こんな症状はうつ病のサイン?詳しい症状や利用できる制度・相談窓口も解説

うつ病の症状には食欲が減退したり、憂うつで何をしても楽しめないなどがあります。
健康な人でも気分の浮き沈みなどは日常生活で起こるため、本人は気づきにくいことがありますが、上記のような症状が長く続く場合、うつ病の可能性があります。
自己判断などせずうつ病かなと思ったら早期に相談することが大切です。
うつ病の症状
うつ病の精神的な症状
うつ病の精神的症状として「気持ち・気分の落ち込み」「イライラ」「やる気がなくなる」「ネガティブ思考」などがあります。
例えば、普段であれば何も思わない一言にも、過剰に反応してしまったり、嫌なことを頭の中で何度も繰り返したりなどが症状としてあげられます。
また心が健康なときは広い視野でものごとを考えられますが、うつ状態のときは視野が狭まってしまいがちです。
その結果自傷行為をしてしまったり、自殺するしかないという思考になるケースが少なくありません。
うつ病の身体的な症状
うつ病の身体的症状の1つに倦怠感があります。
倦怠感を感じると身体がすごく重く感じたり、すぐに疲れたりして考えたことを行動に移せなくなったりと症状はさまざまです。
人によっては手足に鉛をつけているのかと思うほど身体が動かなくなることもあります。
その他の症状として、布団に入ってもなかなか眠れないといった「睡眠障害」や、気分の落ち込み、うつ症状からくる「食欲の低下」などがあげられます。
身体的症状は日常生活に支障をきたすことがあると同時に、「イライラ」や「やる気の低下」など、精神的症状を引き起こす要因ともいえるでしょう。
うつ病の原因
原因
うつ病の原因は一つではないとされていますが、最もきっかけとなりやすいのは環境要因です。
環境要因には「健康状態の悪化」「仕事やお金のトラブル」「人間関係のトラブル」「親しい人や動物との死別」などがあります。
これらを体験すると精神的ストレスがかかり、結果としてうつ病を発症してしまう、あるいはうつ状態になってしまうというケースが多いです。
その他「性格」「遺伝」「慢性的な身体疾患」などもうつ病の発症要因といわれています。
うつ病になりやすい人の特徴
うつ病になりやすい人の特徴として「真面目」「完璧主義」「責任感が強い」「几帳面」「常に周囲に気をつかう」などがあります。
特に完璧主義な人や責任感が強い人は、人からの頼みごとに常に120%で応えてしまったり、余裕がなくても頼みごとを断れなかったりしがちです。
その結果自分のキャパシティをオーバーし、うつ病を発症してしまうことが多いでしょう。
また女性の場合、妊娠や出産はうつ病やうつ状態と関連が深いので注意が必要です。
身近な人がうつ病かなと思ったら
うつ病の人は意外に自分を責めていることが多いので不用意に励まさないようにしましょう。
不用意に励ますとかえって「早くうつ病を治さなきゃ」「早く仕事に復帰しなきゃ」といったプレッシャー与えてしまい、うつ病が治らない原因に繋がるからです。
またうつ症状がある人やうつ病の人は自分の判断で病院に行ったりしないことが多いので、症状の治療を理由に診察を促しましょう。
早い段階で適切な治療をうけることは、うつ病悪化やうつ症状軽減に大きな効果があります。
相談窓口
保健センター
保険センターは年代や性別に関わらずさまざまな人の健康ニーズに応え、住民の健康を助けることを目的とした施設で、市町村ごとに設置されています。
精神疾患にかぎらず「母子保健」「生活習慣病」「高齢者保健」「健康づくり」など幅広い相談に対応できることが特徴です。
また保健師による訪問支援も行っているので、直接施設にいくのが難しいかたでも安心して利用できるでしょう。お悩みが深刻化する前に一度相談してみてはいかがでしょうか。
SNS・電話相談
・よりそいホットライン
・こころの健康相談統一ダイヤル
SNS相談窓口
・こころのほっとチャット
・生きづらびっと
「今すぐ話を聞いてほしい」「誰かに相談したい」「死にたい・消えたい」などの思いがあるかたは電話相談やSNS相談をおすすめします。
サービスにもよりますが24時間対応のところもあり、家からでなくてもその場ですぐ誰かに繋がることができるからです。
また相談内容に応じて、対面相談および精神保健福祉センター、保健所、などの公的機関、NPO団体へ繋いでくれるサービスもあります。
こうした電話相談やSNS相談では専門の相談員が受け止め、必要な支援策などについて一緒に考えてくれるので、緊急時にはぜひ利用してみてください。
精神科・心療内科
不安、抑うつ、不眠・いらだちなどのうつ病の症状を感じた場合の相談先として、精神科や心療内科もおすすめです。
なぜなら精神科や心療内科では相談はもちろんのこと、その場で治療法や対策を提案してくれることが多いからです。
とはいえ初めて行くときは、自分の思っていることを病院の先生に説明できるか不安ですよね。
そういった場合は、家族に付き添ってもらうか、事前に話したい内容を紙にまとめておくことで、気持ちに余裕をもって受診できるでしょう。
うつ病の方が利用できる支援やサービス
自立支援医療(精神通院医療)制度
区分 | 上限額 |
---|---|
生活保護![]() |
0円 |
低所得1![]() |
2,500円 |
低所得2![]() |
5,000円 |
中間所得1![]() |
5,000円 |
中間所得2![]() |
10,000円 |
一定所得以上![]() |
20,000円 |
自立支援医療(精神通院医療)制度はすべての精神疾患を対象に通院による継続的な治療が必要な人が申請・利用できる制度です。
この制度は指定の薬局・医療機関のみ利用可能で、3割負担の医療費が1割負担まで軽減されます。
また状況にもよりますが月間の自己負担額に上限が定められるので、原則として上限を超える分の医療費は負担しなくてもよいことも特徴の1つです。
このように自立支援医療制度は精神疾患の治療でかさみがちな医療費負担を軽くし、治療に専念できるようにしてくれます。
精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳は精神疾患により生活に支障がきたす人が取得できる手帳です。
この手帳には1級~3級までの障害等級という分類があり、どれくらい生活ができないか、どのような症状がでているかを基準に振り分けられます。
また取得することで、障害者雇用枠へ応募できたり、料金の割引や助成が受けられたり、税金が優遇されたりといったさまざまな支援を受けられるのが特徴です。
精神障害者保健福祉手帳を持つことで受けられる支援は、治療を続けていくうえでの負担を減らすことにもつながりますのでぜひ申請してみてはいかがでしょうか。
傷病手当
傷病手当金は、健康保険に加入する被保険者が病気やケガで働けなくなり、事業主から充分な報酬を受け取れないときに支給される手当です。
受給条件には「働けない状況である」「病気やケガの原因が業務外」「連続した3日間を含む4日以上休んでいる」「休んだ期間に給与支払いがない」の4つがあります。
この条件を満たし受給が決定した場合、毎月給与のおおよそ2/3が支給されます。
なお国民健康保険加入者や後期高齢者医療制度加入者は傷病手当金の受給対象外となりますので注意が必要です。
うつ病の治療
休養
うつ病の治療法の一つに休養があり、これが何より大切と言っても過言ではありません。
なぜならうつ病になった人の大半はさまざまなプレッシャーに追われ、心身ともに疲れ切っているからです。
うつ病になってしまった場合は焦らず、一旦ストレスと考えられるものから距離を置き、ゆっくり過ごすことを心がけましょう。
またご自身のできるときに日光を浴びたり、少し散歩をしたり、心地よい音楽を聴いたりしてリフレッシュすることも大切です。
薬物療法
うつ病の治療に効果的とされているのがSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)です。
このSSRIを服用するとうつ病の原因の一つとも言われているセロトニンが増え、その結果少しずつ、うつ症状、不安、落ち込み、イライラなどが改善されていくといわれています。
一方でSSRIは効果が現れるまで1ヵ月ほどかかったり、吐気、だるさ、気持ち悪さなどの副作用がみられたりする場合があるので注意が必要です。
薬を服用する場合はご自身の判断でやめたり、増減したりせず、主治医の指示にしたがうようにしましょう。
精神療法・心理カウンセリング
うつ病の治療には休養や薬物治療がありますが、それ以外に精神療法・心理カウンセリングも有効とされています。
精神療法・心理カウンセリングはうつ病の原因となるストレスを振り返り、調子のいい状態を維持したり、再発を防いだりするのが目的です。
一般的に悲観的なとらえかたや考えかたの癖を改善する「認知行動療法」や対人関係の問題を解消し、ストレスを緩和につなげる「対人関係療法」があります。
これらの治療法は薬物療法とあわせて行うことでより効果を発揮しますが、何より大切なのはうつ病を早く治そうと焦らないことです。
精神科訪問看護を利用するという選択も
精神科訪問看護とは?
・自立した生活を営めるための支援
・生活リズムの調整
症状の悪化防止・服薬支援
・生活状況を観察
・受診や服薬を支援
社会復帰へのサポート
・主治医や関係機関と連携
・社会復帰を支援
家族の方への支援
・家族へのアドバイスや相談
・社会資源の活用などを支援
精神科訪問看護とは、精神疾患を抱えるかたや精神的な理由で不安があるかたに対して、看護師などの専門職がご自宅にお伺いし、支援するサービスです。
日常生活の維持、生活リズムの改善、悩みごとの相談などさまざまな観点からサポートすることで利用者さまが安心して生活できることを目指します。
同時に家族への支援も実施し、利用者さまを取り巻く環境全体を整えていく役割も担っているのも精神科訪問看護の特徴です。
とくにご自宅からでるのが難しい場合や、日常生活での注意点などを家族にも共有したい場合は精神科訪問看護を利用してみてもよいかもしれません。
精神科訪問看護のサービス内容と料金
サービス名 | 精神科訪問看護 |
---|---|
職種![]() |
・看護師 ・准看護師 ・作業療法士 |
訪問日数![]() |
原則週3日以内 (※例外もあります。) |
精神科訪問看護の訪問日数は利用者さま1名につき、1日1回、週に3日までと決まっており医療従事者がご自宅に訪問します。
サービス内容は「利用者さまの薬の管理」「日常生活の援助」「対人面の相談」「不安の解消」「薬の管理」などさまざまです。
また精神科訪問看護では、先ほど紹介した自立支援医療制度の利用もできるため、通常3割負担のところを1割負担で利用が可能となります。
うつ病でお悩みの方はシンプレへ
シンプレの特徴
シンプレ訪問看護ステーションは精神科に特化している訪問看護ステーションです。
シンプレ訪問看護ステーションでは、患者さんから得た「主観的情報」と医療者の観察から得た「客観的情報」を織り交ぜながら看護を提供するように意識しております。
また訪問看護に入らせていただく上で、地域で暮らす精神疾患のあるかたの自主性を尊重しています。
利用者さんの思いをしっかりと受け止め、少しでも安心して生活できるように支援させていただきます。
シンプレの対応エリア
- 新宿区・中野区・練馬区・豊島区
- 文京区・杉並区・渋谷区・千代田区
- 板橋区・葛飾区・江東区・江戸川区
- 墨田区・荒川区・北区・世田谷区
- 西東京市・三鷹市・武蔵野市・台東区
シンプレ訪問看護ステーションの訪問エリアは上記中心に行っています。
対応エリア外でも近隣エリアであれば対応できることがありますので、お気軽にお問い合わせください。
お子さまからお年寄りのかたまで年齢問わずご利用いただけます。サービス内容についてもご質問やご相談も承っております。
また、TwitterやLINE、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますのであわせてご覧ください。 ご相談のお問い合わせはこちら
まとめ
うつ病には不安、抑うつ、イライラ、食欲不振などさまざまな症状があり、原因も一つとは限りません。
精神面ではとくにつらく、家族にうまく説明できなかったり、理解されなかったりすることで人に対する恐怖心が芽生えてしまうこともあります。
そのためご家族や周りの支えは本当に大切です。
シンプレ訪問看護ステーションでは、精神科に特化した専門的なスタッフがさまざまな観点からうつ病を支援いたします。
うつ病でお悩みの場合には、ぜひシンプレ訪問看護ステーションにご相談ください。