精神疾患の種類をカテゴライズ!分類ごとに精神疾患の特徴を詳しく解説
精神疾患の種類について情報をお探しですか?精神疾患とは、脳の機能的な障害や器質的な問題によって生じる疾患の総称です。
精神疾患と一口に言ってもさまざまな種類があり、それぞれ適切な治療法も異なります。
そこで今回は、精神疾患の種類、それぞれの特性や対処方法などを見ていきましょう。
精神疾患の方が利用できる精神科訪問看護ステーションについても紹介しますので、ご自身やご家族に精神疾患が疑われるという方はぜひ参考にしてくださいね。
代表的な精神疾患を紹介
うつ病
・気分が落ち込む
・ネガティブな思考で考える
・興味があったことに関心がなくなる
・楽しんだり喜ぶ気持ちを失う
うつ病の身体症状
・不眠または過眠
・頭痛やめまい
・過食や拒食
うつ病は、誰にでも起こる可能性がある人々の心と体に影響を与える病気です。
うつ病の精神症状には、気分がとても落ち込んでしまうことや、興味を持てることに対して関心を持てなくなるなど、楽しい気持ちや喜びを感じにくくなることがあります。
また、うつ病には身体症状もあり、頭痛やめまいが起こったり、食欲が増えたり減ったりすることもあります。
身体症状が精神症状よりも目立って表れる場合もあるので、気になる症状が続くときには精神科や心療内科を受診して、 医師に相談することをおすすめします。
統合失調症
・妄想・幻覚
・他人から責められていると感じる
・他人から危害を加えられている
陰性症状
・喜怒哀楽の変化が乏しくなる
・自宅にひきこもりがちになる
・好きだったことに興味関心がなくなる
・部屋が散らかりがちになる
認知機能障害
・一つのことに集中できなくなる
・本を最後まで読めなくなる
・物事を指示通りに進められなくなる
・単純な作業をやり終えることができなくなる
統合失調症は100人に1人弱がかかると言われている精神疾患の一つです。幻覚や妄想などの症状が現れ、それによって社会生活や人間関係に影響を及ぼす事が特徴とされています。
発症する原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的要因や環境要因が関与していると考えられています。
統合失調症は早期発見・早期治療が大切であり、状態の悪化や再発を防ぐために継続して治療を受けることが重要です。
双極性障害
・睡眠時間の短縮
・怒りっぽくなる
・饒舌になり話が止まらない
双極性障害のうつ状態
・ゆううつで気分の浮き沈みがある
・自分には価値がないと感じる
・死にたくなる
双極性障害は、気分が落ち込んでいる状態と元気な状態が交互にやってくる精神疾患の一つです。元気な時は普通に生活できることもありますが、うつ状態では食事を摂ることさえ難しいことがあります。
双極性障害の特徴として、本人が苦しみを感じたり、自殺念慮をもつ可能性もあるため、早期に発見し、早期の治療を始めることが重要です。
双極性障害の患者さんにとって周りの人々からの理解や協力が非常に大切です。家族や友人がサポートや、医師の指示に従うことで、病状の管理や回復への一歩となります。
その他の精神疾患
その他の精神疾患としては、先ほどもご紹介した通りパニック障害・外傷後ストレス障害・アルコール依存症などがあります。
パニック障害は突然動悸やめまい・吐き気・手足の震えなどの発作が起こり、日常生活に支障をきたす疾患です。
外傷後ストレス障害は犯罪被害、災害などによる恐怖やストレスによって引き起こされる精神疾患です。
アルコール依存症は飲酒量の調節や断酒ができず、日常生活や人間関係にも支障をきたす精神疾患になっています。
精神疾患の種類はどのように分類される?
ICD-10による精神疾患の分類
分類 コード |
疾患の種類 |
---|---|
F0 |
症状性を含む 器質性精神障害 |
F1 |
精神作用物質使用による 精神及び行動の障害 |
F2 |
・統合失調症 ・統合失調型障害 ・妄想性障害 |
F3 |
気分(感情)障害 |
F4 |
・神経症性障害 ・ストレス関連障害 ・身体表現性障害 |
F5 |
・生理的障害 ・身体的要因関連の 行動症候群 |
F6 |
・成人の人格 ・行動の障害 |
F7 |
精神遅滞 |
F8 |
心理的発達の障害 |
F9 |
小児期及び青年期発症 行動及び情緒の障害 |
ICD-10とは世界保健機構による疾患分類であり、精神疾患に関する全体的な枠組みを記しています。
F0からF9まで細かく分類されており、具体的な疾患内容や状態が定められているのです。
主な精神疾患としては統合失調症、双極性障害などがあり、統合失調症はF2、双極性障害はF3に分類されています。
その他にも神経症・パニック障害・外傷後ストレス障害・アルコール依存症などがあります。
DSM‒5による精神疾患の分類
分類 | 下位分類 |
---|---|
知的能力 障害群 |
・知的能力障害 ・全般的発達遅延 ・特定不能の 知的能力障害 |
・コミュニ ケーション 症群 ・コミュニ ケーション 障害群 |
・言語症 ・言語障害 ・語音症 ・語音障害など |
・自閉 スペクトラム症 ・自閉症 スペクトラム障害 |
ー |
・注意欠如 ・多動症 ・注意欠如 ・多動性障害 |
ー |
・限局性学習症 ・限局性 学習障害 |
ー |
・運動症群 ・運動障害群 |
・発達性協調運動症 ・発達性協調運動障害 |
・チック症群 ・チック障害群 |
・トゥレット症 ・トゥレット障害 |
・他の 神経発達 症群 ・他の 神経発達 障害群 |
・他の特定される 神経発達症 ・他の特定される 神経発達障害 |
DSM‐5は日本精神神経学会精神科用語検討委員会によって定められたDSM‐5病名・用語翻訳ガイドラインのことです。
精神疾患の病名、精神疾患内容に関する用語が細かい部分に至るまで翻訳がされています。
神経発達症・統合失調症・双極性障害・不安症など、大きなくくりで分けながらより細かく翻訳されています。
このガイドラインは人によって訳し方に差が出て混乱が起きることがないように定められたものです。
精神障害の原因による分類
- 遺伝
- 生物学的な要因(身体的要因)
- 心理的な要因
- 社会的な要因
精神疾患の原因ははっきりと解明されていませんが、精神疾患の原因にはさまざまな要因が複雑に絡み合っていると考えられています。
遺伝は精神疾患の原因の一つと考えられており、特定の遺伝子や遺伝的リスクが、精神疾患の発症リスクを高める可能性があります。
生物学的要因は、脳の構造や機能の異常が精神疾患の原因になると言われており、心理的要因として考えられる原因は不安やトラウマ、ストレスなど、特性や思考パターン、トラウマ体験などです。
社会的要因では、家族、学校、職場などの虐待やいじめも精神疾患のリスクを高めると言われています。
精神疾患の治療法にはどんなものがある?
薬物療法
種類 | 働き | 対象 疾患 |
---|---|---|
抗精神病薬 |
ドーパミンの 働きを調節 |
・統合失調症 ・双極性障害 |
抗うつ薬 |
セロトニン 濃度を上昇 |
うつ病 |
気分 安定薬 |
神経活動を 安定化 |
双極性障害 |
・抗不安薬 ・睡眠薬 |
リラックスする 神経の働きを 強める |
・不安障害 ・不眠症 |
1つ目の治療法は薬物療法です。それぞれの精神疾患やお薬の飲み合わせなど患者さんに合わせて使う薬を変えて治療していきます。
精神疾患を持っている方は幻覚や妄想、不安などから睡眠障害になる事が多いので、睡眠薬も治療薬として使われることがあります。
しかし薬物療法は副作用が強く出ることもあり、無力感や眠気・脱力感に悩まされる方が多いというのも特徴です。
周りの人からの理解や協力が必要であり、悪化や再発を防止するために飲み忘れを防ぐことも大切になります。
心理社会的療法
2つ目の治療法は心理社会的療法です。心理社会的療法は心の健康な部分に働きかけるというのが特徴です。心理社会的療法の中には、精神療法も含まれます。
悪い部分に注目して不調を減らすのではなく、良い部分を高めて精神疾患による負担をカバーしていきます。
脳の不調に働きかけて心の不調の改善を図る事が薬物療法であり、心の不調に働きかけて脳の不調の改善を図るのが心理社会的療法です。
会話などのコミュニケーションを大切にし、心を通わせる事で状態の悪化を防いだり、回復を目指していく治療法になっています。
精神疾患の相談をするには?
相談先 | 相談内容 | 相談員 |
---|---|---|
・保健所 ・保健センター |
・こころの健康 ・保健など |
・保健師 ・医師 |
精神保健 福祉センター |
精神科医療 | ・医師 ・看護師 ・臨床心理技術者 ・作業療法士 |
いのちの電話 |
電話を匿名で 受け悩みを聞く |
認定ボランティア |
精神疾患の相談は、勇気のいることかもしれませんが、一人で悩みを抱え込まないでください。相談することで、あなたの心の支えになってくれる人がいます。
精神疾患の相談をする方法は、いくつかあり、電話相談は、いつでもどこでも気軽に相談することができます。また、SNS相談は、匿名で相談することができます。面接相談は、専門家に直接会って相談することができます。
いのちの電話は、24時間365日、自殺を考えている人や、自殺について悩んでいる人をサポートする電話相談サービスです。
精神疾患の相談窓口は、全国にたくさんあります。自分の住んでいる地域の相談窓口を探して、相談してみてください。
精神科訪問看護を利用するという選択肢も
精神科訪問看護とは?
・精神科・心療内科に通院中の方
・精神疾患の診断を受けた方
・診断がなくとも医師が必要と判断した方
訪問する人
・看護の専門職
・リハビリテーションの専門職
訪問時間
・医療保険
(30分から90分程度)
精神科訪問看護は精神科や心療内科に通院され精神疾患と診断されている方、診断はなくとも睡眠障害などで医師が訪問看護が必要と判断された人が対象です。
看護師や作業療法士などの医療スタッフが医師の指示のもと自宅へ訪問し、病状観察や日常生活指導、また家族支援などのサポートを行います。
通常、訪問は医療保険を利用し週3回まで可能で、1回の訪問は30分から90分と決められています。体調や病状に合わせて訪問回数や時間を調整します。
外出が難しい方や精神科への入退院を繰り返している方、ご家族がどのように関わっていけばいいか困っている方は訪問看護を検討してみましょう。
精神科訪問看護のサポート内容
- 日常生活の維持
- 生活技能の獲得・拡大
- 対人関係の維持・構築
- 家族関係の調整
- 精神症状の悪化や増悪を防ぐ
- ケアの連携
- 社会資源の活用
- 対象者のエンパワーメント
精神科訪問看護では、「健康状態の観察」「病状悪化の防止・回復」「社会復帰の支援」など、症状の改善に向けてさまざまなポートを受けることができます。
訪問してご本人様と面会ができない場合でも、ご希望があればご家族様からの相談を受けることも可能であったりと、それぞれの利用者様にあった看護を行っております。
また住み慣れた自宅で療養できるので、安心感が得られることや訪問看護の職員が定期的に自宅に訪問することによって孤立や孤独感が軽減され、心の支えを得られるというメリットもあります。
そのほかにも必要に応じて、医師や保健師、ケースワーカーなどの関係機関と連携し、病状の悪化の防止や早期回復につながるようサポートを行います。
精神科訪問看護ならシンプレ看護ステーションへ!
シンプレ訪問看護ステーションとは?
シンプレは精神疾患に特化した訪問看護ステーションで、うつ病や摂食障害など、幅広い疾患を対象としています。
精神科勤務経験のあるスタッフが在籍し、病気と付き合いながら自分らしい生活ができるように、自主性を尊重した看護サービスを提供しています。
また、病院、行政、在宅との情報共有を行い、それぞれの専門性を活かしながら治療や社会復帰のサポートができるのも特徴です。
シンプレは訪問看護サービスを通して利用者の不安を受け止め、治療への頑張りを一緒に共有し、心から安心できる居場所づくりをお手伝いします。
どんな看護をするの?
対象者 | 主な看護内容 |
---|---|
精神疾患全般 |
・生活支援、自立支援 ・症状の悪化防止、服薬支援など |
訪問看護を利用するメリットは外出が難しい方や治療を中断してしまう方も、自宅で継続的に看護を受けられることです。
病状や内服状況など、医療機関やかかりつけの医師と連携し情報を共有できます。
家庭での療養状況や家族の疲労を確認し、デイサービスやショートステイ、介護サービスの導入も提案できます。
精神疾患と診断された方が、家庭や地域社会、また学校生活を安心して過ごせるよう利用できる制度なども提案します。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
現在の対応エリアは、上記を中心としています。
今後はさらに事業を拡大していく予定となっています。今エリア外でも、対応できる場合もありますので、お気軽にお問い合わせください。
シンプレ訪問看護ステーションでは、お子さまからお年寄りまで幅広い考え方、価値観を大切にして寄り添います。
思いやりの心を忘れることなく利用者様のご支援をさせていただきます。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
精神疾患は、疾患に合わせて適切な治療を受けていく事や、治療の継続が大切になります。
薬物療法や精神療法など自分の症状に適した治療を受ける事で、回復に向かう事ができたり悪化を防ぐ事が可能です。
精神疾患は1人で抱え込まず、専門の機関やサービスの助けを得るのが回復への重要な1歩となります。
精神疾患をお持ちでお困りの方、精神科訪問看護の利用を検討中でしたらシンプレ訪問看護ステーションまでお問い合せ下さい。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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