アルツハイマー病の初期症状を3つ紹介
脳疾患であるアルツハイマー病は、記憶や思考能力がゆっくりと障害され、最終的には日常生活の単純な作業さえもできなくなる病気です。
アルツハイマー病は段階的に進行していくため、早めの段階で気づき医療機関に相談することが大切です。
今回は、アルツハイマー病の初期症状の特徴やアルツハイマー病を引き起こす原因を紹介します。
アルツハイマー病の初期症状から後期症状まで
アルツハイマー病は急激に進行するものではなく、徐々に進行するものです。症状にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
初期症状
まずは初期症状からご紹介します。アルツハイマー病は早期発見・早期治療が大事なので心当たりがある方は病院を受診しましょう。
物忘れ
「昨日の夕食は何を食べたっけ?」「夕食の買い出しに来たけど、何が必要なんだっけ…」このように、日常生活の中で「物忘れ」は度々起こります。アルツハイマー病の症状は多岐にわたりますが、多くの人々が初めに気づくのがこの物忘れです。
直近の記憶を覚えていられないため、同じことを何度も繰り返し発言する、最近あったことについて覚えていないなど、病状はゆっくり進行していきます。
見当識障害(時間)
「今日は何月何日なのか」「今は何時なのか」というように時間について正しく認識できなくなることもあります。
時間をはじめ、曜日や季節を間違えることが多くなり、時間感覚がわからなくなるのです。症状が進行すると、朝・昼・夜の認識がわからなくなると夜中に外を出歩いてしまったりします。
実行機能障害
物事を計画して実際に行動に移すことが難しい症状を「実行機能障害」といいます。献立を決めて必要な買い物ができなくなったり、なじみの料理が作れなくなったり、段取りが苦手になるのが特徴です。
認知機能の低下が組み合わさってこのような症状が出るので、日常生活全般に支障が出てくることも多いです。
中期症状
次に中期症状をご紹介します。中期症状になると日常生活がままならなくなってくるので、医療や行政のサポートについて、今から調べておきましょう。
見当識障害(場所)
「ここがどこなのか」等、場所について正しく認識することができなくなることもあります。見慣れた道、通い慣れた道であっても、曲がる方向などがわからなくなってしまうのです。家の中でもトイレの場所や自分の部屋などを間違えるようになります。
引っ越しや入院、部屋の模様替えなど、見当識障害は周囲の環境が変わることで起りやすいとされています。また、時間→場所→人間関係の順でわからなくなるのが一般的です。
失行
失行とは、日常の動作が苦手になってくる症状です。身体に麻痺はなく体は動かせるのですが、目的をもった行動の方法がわからなります。
洋服をどう着るのかわからなくなったり、お箸を上手に使って食事ができなくなったり、日常生活でできていた動作が困難になるのです。複数の動作からなる行為が難しくなり、症状が進行すると介助者のサポートが必要になります。
後期症状
中期から後期になると、日常的に排泄の動作介助も必要になったり、表情が乏しくなったり、家族の顔がわからない等の症状があらわれます。
また、他人が話している会話や語彙の理解も困難になり、コミュニケーション能力を失います。
そもそもアルツハイマー病とは?
アルツハイマー病の症状についてお伝えしましたが、今度は「アルツハイマー病」について詳しく見ていきましょう。
アルツハイマー病とは
認知症の 種類 |
アルツハイマー病 |
---|---|
脳の変化 | 老人斑や 神経原線維変化が 広範囲に出現 |
特徴的な 症状 |
・認知機能障害 ・もの盗られ妄想 ・徘徊 ・とりつくろい |
経過 | 広範な障害へ 徐々に進行 |
アルツハイマー病は脳が萎縮が海馬のあたりから始まって拡がっていく病気で、それに伴いさまざまな機能が失われていきます。
アルツハイマー病の原因は未だ解明されていませんが、脳の障害は症状が出現する10年以上も前に始まっていると言われています。
ゆっくりと年単位で症状が進行してくアルツハイマー病の根本的な治療はなく、症状の進行を遅らせる薬剤しかないのが現状です。
進行性の病気なので後期までに障害は広範囲に及び、最終的には日常的な介護が必要となります。
アルツハイマー病以外の認知症お種類
アルツハイマー病は脳が委縮してしまう疾患です。それ以外の原因によって引き起こされる認知症もいくつかあるので紹介していきます。
認知症の 種類 |
レビー小体型 |
---|---|
脳の変化 | レビー小体という 特殊なものができ、 神経細胞が 死滅してしまう |
特徴的な 症状 |
・認知機能障害 ・認知の変動など |
経過 | 良い状態と悪い状態を 繰り返しながら進行 |
レビー小体型
レビー小体型認知症は、脳内にレビー小体という異常なタンパク質が蓄積することで発症します。
実際にはないものが見えたり、手足の震え、認知機能の低下、気分や態度がころころ変わるなどの症状を引き起こします。
認知症の 種類 |
脳血管性型 |
---|---|
脳の変化 | 脳梗塞などが原因で 脳血液循環が悪くなり 脳の一部が壊死する |
特徴的な 症状 |
・認知機能障害 ・手足のしびれ、麻痺 ・感情をコントロールができない |
経過 | 段階的に進行 |
脳血管性型
脳血管性認知症とは、脳梗塞や脳出血など脳の血管障害によって起こる認知症で、認知症の症状だけでなく、歩行障害や呂律が回りにくいなどの症状があらわれます。
落ち着いていると思うと、急に症状が悪化したり変動することが多いのが特徴です。
認知症の 種類 |
前頭側頭型認知症 |
---|---|
脳の変化 | 脳の前頭葉と 側頭葉の神経細胞が 少しずつ壊れていく |
特徴的な 症状 |
・柔軟なとらえ方ができない ・衝動的な行動をとる ・尿失禁 |
経過 | 段階的に進行 |
前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症は、前頭葉と側頭葉の神経細胞が少しずつ壊れていくことによりさまざまな症状が起こります。
初期症状は物忘れではなく、性格変化や行動異常です。性格変化や行動異常と言った症状が見られます。他65歳未満の若年で発症することが多いのも特徴です。
アルツハイマー病を引き起こす原因
アルツハイマー病がどのように始まるのかは未だ解明されていませんが、アルツハイマー病を引き起こすとされている原因を3つご紹介します。
加齢による脳の変化
アルツハイマー病と診断された人の大半は65歳以上の方で、高齢者に発症する傾向があります。
体と同様に、人の脳も加齢とともに機能が老化するもの。加齢に伴う脳の変化が記憶力・判断力・適応力などが衰える原因と考えられています。
加齢による物忘れなどは珍しいことではありませんが、もし脳の萎縮がみられたら、それに伴い様々な機能が失われていきます。
加齢とともに誰にでも起こりうる病気ですが、何ごとにも興味や好奇心を持ち脳や心身を活性化することにより予防できるともされています。
遺伝因子
アルツハイマー病は、遺伝的な要因が関係しているという研究結果もあります。
多くの専門家は遺伝性があると考えており、家族にアルツハイマー病の方がいると発症するリスクは通常の約3倍程度と考えられています。
遺伝的なアルツハイマー病は「家族性アルツハイマー病」と呼ばれ、発症のリスクが高いと考えられている遺伝子の型を持っています。
ただし、遺伝子の型を持っていても発症しない人もいますし、遺伝子の型を持っていないのに発症する人もいます。
環境・生活習慣因子
加齢や遺伝の他、環境や生活習慣も原因の一つと考えられています。そもそも原因は一つとは限らず、複数の因子が絡み合って発症すると考えられています。
認知症は糖尿病や高脂血病、高血圧といった生活習慣病を持つ人がなりやすいので、生活習慣を見直すことも大切です。
運動不足や不規則な生活、偏った食生活にも気をつけましょう。運動や他人との交流で脳を刺激するのは認知症予防に役立つこともわかっています。
精神科訪問看護という選択肢も
精神科訪問看護とは?
・精神科・心療内科に通院中の方
・精神疾患の診断を受けた方
・診断がなくとも医師が必要と判断した方
訪問する人
・看護の専門職
・リハビリテーションの専門職
訪問時間
・医療保険
(30分から90分程度)
精神科訪問看護は精神科や心療内科に通院している方、診断はなくとも睡眠障害などで医師が訪問看護が必要と判断された人が対象です。
看護師や作業療法士などの医療スタッフが医師の指示のもと自宅へ訪問し、病状観察や日常生活指導、また家族支援などのサポートを行います。
通常、訪問は医療保険を利用し週3回まで可能で、1回の訪問は30分から90分と決められています。
外出が難しい方や精神科への入退院を繰り返している方、ご家族がどのように関わっていけばいいか困っている方は訪問看護を検討してみましょう。
精神科訪問看護ってどんなことをしてくれるの?
・自立した生活を営めるための支援
・規則正しい生活リズムへの調整
症状の悪化防止・服薬支援
・病状や普段の様子を観察
・服薬の管理や受診の支援
社会復帰へのサポート
・主治医や関係機関と連携
・社会復帰を支援
家族の方への支援
・家族へ接し方のアドバイスや相談支援
・社会資源の活用などを支援
精神科訪問看護では、「健康状態の観察」「病状悪化の防止・回復」「社会復帰の支援」など、症状の改善に向けてさまざまなポートを行います。
住み慣れた自宅で療養できるので、安心感が得られることや訪問看護の職員が定期的に自宅に訪問することによって孤立や孤独感が軽減され、心の支えを得られるというメリットもあります。
そのほかにも必要に応じて、医師や保健師、ケースワーカーなどの関係機関と連携し、病状の悪化の防止や早期回復につながるようサポートを行います。
精神科訪問看護の料金
訪問看護で利用できる介護保険と医療保険
アルツハイマー病は、介護保険の対象となります。介護保険は、要介護状態にある人が、介護サービスを利用するための保険です。
介護保険を利用することで、介護費用の一部が助成されます。
しかし、アルツハイマー病は、精神疾患を併発することがあります。例えば、うつ病、統合失調症などです。
精神疾患を併発している場合、医療保険を適応し訪問看護を利用することができます。
下記で詳しく解説していきます。
医療保険を適応した場合の訪問看護の料金
負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
---|---|---|
3割負担 | 3,897円 | 2,565円 |
2割負担 | 2,598円 | 1,710円 |
1割負担 | 1,299円 | 855円 |
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
精神科訪問看護では、医療保険を利用することにより自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用可能。かかった費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、長時間の訪問を行う場合は別途料金が発生します。
また自立支援医療制度いう制度を利用すると料金が1割負担になるほか、所得に応じて自己負担が0円になる場合もございます。
自立支援医療(精神通院医療)
区分 | 上限額 |
---|---|
生活保護 |
0円 |
低所得1 |
2,500円 |
低所得2 |
5,000円 |
中間所得1 |
5,000円 |
中間所得2 |
10,000円 |
一定所得以上 |
20,000円 |
表の料金は所得に応じた医療費の月額自己負担額の上限額となっております。
表の料金を超えた場合には、自己負担なしで医療が受けられます。
精神科訪問看護で医療保険を適応する場合、自立支援医療制度(精神通院)という助成制度を利用できます。
自立支援制度は、障害のある方の自立を助けるための公費負担医療費制度です。
精神に障害のある方の、障害の軽減などのために医療の自己負担費が補助されます。
助成の内容としては精神科にかかわる医療費が1割負担になることと、所得に応じて月の自己負担上限額が設定され上限額を超えた分に関しては自己負担がなしとなります。
通院費やお薬にかかる費用も対象になり、精神科デイケアや精神科訪問看護を利用した場合にも費用が補助されます。
精神疾患をお持ちの方は当ステーションにご相談ください!
シンプレ訪問看護ステーションって?
自分らしく自立した生活を営めるためのサポート
症状の悪化防止・服薬支援
生活状況を観察しながら受診や服薬を支援
社会復帰へのサポート
主治医や関係機関と連携を取りながら社会復帰を支援
家族の方への支援
・家族へのアドバイス
・相談、社会資源の活用
シンプレは精神疾患に特化した訪問看護ステーションで、うつ病や摂食障害など、幅広い疾患を対象としています。
精神科勤務経験のあるスタッフが在籍し、病気と付き合いながら自分らしい生活ができるように、自主性を尊重した看護サービスを提供しています。
また、病院、行政、在宅との情報共有を行い、それぞれの専門性を活かしながら治療や社会復帰のサポートができるのも特徴です。
シンプレは訪問看護サービスを通して利用者様の不安を受け止め、治療への頑張りを一緒に共有し、心から安心できる居場所づくりをお手伝いします。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの現在の対応エリアは、上記を中心となっております。
年齢に関わらずご利用することが可能です。サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。
上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
アルツハイマー病は急激に進行するものではなく、徐々に進行するものです。進行性の病気なので後期までに障害は広範囲に及びます。
初期症状としては、物忘れ・見当識障害・実行機能障害が挙げられますが、心当たりがあれば早めの受診をおすすめします。
わたしたち、シンプレもきっとお役に立てることがあります。
症状や生活上の悩みについて相談もお受けしており、必要な援助を行うことができますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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