居するご家族の精神的・身体的負担を軽減する効果も期待できます。
精神科訪問看護で受けられるサポート内容
- 日常生活の維持や生活リズムの安定
- 服薬管理や体調・精神症状の観察
- 対人関係・社会生活に関する支援
- 家族関係の調整や家族への助言
- 症状の悪化・再発を防ぐための支援
- 医療機関や福祉サービスとの連携
- 社会資源の活用サポート
- 本人の自己肯定感や主体性を高める関わり
精神科訪問看護では、利用者さん一人ひとりの状態や目標に合わせて、これらの支援を組み合わせながら提供します。
単に「看る医療」ではなく、地域でその人らしい生活を続けるための医療として、精神科訪問看護は重要な役割を果たしています。
訪問看護に医療保険は適用される?
医療保険が使えるケース
精神科訪問看護を含む訪問看護サービスは、公的医療保険の対象となる医療サービスです。国民健康保険や健康保険(社会保険)などの医療保険を利用することで、自己負担1〜3割で訪問看護の医療を受けることができます。
医療保険が適用されるのは、医師から「訪問看護指示書」が交付されていることが前提となります。対象となるのは、40歳未満の方、または40歳以上であっても要支援・要介護認定を受けていない方です。
この場合、訪問看護は介護サービスではなく、治療や再発予防を目的とした医療行為として位置づけられます。
医療保険を利用した訪問看護では、原則として週3回までの訪問が可能です。ただし、退院後3か月以内の方や、医師から「特別訪問看護指示書」が出ている場合、症状や状態に応じて週4回以上の訪問が認められるケースもあります。
このように、訪問看護の医療は、病状に応じて柔軟に対応できる点が大きなメリットです。
介護保険が使えるケース
一方で、訪問看護は公的介護保険が適用される場合もあります。介護保険が使えるのは、要介護認定または要支援認定を受けている方や、40歳以上65歳未満で特定疾病に該当する方です。
この場合も医師による訪問看護指示書が必要となり、支給限度額の範囲内で訪問看護サービスを利用します。
介護保険が適用される場合、訪問回数に明確な上限はなく、ケアプランに基づいて必要な回数の訪問看護を受けることが可能です。ただし、医療保険と介護保険を同時に併用することはできないため、要介護認定を受けている方は原則として介護保険が優先されます。
精神科訪問看護においては、介護保険を持っている方であっても「精神科訪問看護」は医療保険が適用されるケースもあります。保険の適用については個別の状況によって異なるため、主治医や訪問看護ステーションに相談しながら確認することが大切です。
公的医療保険についてチェック
| 種類 | 国民 健康保険
|
健康保険 (社会保険)
|
|---|---|---|
| 職業 | フリーランス 自営業 |
会社員 |
| 傷病 手当 |
× | 〇 |
| 出産 手当 |
× | 〇 |
訪問看護の医療を利用する際に関係する公的医療保険には、「国民健康保険」と「健康保険(社会保険)」の2種類があります。
どちらの保険に加入するかは、勤務形態や生活状況によって異なり、日本に住むほとんどの方はいずれかの公的医療保険に加入しています。
公的医療保険に加入していることで、病気やケガの治療だけでなく、訪問看護のような在宅医療サービスも自己負担を抑えて利用することが可能になります。
精神科訪問看護も例外ではなく、保険適用により1〜3割の自己負担で継、「国民健康保険」と「健康保険(社会保険)」続的な医療サポートを受けられます。
国民健康保険での訪問看護
国民健康保険は、フリーランスや自営業の方、パート・アルバイトなどで職場の健康保険に加入していない方が対象となる公的医療保険です。
都道府県や市区町村が保険者となり、地域ごとに運営されています。
国民健康保険を利用した訪問看護では、年齢や所得に応じて自己負担割合が決まります。義務教育就学後から70歳未満の方は原則3割負担、70歳以上の方は2割、または所得に応じて3割負担となります。
この仕組みにより、精神科訪問看護の医療を継続しやすい環境が整えられています。
なお、国民健康保険では出産育児一時金などの給付はありますが、会社員向けの制度である傷病手当金は支給されません。そのため、長期療養が必要な場合は、訪問看護を活用しながら生活と治療のバランスを取ることが重要になります。
健康保険(社会保険)での訪問看護
健康保険(社会保険)は、会社員や公務員、その扶養家族が加入する公的医療保険です。保険料は給与から天引きされ、勤務先の健康保険組合などが保険者となります。
社会保険に加入している方が訪問看護を利用する場合も、自己負担割合は原則3割です。国民健康保険と同様に、医師の訪問看護指示書があれば、精神科訪問看護を医療として利用できます。
また、社会保険には出産手当金や傷病手当金といった給付制度があり、治療のために仕事を休まざるを得ない場合でも、生活を支える仕組みが整っています。
こうした制度と訪問看護の医療を組み合わせることで、無理のない在宅療養が可能になります。
訪問看護の自己負担額はどのくらい?
1割負担の場合
| 訪問者 | 看護師
|
|---|---|
| 月の負担割合 | 1割負担 |
| 月の初回訪問 | 1,299円 |
| 2回目以降 | 855円 |
退院後3か月以内/特別精神科訪問看護指示書なら週3回以上
75歳以上の後期高齢者医療制度の対象となる方は、原則として自己負担1割で訪問看護の医療を利用できます。
ただし、現役並みの所得がある場合は3割負担となるため、収入状況に応じた確認が必要です。
1割負担の場合、精神科訪問看護は比較的少ない自己負担で継続しやすく、長期的な在宅医療サポートとして利用しやすい点が大きなメリットです。初回訪問は1,299円、2回目以降は855円が目安となります。
2割負担の場合
| 訪問者 | 看護師
|
|---|---|
| 月の負担割合 | 2割負担 |
| 月の初回訪問 | 2,598円 |
| 2回目以降 | 1,710円 |
退院後3か月以内/特別精神科訪問看護指示書なら週3回以上
70歳から74歳までの方は、原則として医療保険の自己負担割合が2割となります。
この負担割合でも、医師の指示に基づいた精神科訪問看護を医療として利用することが可能です。
2割負担の場合でも、病院へ頻繁に通院する負担を減らし、自宅で医療的な支援を受けられる点は大きな利点です。体調や精神状態に不安がある方にとって、定期的な訪問は安心感につながります。
3割負担の場合
| 訪問者 | 看護師
|
|---|---|
| 月の負担割合 | 3割負担 |
| 月の初回訪問 | 3,897円 |
| 2回目以降 | 2,565円 |
退院後3か月以内/特別精神科訪問看護指示書なら週3回以上
70歳未満の方は原則3割負担となり、働きながら治療を続けている方も多く利用しています。
精神科訪問看護は、仕事や日常生活と治療を両立するための医療サービスとして活用されています。
料金が加算される場合もある
精神科訪問看護の基本料金に加えて、1日に複数回訪問する場合や、複数の医療職が同時に訪問する場合などには、加算が発生することがあります。
これらの加算は、医療制度に基づいて全国一律で定められています。
加算の有無や金額は、症状や支援内容によって異なるため、利用前に訪問看護ステーションへ確認しておくと安心です。費用面を正しく理解することで、無理なく訪問看護の医療を継続することができます。
どんな症状の人が精神科訪問看護を利用するの?
統合失調症・妄想性障害の方
統合失調症や妄想性障害は、幻覚や妄想、思考のまとまりにくさなどの症状がみられる精神疾患です。症状が強くなると、日常生活や人間関係に支障が出やすく、通院や服薬の継続が難しくなることもあります。
精神科訪問看護では、医師の指示のもとで看護師などの医療職が自宅を訪問し、症状の変化や服薬状況を丁寧に確認しながら支援を行います。体調や精神状態を日常生活の中で把握できるため、早めの対応や再発予防につながります。
また、外出や対人関係に不安を感じている方にとって、自宅で受けられる訪問看護の医療サポートは大きな安心材料となります。ご本人だけでなく、ご家族がどのように関わればよいかといった相談にも対応できる点が特徴です。
気分障害(うつ病・双極性障害など)の方
気分障害には、うつ病や双極性障害などがあり、気分の落ち込みや意欲の低下、反対に気分が高揚しすぎる状態を繰り返すことがあります。症状によっては、身の回りのことが負担になり、生活リズムが乱れやすくなります。
精神科訪問看護では、うつ症状や躁状態の変化を観察しながら、生活リズムの調整や服薬管理、無理のない過ごし方について一緒に考えていきます。医療としての視点で継続的に関わることで、症状の安定を目指します。
自宅療養中の方にとって、定期的に医療職と話せる機会があることは、孤立感の軽減にもつながります。必要に応じて主治医や関係機関と連携し、安心して治療を続けられる環境を整えていきます。
アルコールや薬物など精神作用物質による障害のある方
アルコール依存症や薬物依存症など、精神作用物質による障害は、本人の意思だけでコントロールすることが難しく、再発を繰り返しやすい特徴があります。入院治療を終えた後の生活管理や医療的フォローが非常に重要です。
精神科訪問看護では、退院後のアフターケアとして、自宅での生活状況や服薬状況を確認しながら、再発防止を意識した医療的支援を行います。必要に応じて、医師や保健師、ケースワーカーなどと連携し、支援体制を整えます。
このような疾患を抱える方にとって、訪問看護の医療は「見守り」だけでなく、生活と治療をつなぐ重要な役割を果たします。一人で抱え込まず、継続的な支援を受けることで、安定した生活を目指すことができます。
精神科訪問看護ならシンプレ訪問看護ステーションへ
シンプレ訪問看護ステーションとは?
シンプレ訪問看護ステーションは、精神科に特化した訪問看護サービスを提供しており、医療としての訪問看護を大切にしながら、ご本人の生活や思いに寄り添った支援を行っています。
精神疾患を抱えながら地域で生活する方が、安心して自分らしい毎日を送れるよう、看護師や准看護師、作業療法士といった専門職が連携してサポートします。
訪問時には、症状の観察や服薬管理といった医療的ケアだけでなく、生活上の困りごとや不安についても丁寧にお話を伺います。ご本人と直接面会が難しい場合でも、ご希望があればご家族からの相談に対応するなど、柔軟な関わりを大切にしています。
精神科訪問看護では、退院直後の不安定な時期や、症状が落ち着いてきた後の再発予防など、段階に応じた医療的支援が重要です。
シンプレでは、主治医の指示に基づいた継続的な訪問看護の医療を通して、無理のない在宅療養を支えています。
対応しているエリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリアは、東京23区、西東京市、武蔵野市、三鷹市、調布市、府中市、東久留米市、埼玉県の一部地域です。
記載エリアを中心に訪問を行っていますが、近隣の市区町村についても、状況によっては訪問可能な場合があります。
訪問回数は週1〜3回が基本となり、症状や医師の指示によっては週4回以上の訪問にも対応しています。祝日や土曜日も訪問を行っており、1回あたりの訪問時間は30分〜90分程度です。精神科訪問看護の利用を検討している方や、ご家族だけで悩みを抱えている方も、まずはお気軽にご相談ください。
シンプレは、訪問看護の医療を通して、地域で安心して暮らし続けられる環境づくりをお手伝いします。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ|訪問看護は医療と生活をつなぐ身近なサポート
精神科訪問看護は、医師の指示のもとで行われる在宅で受けられる医療サービスです。病院へ通院することが難しい方や、自宅での生活に不安を感じている方にとって、訪問看護の医療は治療と日常生活を両立するための大切な支えとなります。
訪問看護は、公的医療保険や介護保険の適用が可能で、条件に応じて1〜3割の自己負担で利用できます。保険制度を正しく理解することで、経済的な負担を抑えながら、継続的な医療サポートを受けることができます。
また、精神科訪問看護は、症状の観察や服薬管理といった医療的ケアだけでなく、生活リズムの調整や再発予防、家族への支援など、幅広い役割を担っています。医療と生活をつなぐ存在として、地域で安心して暮らし続けるために欠かせないサービスといえるでしょう。
シンプレ訪問看護ステーションでは、精神科に特化した訪問看護を通じて、ご利用者様一人ひとりの状況や思いに寄り添った支援を行っています。
精神疾患で自宅療養中の方や、ご家族のサポートに悩んでいる方も、どうぞお気軽にご相談ください。
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