アルツハイマー病の原因からみる予防方法
アルツハイマー病について詳しい原因をご存じでしょうか?
アルツハイマー病の原因とされる物質に「アミロイドβ」と「タウタンパク質」があり、この2つが脳に溜まることで発症すると言われています。
今回はそんな2つの物質について詳しく解説し、アルツハイマーの予防・治療についても紹介していきます。
また、アルツハイマーを含む疾患をお持ちの方に対して訪問看護を行っている当ステーションについても触れていきますので、ぜひご一読ください!
アルツハイマー病の原因とされる物質がある?
はじめに、アルツハイマー病の原因とされる物質の「アミロイドβ」と「タウタンパク質」について見ていきましょう!
アルツハイマー病の進行に関係しているとされる物質
・異常なアミロイドの毒素で神経細胞が死滅する
タウタンパク質
・異常が生じると神経細胞の死を招く
アルツハイマー病の原因とされる物質に「アミロイドβ」と「タウタンパク質」があり、この2つの物質が脳の中に溜まり、脳が萎縮することで認知症の症状が現れます。
アミロイドβは脳内で産生されるタンパク質の一種で、脳のゴミのようなものです。通常の場合は排出されますが、アミロイドβが排出されずに溜まると神経細胞が破壊されます。
タウタンパク質もアミロイドβと同様に脳のゴミのようなもので、タウタンパク質が排出されずに脳の中に溜まると脳が萎縮して、記憶力などの認知機能が低下します。
アミロイドβとタウタンパク質の身体的役割は不明
アミロイドβとタウタンパク質は、脳内で産生されるタンパク質です。その生理機能や身体的役割は完全には解明されていませんが、脳のゴミのようなものと表現されることもあります。
健常者では、アミロイドβとタウタンパク質は脳内で産生された後、脳の外に排出されます。しかし、アルツハイマー病になると、アミロイドβとタウタンパク質が脳内に蓄積し、神経細胞の機能を障害します。
段階①初期
初期
進行具合の目安
1~3年
症状
・記憶障害
・見当識(時間、場所など)の悪化
・性格変化(うつ状態~多幸、興奮など)
アルツハイマー病の初期症状として、物忘れがひどくなることが挙げられます。アルツハイマー病による物忘れは、加齢による自然な物忘れとは異なる特徴があります。
アルツハイマー病による物忘れの特徴として、最近のことを忘れてしまい、直前に食事をしたことを忘れたり、体験したことそのものを忘れてしまいます。
アルツハイマー病の初期段階では、これまで普通にできたことができなくなり、料理を作れなくなったり、計画的な買い物ができなくなるなどの実行機能障害の症状も現れます。
段階②中期
中期
進行具合の目安
2~10年
症状
・記憶障害が進行
・失語、失認
・失行(日常行動がとれなくなっていく)
アルツハイマー病の初期段階は1~3年程度続き、さらに症状が進行すると中期段階に移行し、物忘れなどの記憶障害がひどくなり、場所の見当識障害や失行などの症状が出ます。
アルツハイマー病の中期になると徘徊をするようになり、道順がわからなくなってしまって家に帰れなくなり、警察に保護をされるといった場所の見当識障害が目立ってきます。
テレビのリモコンの操作ができなくなったり、着替えができなくなるなどの失行の症状も目立つようになり、日常生活を送るうえで人の支援が必要になってきます。
段階③末期
末期
進行具合の目安
10~15年
症状
・言葉数の減少
・手足の硬直
・寝たきり
・コミュニケーション能力の喪失
アルツハイマー病の中期段階は2~10年程度続き、そこからさらに進行すると末期段階に移行し、末期段階は10~15年程度続いて最終的には死亡します。
アルツハイマー病の末期症状は言語能力の低下が目立つようになり、喜怒哀楽の感情の表現は可能ですが、言葉を失ってくるため日常会話が困難になってきます。
アルツハイマー病の末期になると身体機能の低下が進み、最終的には寝たきりになることが多く、生活のあらゆる場面で介護や看護が必要になってきます。
アルツハイマー病の進行を抑える方法はある?
アルツハイマー病は完治させることはできませんが、進行を遅らせることは可能です。では次に、アルツハイマー病の予防方法を見ていきましょう!
アルツハイマー病の予防方法
・ウォーキング
・ジョギング
睡眠
・規則正しい睡眠をとる
・20~30分程度の昼寝
アルツハイマー病の原因は脳内にアミロイドβとタウタンパク質が溜まることですが、睡眠をすることでアミロイドβとタウタンパク質が排出しやすくなります。
アルツハイマー病の予防に運動が良い理由は、運動をするとアミロイドβとタウタンパク質を分解する酵素が活性化し、アミロイドβとタウタンパク質の排出が促進すると言われています。
運動はウォーキングや軽いジョギングや、しっかりと睡眠を取り、20~30分程度の昼寝をすることもアルツハイマー病の予防につながります。
糖尿病予防がアルツハイマー病の予防にもなる!?
糖尿病を患っている方はアルツハイマー病になりやすく、糖尿病で高血糖の状態が続くとインスリンの作用不足でアミロイドβとタウタンパク質が蓄積しやすくなります。
このように、糖尿病とアルツハイマー病は密接に関連しており、糖尿病を予防することはアルツハイマー病の予防にもつながります。
糖尿病の予防は食事療法と運動療法が効果的で、糖質量の少ない食材を摂取するようにして、ウォーキングやヨガなどの有酸素運動を習慣にすると良いでしょう。
過度な喫煙・飲酒を控えること
アルツハイマー病の予防に、生活習慣の改善が大切です。特に気をつけたいのが、喫煙と過度の飲酒です。
喫煙は、アルツハイマー病だけでなく脳血管性認知症のリスクも高める要因であることが判明しています。海外の研究では、喫煙者と非喫煙者を比較すると、喫煙者の認知機能の低下が早まることが示されています。
また、喫煙習慣と過度の飲酒習慣が重なると、脳の認知機能の低下がさらに早まる可能性があります。
アルツハイマー病の初期症状には、物忘れが多いなどの症状があります。これらの症状がみられたら、早めに禁煙と節酒を心がけることで、アルツハイマー病の進行を遅らせることにつながります。
アルツハイマー病の原因検査・治療方法
物忘れがひどくなってきた時はアルツハイマー病の初期症状の可能性がありますので、早めに医療機関を受診しましょう。では次に、アルツハイマー病の検査や治療方法を見ていきましょう!
検査は問診や医療機器を用いた測定が中心
アルツハイマー病の検査は、まずは問診を行って認知症の症状を把握します。その後、MRIなどの医療機器を用いて画像検査を行い、アルツハイマー病の診断を行います。
問診では、現在の状態やこれまでにかかった病気などを医師が質問し、家族からも聞き取りを行い、ミニメンタルステート検査(MMSE)などで認知機能を測定します。
アルツハイマー病になると脳が萎縮するため、MRIなどで脳画像検査を行って脳の状態を調べ、検査結果を総合的に検討したうえでアルツハイマー病の診断を下します。
投薬治療
脳内のアセチルコリンの減少を防止
NMDA受容体拮抗薬
・神経伝達の調整
・神経細胞の保護
アルツハイマー病は、脳の神経細胞が破壊されることで引き起こされる病気です。破壊された神経細胞は再生できないため、アルツハイマー病を根本的に治すことはできません。
しかし、投薬治療によってアルツハイマー病の進行を遅らせることは可能です。コリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬などのお薬は、破壊されていない神経細胞を活性化させることで、認知機能の保持に役立ちます。
これらのお薬は、記憶障害などの症状を劇的に改善することはできませんが、進行を遅らせることで、認知機能の保持が期待できます。
治療サポートに訪問看護を利用するのもあり
アルツハイマー病が進行すると自宅療養をすることが多いですが、訪問看護サービスを利用すると、アルツハイマー病の治療のサポートに役立ちます。
訪問看護では、看護師などの医療従事者が定期的に自宅を訪問するので、自宅に居ながら医療従事者によるケアが受けられ、通院の回数を減らすことにもつながります。
患者さんと同居をしているご家族の方は、医療従事者からの適切なアドバイスが受けられますので、アルツハイマー病の進行を抑制する正しい看護の方法がわかります。
当ステーションならアルツハイマー病の訪問看護もできます
では最後に、アルツハイマー病の訪問看護も行っております、当ンプレ訪問看護ステーションをご紹介いたします。
シンプレ訪問看護ステーションって?
シンプレ訪問看護ステーションは精神科に特化した訪問看護サービスを提供しており、アルツハイマー病の訪問看護も行っております。
精神科訪問看護は、外に出ることが難しい方やなるべく自宅で過ごしたいという方のためのサービスです。
日常生活の介助や心のケアだけではなく、服薬の管理や、ご相談があればご家族様へのサポートなども行っています。
患者さんが持つ病気とどう向き合っていくかをシンプレに在籍している看護師などの医療従事者が一緒に考え、患者さんらしさを失わないよう自立した生活をするためのご支援を心がけています。
訪問看護プラン
サービス名 | 訪問看護 |
---|---|
職種 | ・看護師 ・准看護師 ・作業療法士 |
訪問日数 | ・原則週3日以内 |
訪問看護サービスでは医療従事者がご利用者様の自宅を訪問しますが、看護師や准看護師だけでなく作業療法士の訪問も可能で、自宅でリハビリ治療も受けられます。
訪問看護は医療保険と介護保険が適用され、医療保険でサービスを利用する場合は原則として週3回までの訪問が可能で、自己負担額で利用できます。
介護保険で訪問看護サービスを利用する場合は利用回数に制限はなく、要介護・要支援度に応じてケアプランを作成したうえで、訪問看護サービスを利用できます。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの訪問エリアは、上記中心に行っています。
今後はさらに事業を拡大していく予定となっています。上記のエリア以外にお住まいの方でも、サービスのご利用が可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
また、TwitterやLine、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますので、ぜひご覧ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
アルツハイマー病は脳内に「アミロイドβ」と「タウタンパク質」が溜まることが原因で発症し、加齢で認知症の症状が進行しますが、お薬で進行を抑制することが可能です。
アルツハイマー型認知症になると自宅療養をすることが多いですが、訪問看護を利用すると、自宅や地域社会で生活を送りながら医療従事者によるケアが受けることが可能です。
精神科訪問看護サービスを受けるのが初めての方でも、アルツハイマー病でお悩みの方、ご家族にアルツハイマー病の方がいらっしゃるという方は、お気軽にご相談ください。
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