気分変調症の症状とは?こころの不調を感じる方はお気軽にご相談ください。
気分変調症は、うつ病に比べて、2年以上続く慢性的な抑うつ症状の病気です。
「気分が落ち込んでいる」「疲れやすく、しんどい状態が続いている」という症状が長く続いている方はもしかしたら、気分変調症かもしれません。
症状や注意点などを解説していきますので、心当たりのある方は、ぜひ参考にしてくださいね。
気分変調症の症状ってどんなもの?
精神面
自分に自信が持てない
絶望感・悲観的になってしまう
憂うつでものごとを楽しめない
イライラしたり涙がでる
気分変調症の精神面の症状は、やる気がでにくい、絶望感、悲観的になる、イライラしやすいなどがあり、2年以上続くのが特徴です。
これらの症状により人生がつまらなく思え、ひきこもりがちになったり、自分に自信がなくなったりして、悲観的な考えが生まれるでしょう。
気分変調症は症状が慢性的になってしまうので「自分はこんな性格なんだ」と勘違いしてしまう方も多くいるようです。
身体面
身体がだるく疲れやすい
不眠・過眠(睡眠障害)
集中力の低下
気分変調症の身体面に現れる症状が原因で活動量が低下してしまい、日常生活や仕事がつらいと感じやすくなります。
不眠、過眠、食欲の変化、集中力の低下などが気分変調症の診断基準ですが、自分自身が感じる不調も重要視されています。
症状は2年以上続いてしまうので、食欲や睡眠ってこういうものと決め込み、日常生活に大きな影響をあたえている可能性が高いでしょう。
身体がつかれやすく、だるい状態が継続してしまうため、ふさぎこむことが多くなります。そのため、無気力状態になりやすいでしょう。
気分変調症とうつ病の違い
気分変調症は、うつ病に比べて症状が軽いため、うつ病の診断基準を満たさないことがあります。その場合、気分変調症と診断されることがあります。
うつ病は、症状が2週間以上続くと診断されます。気分変調症は、症状が2年以上続く場合が多いですが、必ずしもそうとは限りません。また、うつ病と診断された後、症状が長く続く場合は、気分変調症と診断されることもあります。
気分変調症の方は、気分が落ち込んでいると感じることが多く、うつ病の方は、気分が落ち込んでいても、本人が自覚していない場合もあります。
また、うつ病の症状は、周囲の人にもわかりやすいものが多い一方、気分変調症の症状は、本人が感じているものが多いと言われています。医師は、こういった症状や経過を総合的に判断し、気分変調症とうつ病の診断を下します。
気分変調症の注意点
症状の軽さから受診が遅れる可能性も
持続性抑うつ障害の誤解として、うつ病の症状が軽いという認識があります。しかし、うつ病と持続性抑うつ障害は、症状の重さや経過に大きな違いがあります。
うつ病は、ある程度のきっかけがあって症状が現れることが多く、症状が現れてから数ヶ月から数年程度で治まる傾向にあります。しかし、持続性抑うつ障害は、思春期前後に症状が現れてから、その後何年も続くことがあります。
また、うつ病では家から出られず食事もとれないといった強い症状がみられる一方、持続性抑うつ障害では、なんとか食事をとり、なんとか仕事を続けたりすることができたりするため、症状が慢性化してしまうリスクが高くなります。
他の精神疾患と合併しやすい
気分変調症の症状を自分の性格と思いこんでしまうと、病院を受診せずに症状が悪化しやすくなります。
すると、不安障害や強迫性障害、摂食障害、アルコール依存症、パーソナリティ障害などの他の精神疾患を併発するリスクが高まります。
気分変調症の人は、ストレスに敏感で考えすぎてしまうことも原因のひとつです。
また、気分変調症の患者さんの半分は25歳以下で、生活環境などが影響する傾向があるといわれています。そのため、誰でも気分変調症になる可能性があるのです。
症状が長く続く場合は相談を
専門窓口
うつ状態が長く続いている、相談相手が欲しいと感じる場合は、SNSやチャットで相談できる専門窓口に相談してみましょう。
さまざまな専門窓口が厚生労働省の取り組みで設置されており、年齢ごと、性別、使いたいSNSで相談を行っている団体を選べます。
どなたでも利用できるのが、電話や対面で相談ができる「自殺対策支援センターライフリンク」、24時間365日相談ができる「あなたのいばしょ」です。
18歳以下の子どもを対象としている「チャイルドライン」は、思春期に気分変調症になったお子さんの相談相手になってくれます。
医療機関
気分変調症は、からだやこころがずっとしんどい状態が続く精神疾患です。
生きていると、ストレスや失敗などで落ち込むことはありますが、毎日のように悲観的になってしまうのは、病気である可能性が高いです。
落ち込みやすい性格でも、ずっと落ち込むわけではありません。自分の性格だからと諦めないでください。
気分変調症は、ほかの精神疾患を併発することもあります。つらい思いが続いていたら、我慢せず専門のクリニックを受診しましょう。
気分変調症の方が仕事を続けるときの工夫
環境の調節
会社に気分変調症はどんな症状があるかを理解してもらい、働く環境の調節ができるようにしておくことが大切です。
そうすることで、気分がおちこんでいるとき仕事のプレッシャーがのしかかってきても、周囲に助けを求めやすいと考えられます。
また、休みがとりやすい職場を選ぶ、残業をしすぎない、仕事量を少なくするなど負担をへらし、調節しやすい環境にしましょう。
うつ状態になりやすい人はがんばりすぎるため、自分のこころと相談しながらゆっくり仕事を進めていく必要があります。
無理をせず休職も検討する
本当にしんどい時でも我慢して仕事を続けるのではなく、体調を第一に考えることが大切であるため、休職も検討してみましょう。
仕事がうまくいかない、職場での人間関係に悩んでいるなどが原因で、休職する人は少なくないようです。
逃げるのは悪いことと考えがちですが、自分のSOSは自分にしかわからず、仕事を無理して続けてもいい結果はでにくいと考えられます。
心療内科など専門のクリニックによっては、休職の相談や復職までのサポートを行ってくれるところもあります。無理をせず早めに受診をしましょう。
気分変調症の治療
薬物療法
気分変調症の薬物療法では、SSRIと呼ばれる抗うつ薬がよく用いられます。また、うつ病の薬物療法と同様の方法が効果的です。
薬の効果が出るまでには、早い人で1週間、遅い人で1カ月程度かかることがあります。効果が感じられないからといって、自己判断で薬の量を増減したり、服用をやめたりするのは危険です。
医師の指示に従って継続的に服用することで、憂うつ感や不眠などの症状が改善する効果が期待できます。
精神療法
精神療法では、病気の原因となるゆがんだ考え方や感情を修正する「認知行動療法」がよく用いられています。
認知行動療法では、日常生活で起こる問題(ストレス)に対処する力を身につけ、物事を前向きに捉えられるように指導されます。
欧米では、認知行動療法はさまざまな精神疾患の治療に効果があるとされており、気分変調症の他にも摂食障害や不眠症、うつ病、統合失調症などにも広く用いられています。
精神科訪問看護
- 専門的なケアが受けられる
- 定期的な通院の回数を減らせる
- 生活リズムを整えることができる
気分変調症の治療方法の一つに、精神科訪問看護があります。精神疾患のある人が、日常生活で困っていることを、看護師が自宅に訪問してサポートします。
困りごとは、薬を飲み忘れる、通院が途絶えてしまう、生活リズムが乱れる、周囲の人が病気を理解してくれないなど、さまざまです。
看護師やスタッフが、自立支援などの支援を行い、病気の回復をサポートします。
気分変調症のある方が利用できる支援やサービス
自立支援医療(精神通院医療)制度
区分 | 上限額 |
---|---|
生活保護 |
0円 |
低所得1 |
2,500円 |
低所得2 |
5,000円 |
中間所得1 |
5,000円 |
中間所得2 |
10,000円 |
一定所得以上 |
20,000円 |
精神障害がある人が利用できる公的な制度で、医療費の自己負担を軽減するメリットがあります。対象は、デイケア、通院、訪問看護、薬局です。
申請は、市区町村の障害福祉課などで行います。制度を利用できるのは、都道府県が指定した医療機関と薬局です。
医療費は、3割負担が1割になります。また、自己負担額の上限が定められており、上限を超えた分に関しては、負担する必要がなくなります。
精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳とは、精神障害があると認定された人に交付される手帳です。障害の程度や生活能力によって1級から3級の3つの等級に分かれています。
手帳の目的は、精神障害が原因で自分のやりたいことができない人の自立を支援し、社会とのつながりを促すことです。
手帳の申請は、市区町村の担当窓口で行っています。本人、家族、医療関係者などが申請することができます。申請後、精神障害の認定を受ければ、手帳が交付されます。
手帳を持っていると、公共料金の割引、税金の減免や控除、軽自動車税の減免など、さまざまなサービスを受けることができます。
就労移行支援
就労移行支援は、障害のある人が一般企業に就職するために必要な知識やスキルを身につけ、就職先を見つけるための支援を行う福祉サービスです。
「働きたいけど体調が不安」などの就労に対する不安をとりのぞくため、職場体験や就労に必要な訓練、求職活動支援、相談を行います。
就労移行支援は、18歳から65歳未満の方を対象としたサービスです。ただし、65歳になる前日までに利用を開始すれば、利用開始日から2年間はサービスを利用できます。
また、18歳未満の方でも、一定の条件を満たせば利用することができます。
訪問看護の利用ならシンプレへ
シンプレの特徴
精神疾患に特化した訪問看護ステーション、シンプレでは、精神疾患の知識を持つスタッフが定期的に自宅を訪問し、ご利用者さまの希望に合わせて、生活支援、自立支援、社会復帰支援、ご家族へのアドバイスなどのサポートを行っています。
ご利用者さまの考えや価値観を大切にしながら、安心して生活を送れるように支援いたします。
訪問看護師とバックオフィスは常に連携しており、緊急時には各機関に迅速に連絡できる体制を整えています。
シンプレの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレの訪問看護は上記のエリアで活動を行っておりますが、対応エリア外でも訪問可能な場合がありますので、お気軽にお問いあわせください。
シンプレではご利用者さまの自主性を重んじ、ご家族のこころの負担を軽減できるように、思いやりのこころを持ってサポートを提供させていただきます。
サービス内容がしりたい、スケジュールの相談などにも応じておりますので、ぜひご相談ください。SNSで情報発信をしていますので、HPをご覧ください。 ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
気分変調症の精神面の症状には、落ちこみやすい、憂うつ感、絶望感、イライラしやすいなどがあり、身体面は食欲の増減、身体がだるい、睡眠障害、集中力の低下などがあります。
症状は2年以上続くため自分の性格の問題と誤解しやすく、病院にいくのが遅れ、他の精神疾患を併発する可能性も高いです。
症状が長く続く場合には、専門窓口や医療機関に相談したり、精神訪問看護のサポートを頼ることを検討しましょう。
精神科に特化したシンプレは、ご利用者様にあわせたサポートを提供しています。気分変調症でつらいと感じているかたは、ぜひご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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