PTSDのカウンセリング治療の効果とは

PTSDは過去のトラウマなどが原因となっていることが多く、専門的なカウンセリングを受けることで症状を抑えることができる可能性があります。
そこで今回は、PTSDに有効なカウンセリングや心理学的技法について見ていきましょう。
どのようにしてカウンセリングを行うのか?また、どのような効果が期待できるのか?詳しく紹介します。
PTSDでカウンセリングを受ける効果

安全感覚の確立
カウンセリングの効果1つ目としては、強いトラウマによって失われてしまった安全感覚の確立というものがあります。
安全感覚の確立とは、自分自身が安全であること・身の危険を感じる心配がないことを思い出すということです。
いざという時には誰かが助けてくれると思えるようになることで、安心して日常生活を送ることができるようになります。
強い恐怖やトラウマによって失われてしまった安全への信頼を回復するのがカウンセリングの効果です。
責任の所在の変革
カウンセリングの効果2つ目は、自責をやめるための責任所在の変革というものです。
PTSDでは、事件・事故の原因は自分にあったのではないかと考えてしまう方が多くいることが特徴です。
カウンセリングは、自分を責めることをしなくなるというのも1つの目標としています。
PTSDを克服するには、適切で妥当な範囲内で責任を外に向け変えることも大切なポイントです。
対処可能性の向上
カウンセリングの効果3つ目は、物事に向き合い対処する力をつける為の対処可能性の向上というものです。
対処可能性の向上とは、事件・事故によって失われてしまった自分への信頼を回復するという意味です。
自分の持っている能力やスキルを活かし、事態を制御したり危険を回避できるという自分への信頼をつけていきます。
対処可能性が向上することによって、自分を信頼し日常生活を送る際の不安を払拭するのです。
PTSDに効果的な心理学的な技法

EDMR
EDMRとは眼球運動による脱感作と再処理療法とも言われ、PTSDやトラウマ関連障害等に特化した技法です。
EDMRではその人が抱えているトラウマと向き合うことになるので、人によっては精神が不安定になることがあります。
トラウマと向き合う前に、リラクゼーション方法を学び、心に過度の負担をかけないよう細心の注意を払って行われます。
EDMRは1つ1つトラウマを対処していくので繰り返し受ける必要があり、ある程度の時間を要するのも特徴です。
PE(持続的エクスポージャー)
PEは持続的エクスポージャーと呼ばれ、怖かった記憶をあえて思い出し、それを暴露することで慣れさせて克服していくというものになります。
感情や思考、身体反応など様々な面での改善が期待でき、PTSDの克服に効果的であるとされています。
ただし心に負担のかかる治療法でもあるので、専門家の指導の元で行うことが大切です。
PTSDとはどんな疾患?

PTSDを発症しやすい原因
・生命に関わるような重大事故
・同乗者が死亡した場合
犯罪被害
・性暴力
・ストーカー被害
虐待被害
・身体外傷
・性的虐待
大規模災害の被災者
大規模震災など
対人援助職
職責に伴う罪責感
PTSDを発症する原因は人によって様々ありますが、どれも強い恐怖や嫌悪感を感じたことによるトラウマが元となります。
代表的な例を挙げると、交通事故・犯罪被害・虐待・大規模震災・対人援助職などがあります。
これら受けた被害により強いトラウマを抱えてしまい、関連付いたものを見るとその時の光景がフラッシュバックしてしまうのです。
自分が受けた被害のみではなく、その時一緒にいた人が事故や犯罪に巻き込まれて亡くなってしまったという場合にも発症する可能性があります。
PTSDにはどんな症状がある?
突然つらい記憶がよみがえる
回避・精神麻痺症状
・記憶を呼び起こす状況や場面を避ける
・感覚が麻痺する
過覚醒症状
常に神経が張りつめている
PTSDの症状は人によって様々ありますが、中でも多くの方が苦しめられるのが再体験症状です。
再体験症状はフラッシュバックとも呼ばれ、先ほどもご紹介した通り、ふとした瞬間や関連のあるものを見た時にその時の光景を思い出してしまうことです。
常に神経が張り詰めていたり、反対に感覚が麻痺して鈍くなってしまったり、普段の生活に息苦しさを感じてしまいます。
いつどんな時に症状が出るか分からないので、外に出るのが怖い又は億劫になってしまうというのもPTSDの辛さです。
PTSDと合併しやすい精神疾患
- 不安症
- うつ病
- アルコール依存
- 摂食障害
PTSDは心が深く傷つき大きなストレスを抱えることで、他の精神疾患と合併してしまう可能性があります。
強い恐怖やストレスから不安症やうつ病を発症してしまう方も多く、常に気分が落ち込んでしまうという方も少なくありません。
また、ストレスから逃れるためにアルコールを摂取し、お酒がないとやっていけなくなるというアルコール依存症になる場合もあります。
過度な食欲や全く食べないといった摂食障害を引き起こすこともあり、放置しておくと命の危険もあり危険です。
PTSDの診断基準は?

外傷的出来事の体験がある
1つ目の診断基準は、PTSDのきっかけとなるような外傷的出来事の体験があるかどうかというものです。
外傷的出来事とは、先ほどもご紹介した通り交通事故や犯罪被害、震災や戦争なども含まれます。
PTSDは強いストレスを感じるきっかけとなった事件や事故・体験があるものなので、まずはこのきっかけについてが1つの基準です。
震災や無差別事件、テロなどが起きたあとはPTSDに悩まされる方が多く、長期に渡って症状が出る方もいます。
症状が1カ月以上続き日常生活に支障がある
2つ目の診断基準は、PTSDが原因と思われる症状が1ヶ月以上続き日常生活に支障が出ているかどうかです。
ここでいう症状とは、恐怖感や無力感・フラッシュバック・悪夢を見る・感情の萎縮などを指します。
これらの症状が1ヶ月以上続いており、外を歩くのが辛い・眠れないといった場合にPTSDと診断されます。
医師に診てもらう際、いつどんな時に症状が出るか聞かれることもあるので、可能であれば異変を感じた時にメモを取ると良いでしょう。
トラウマに関連する症状がある
3つ目の診断基準は、トラウマに関連する症状があるかどうかというものです。
この症状とは、上記にもある通り恐怖感・無力感・フラッシュバック・悪夢・感情の萎縮のことです。
これらの症状が他の疾患や精神疾患によるものではないかどうかを慎重に診断していきます。
可能な限り細かく症状を伝え、いつ・どんな時に・どのくらいを意識して話すようにしましょう。
PTSDについて相談できる窓口は?

- 保健所・保健センター
- 精神保健福祉センター
- いのちの電話
PTSDを相談できる窓口には、保健所や保健センター、精神保健福祉センターなどがあります。
どれも保健師や精神保健福祉士、看護師など専門的な資格を持った人が相談に乗ってくれます。
また、誰かに相談したり病院にかかる余裕がないほど辛く自殺を考えてしまうという方はいのちの電話を利用してください。
いつでもかけることができ、誰かに話すことで心の負担が少し軽くなることがあるので1人で悩まないようにしましょう。
PTSDのケアを行う精神科訪問看護とは?

精神科訪問看護
職種
・看護師
・准看護師
・作業療法士
訪問日数
原則週3日以内
PTSDに悩まされている方をサポートするサービスの1つとして、精神科訪問看護というものがあります。
精神科訪問看護とは、精神疾患に特化した訪問看護であり自宅で受けることができるサービスです。
訪問看護と同じように日常生活の介助をしてもらいながら、心のケアも受けることができるのが特徴になります。
PTSDでは外に出るのが怖いと感じる方も多いので、負担やストレスを最小限に抑えながらサービスを受けることが可能です。
PTSDの治療サポートなら当ステーションへおまかせ!

シンプレ訪問看護ステーションとは?
精神疾患全般
主な看護内容
・生活支援
・自立支援
・症状の悪化防止
・服薬支援
・社会復帰サポート
・家族の方への支援
シンプレでは、精神科に特化した訪問看護サービスを提供しています。さまざまな精神疾患や障害をお持ちの方の在宅生活を、専門知識を持った看護師等がサポートします。
日常生活の介助や心のケアだけではなく、服薬の管理や、ご相談があればご家族様へのサポートなども行っています。
1人1人違った考え方や意見があることを尊重し、お子さまからお年寄りまで幅広い考え方、価値観を大切にして寄り添います。
思いやりの心を忘れることなく利用者様のご支援をさせていただきます。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
- 新宿区・中野区・練馬区・豊島区
- 文京区・杉並区・渋谷区・千代田区
- 板橋区・葛飾区・江東区・江戸川区
- 墨田区・荒川区・北区・世田谷区
- 西東京市・三鷹市・武蔵野市・台東区
シンプレ訪問看護ステーションの訪問エリアは、上記中心に行っています。
記載しているエリアを中心に行っていますが、他のエリアの方も対応が可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。
今後はさらに事業を拡大していく予定となっています。TwitterやLine、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますので、ぜひご覧ください。
まとめ

PTSDを克服するためには、医師などの専門的な知識を持った人の元で適切なカウンセリングを受けることが大切です。
PTSDに悩まされている方の中には外に出ることができず、日常生活を送ることが難しいという方も少なくありません。
そんな方々の強い味方であり、身体と心どちらのケアもしてもらうことができるのが精神科訪問看護です。
精神科訪問看護サービスを受けるのが初めての方でも、PTSDでお悩みの方で精神科訪問看護を利用したいと考えている方には、わたしたちにご相談ください。
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