ギャンブル依存症の症状とは?併発しやすい精神疾患との関係性をチェック!

ギャンブル依存症の症状は、ギャンブルに勝利を追い求めたり、時間とお金をギャンブルに費やすことが生活の中心となり、日常生活に支障をきたします。
ギャンブル依存症は、精神疾患と密接に関連しており、うつ病や不安障害などの精神疾患を併発することが多く、治療には総合的なアプローチが必要とされています。
今回は、ギャンブル依存症の症状や克服へのポイントについて解説していきます。
ギャンブル依存症の症状
- 負けを取り戻そうと考える(負け追い)
- より強い興奮を味わう
- イライラ・ゆううつ感を解消する
- 賭けていると落ち着く
- ギャンブルに関することが頭から離れない
- 歯止めが効かず上手に加減できない
- ギャンブル関連で嘘をつくようになる
- 大切な人間関係の危機や崩壊
- ギャンブルを原因として借金をする
ギャンブル依存症とは一般的に「パチンコや公営競技のような賭けごとにのめりこむことにより、日常生活または社会生活に支障が生じ、治療を必要とする状態」のことをさします。
賭けごとをたのしむという当初の健全な動機が、別の動機にすりかわることが発症の引き金になりがちです。
症状としては「負けをとりかえそうとする」「より強い興奮をあじわいたい」「賭けていると落ちつく」「ギャンブルに関することが頭からはなれない」などがあげられます。
DSM5という米国精神医学会の指標によると、上記のようなギャンブル依存症の症状9項目中、4項目以上でギャンブル依存症と診断されます。
ギャンブル依存症の患者数
海外の研究では、一般人口におけるギャンブル依存の有病率は0.4~2.0%と推計されています。
また、ギャンブル依存症まではいかないものの、ギャンブルに問題のある人までふくめるとさらに1.3~2.3%ふえると推計されています。
日本におけるギャンブル依存の有病率に関する調査はほとんどありませんが、厚生労働科学研究によると、ギャンブル依存がうたがわれる人の数は平成25年度で4.8%と推計されています。
今後、日本のギャンブル依存の問題をかんがえるうえで、さらなる実態調査が必要でしょう。
ギャンブル依存症と併存しやすい疾患
- ニコチン依存
- アルコール・薬物依存
- 気分障害(双極性障害を含む)
- 不安障害
ギャンブル依存症には精神疾患の合併がおおく、とくにニコチン依存をふくむ物質使用障害、アルコール乱用や依存症といったアルコールの問題、うつ病などの精神障害がおおいです。
合併する割合や頻度はさまざまですが、複数の調査から作成された論文によるとニコチン依存の割合が60%と一番たかく、ついでアルコールや薬物の問題が58%という結果がでています。
一方、アルコールや薬物の問題がギャンブル依存の原因となる場合もあり、精神疾患とギャンブル依存症は相互に影響しあっていることが指摘されています。
このような合併症は希死念慮や自殺といった重大な問題と関連することもあるため、早期の発見と適切な治療がたいせつです。
ギャンブル依存症かもしれないと思ったら
ご家族にとって大切な事
- 家族の中だけで抱え込まない
- 気になったら早めに専門機関に相談する
- 本人へ暴言や説教をしないようする
- 家族向けの自助グループに参加する
- 本人の借金の問題に直接かかわらない
ギャンブル依存症の治療には、ご家族の協力が必要不可欠です。
ご家族が本人をせめてばかりいて、そのくせに借金をかえしてあげたりして尻ぬぐいすると、症状は悪化します。
本人には「あなたは病気だと思うから病院で治療をうけてほしい」とつたえ、金銭問題は適切な相談機関に相談しましょう。
本人に適切な治療をうけてもらうために、まず家族が病院に相談にいくこと、そして医療スタッフと協力して治療をすすめることが大切です。
ご本人様にとって大切な事
- ギャンブルを思い出す行動を避ける
- ギャンブルをしない生活を続ける工夫をする
- 自助グループに参加する
ギャンブル依存症は適切な治療と支援により回復がじゅうぶんに可能とされています。
ちいさな目標を設定しながら、ギャンブル等をしない生活をこころがけたり、ギャンブルを思いだすような行動をさけたりすることが大切です。
またご自身だけで解決することはむずかしい場合はご家族や友人にも相談するとどうじに、専門の医療機関にも相談してみましょう。
そのほか、おなじ悩みをかかえる人たちが相互に支えあう自助グループなどに参加することもギャンブル依存症回復につながるでしょう。
ギャンブル依存症の治療方法
認知行動療法
認知行動療法とは、自分にとっての引き金、考えかたの癖、行動の連鎖に気づき、対処できるよう練習することをさします。
このような練習をつづけていると「ギャンブルがないとスッキリできない」という考えかたが「ギャンブルがなくても、運動で対処できる」という考えかたに変わっていきます。
しかし認知行動療法で学び練習するスキルは、入院や一定のプログラムで完璧に習得できるものではありません。
あたらしい考えかたや行動パターンを習慣化するには時間がかかるため、認知行動療法で習ったスキルを日々使いつづけ、習慣化させることが大切です。
薬物療法
ギャンブル依存症のかたはお金の返済のことで頭のなかがいっぱいです。
焦りや不安、落ち込みが生じやすく、思考がせまくなると「もう死ぬしかない」と思いこみ、実際に自殺という手段をとってしまうかたもしばしばいます。
そのため、診察時には医師が精神状態をチェックし、投薬が必要な状態であれば患者様の希望をうかがったうえで抗不安薬や睡眠導入剤などを処方することがあります。
また患者さまの必要度に応じて、薬物療法と認知行動療法を組み合わせて治療する場合もあります。
ギャンブル依存症の相談窓口
保健センター
保健センターは、健康や地域保健に関し、身近な対人サービスをおこなう施設として、市町村、政令指定都市の区、東京都23区内の各地区ごとに設置されています。
事業内容は地域によりことなりますが、おもに「母子保健」「健康相談・栄養指導」「生活習慣病予防」「精神保健福祉相談」などに対応しています。
保健師・助産師・看護師・栄養士・歯科衛生士・臨床心理士・保育士などさまざまな職種の専門家が従事しているのも特徴です。
ギャンブル依存症についてお困りごとやお悩みがある際にはぜひ一度相談されることをおすすめします。
精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定するものです。
精神障害者の自立と社会参加の促進をはかるため、手帳を持っている方々にはさまざまな支援策が講じられています。
たとえば「公共料金等の割引」や「所得税・住民税の控除」「生活福祉資金の貸付」「公共「公営住宅の優先入居」などです。
また対象者は何らかの精神障害により、長期にわたり日常生活または社会生活への制約があるかたと定められています。
自助グループ
自助グループとはアルコールの問題や薬物の問題、ギャンブル依存などの問題をかかえた人たちがおなじ問題をかかえた人と自分たちの意志でつながっている集団をさします。
1人で自身の問題から脱却することはむずかしいですが、グループメンバーと体験を共有し、わかちあうことで、自分の悩みを直視し変化させていくことができます。
問題別にさまざまな自助グループがあるので、ご自身の目的に合った自助グループがあるかどうかは市区町村、保健所、精神保健福祉センターにお問い合わわせください。
また問題を抱えたご本人とは別に依存症者を家族にもつ人たちが、お互いに悩みをわかちあったり支えあったりする、「家族の自助グループ」というものもあります。
精神科訪問看護という選択肢も
精神科訪問看護とは?
・精神科・心療内科に通院中の方
・精神疾患の診断を受けた方
・診断がなくとも医師が必要と判断した方
訪問する人
・看護の専門職
・リハビリテーションの専門職
訪問時間
・医療保険
(30分から90分程度)
精神科訪問看護とは看護師が自宅に訪問して、利用者の病気や障害に応じた看護をおこなうことで健康状態の悪化防止や、回復にむけてお手伝いするサービスです。
主治医の指示をうけ、病院と同じような医療処置をおこなったり、自宅でさいごをむかえたいという希望にそった看護をおこなったりもします。
対象者は子どもから高齢者まで、病状や障害の重さにかかわらず、訪問看護を必要とする全ての人がうけられます。
訪問時間は介護保険と医療保険の場合でことなりますが、医療保険の場合は通常週3回までで、一回の訪問時間は30分~90程度となっています。
精神科訪問看護ってどんなことをしてくれるの?
・自立した生活を営めるための支援
・生活リズムの調整
症状の悪化防止・服薬支援
・生活状況を観察
・受診や服薬を支援
社会復帰へのサポート
・主治医や関係機関と連携
・社会復帰を支援
家族の方への支援
・家族へのアドバイスや相談
・社会資源の活用などを支援
精神科訪問看護の内容としては、「健康状態の観察」「病状悪化の防止・回復」「療養生活の相談とアドバイス」などさまざまです。
状況に応じて主治医やケアマネージャー・薬剤師・歯科医師などの関係機関と連携できるという特徴もあります。
ご利用者さまのできていることや可能性を大切にして、どのような生活がしたいか、どのような生きかたをしたいかを考えて回復を目指します。
訪問してご本人が顔をだしづらい場合でも、ご家族に訪問看護をおこない、相談をうけることも可能です。
精神科訪問看護のメリット
- 自宅に居ながら専門的なケアが受けられる
- 自宅での様子を主治医に連携できる
- 対人関係や日常生活の支援を受けられる
精神科訪問看護は外にでることが難しかったり、通院が難しかったりするかたの為のサービスです。
上記のようにさまざまなサービスをおこなっており、主治医が必要と判断した場合に利用することができます。
ご本人の日常生活の介助や心のケアだけではなく、ご家族へのアドバイスなどもおこなっているのも特徴の1つです。
医療の知識やスキルを有した看護師のサポートを自宅でうけることで、家族の肉体的・精神的な負担の軽減にもつながります。
精神科訪問看護の料金
負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
---|---|---|
3割負担![]() | 3,897円 | 2,565円 |
2割負担![]() | 2,598円 | 1,710円 |
1割負担![]() | 1,299円 | 855円 |
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
精神科訪問看護では、医療保険を利用することにより自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用可能。かかった費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、長時間の訪問を行う場合は別途料金が発生します。
また自立支援医療制度いう制度を利用すると料金が1割負担になるほか、所得に応じて自己負担が0円になる場合もございます。
自立支援医療(精神通院医療)
区分 | 上限額 |
---|---|
生活保護![]() |
0円 |
低所得1![]() |
2,500円 |
低所得2![]() |
5,000円 |
中間所得1![]() |
5,000円 |
中間所得2![]() |
10,000円 |
一定所得以上![]() |
20,000円 |
表の料金は所得に応じた医療費の月額自己負担額の上限額となっております。
表の料金を超えた場合には、自己負担なしで医療が受けられます。
自立支援医療制度は、心身の障害をなくしたり、軽くしたりするための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。
対象者は、通院による精神医療をおこなっているかたや、身体障害者手帳の交付をうけ、治療により確実に障害の軽減効果を期待できるかたとなっています。
所得に応じて1月あたりの負担上限額が設定されていて、月額総医療費の1割が負担上限額に満たない場合は自己負担額が1割になるのがメリットです。
また費用が高額な治療を長期にわたり継続しなければならない重度のかたや育成医療の中間所得層については、さらに軽減措置がほどこされる場合もあります。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
シンプレの特徴
シンプレ訪問看護ステーションは、ギャンブル依存症やうつ病など、精神疾患のかたに特化したサービスを提供している訪問看護ステーションです。
スタッフが定期的にご自宅を訪問し、ご家庭や地域社会で安心して日常生活を送ることができるように支援させていただいております。
お子さまからお年寄りまで幅広い考えかたや価値観を大切にし、思いやりの心を忘れることなく寄り添うことを心がけています。
また看護師とバックオフィスが常に連携をとっており、緊急時もすぐに各関係機関に連絡できるのも特徴です。
シンプレで対象となる精神疾患
- ギャンブル依存症
- アルコール依存症
- うつ病
- 自閉スペクトラム症
- 統合失調症
- ADHD
- 双極性障害
- その他精神疾患全般
シンプレ訪問看護ステーションはギャンブル依存症、アルコール依存症、うつ病、自閉スペクトラム症、などのさまざまな精神疾患に対応しています。
とくにギャンブル依存症のかたの中には、ご自身だけではなかなか治すことが難しかったり、ほかの合併症をかかえていたりするかたも少なくはないでしょう。
シンプレ訪問看護ステーションではそういった方々の症状と向き合いそれぞれの利用者さまにあった治療を適切な方法でおこなっております。
利用者さんの自主性を大切にして、地域社会で安心してくらせるお手伝いをさせていただきます。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
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まとめ
ギャンブル依存症の方々は、負けが続いても最終的には勝てると確信していたり、勝ったときのことばかり覚えていたり、ギャンブルに対する考えかたが偏っている場合がほとんどです。
そのため、ギャンブル依存症の治療では、このような考えかたの偏りを見直したり、金銭管理をはじめとした日常生活をかえたりしていくことが大切とされています。
シンプレ訪問看護ステーションでは、ギャンブル依存症とその合併症をもつかたに対して適切な方法でサポートさせていただきます。
ギャンブル依存症のことでお困りごとや、悩み、相談がある場合はお気軽にシンプレ訪問看護ステーションにご相談ください。
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