在宅自己導尿とは?方法・費用と訪問看護|シンプレ訪問看護
自然に尿を出すことが難しくなったとき、自分でカテーテルを使って尿を出す「在宅自己導尿」という方法があります。決して特別な人だけのものではなく、子どもから高齢の方まで、年齢を問わず行われている排尿法だといわれています。この記事では、在宅自己導尿のしくみや方法、カテーテルの種類、費用や保険のあつかい、そして訪問看護でどんな支えが受けられるのかを、ご本人とご家族の目線でやさしく整理しました。
在宅自己導尿とは何か

在宅自己導尿とは、さまざまな原因で自然に排尿することが難しい方が、在宅での生活のなかで自分自身でカテーテルを尿道に入れて尿を出す排尿法のことをいいます。医療の現場では「清潔間欠自己導尿(CIC)」とも呼ばれ、一定の時間ごとにカテーテルを入れて膀胱を空にし、終わったらカテーテルを抜く方法だとされています。膀胱に管を入れたままにする留置カテーテルとは違い、導尿のとき以外は体内に管が残らないのが特徴です。
自然排尿が難しいときに自分で行う排尿法
膀胱にたまった尿をうまく出せないと、残った尿(残尿)に細菌が増えやすくなったり、膀胱が伸びきって腎臓にまで負担がおよんだりすることがあるといわれています。在宅自己導尿は、こうした残尿を定期的に取り除くことで、腎臓を守ることや尿路感染を起こしにくくすることを目的に行われると考えられています。導尿のとき以外は管がないため、外出や日常の動きが制限されにくい点も、続けやすさにつながるとされています。
対象になりやすい人
在宅自己導尿は、残尿をともなう排尿のしづらさがあり、医師が自己導尿を行う必要があると認めた方が対象になります。神経のはたらきによる排尿の障害(神経因性膀胱)や、前立腺の病気・尿道の狭まりなどによる通過障害、膀胱を作り直す手術のあとなど、原因はさまざまだとされています。どの方法が合うかは状態によって異なるため、主治医が判断します。
年齢を問わず行われている
排尿の障害は高齢の方だけに起こるものではありません。生まれつきの病気をもつお子さんや、事故・病気で脊髄を傷めた現役世代の方など、幅広い年代で在宅自己導尿が行われているといわれています。「高齢だから」「介護が必要だから」と決めつけず、ご本人の状態に合わせて続けていくことが大切だと考えられています。
在宅自己導尿が必要になる主な原因

在宅自己導尿が必要になる背景には、大きく分けて「神経のはたらきによる排尿障害」と「尿の通り道がふさがれる障害」があるとされています。どちらも、膀胱の尿をうまく出しきれず残尿が多くなる点が共通しています。原因によって経過や対応が変わるため、まずは主治医による診断が出発点になると考えられています。
神経の働きによる排尿の障害
脳や脊髄、末梢神経のはたらきが障害されると、膀胱や尿道をうまくコントロールできなくなり、神経因性膀胱と呼ばれる状態になることがあるとされています。原因としては脊髄損傷や脳血管障害、パーキンソン病、糖尿病、生まれつきの二分脊椎などが挙げられるといわれています。これらは年齢層が幅広く、お子さんから現役世代、高齢の方までふくまれます。
前立腺肥大症や尿道狭窄などの通過障害
尿の通り道が物理的にせまくなることで、尿が出にくくなるタイプもあります。前立腺肥大症や前立腺の病気、尿道の狭まりなどが代表的だとされています。薬による治療をしても膀胱の尿を自然に出しきれない場合に、在宅自己導尿が検討されることがあると考えられています。
手術後の尿路の状態
膀胱を取り除く手術などのあとに、腸の一部を使って尿をためる袋(尿リザーバー)を作ることがあり、その術後にも在宅自己導尿が行われることがあるとされています。いずれの原因であっても、残尿を減らすことで腎臓への負担や感染のリスクをやわらげることが目的になると考えられています。
在宅自己導尿の方法と手順の基本

在宅自己導尿は、清潔な操作でカテーテルを尿道に入れ、尿を出していく方法です。ここでは一般的な流れを紹介しますが、具体的なやり方や注意点は人によって異なるため、実際の手順は主治医や看護師の指導にそって行うことが大切だとされています。最初は不安に感じても、慣れていく方が多いといわれています。
導尿の大まかな流れ
一般的には、手をよく洗ってから、尿道口を清潔にし、潤滑のあるカテーテルをゆっくりと挿入して尿を出します。尿が出なくなったらすぐに抜かず、少しずつ抜くようにして、膀胱の底に残った尿も出しきることが大切だといわれています。終わったらカテーテルを片づけ、決められた方法で保管します。
清潔に行うために気をつけたいこと
導尿は手洗いなどの清潔操作で行いますが、完全な無菌でなくてもよいとされています。完璧さよりも、尿をためすぎず最後まで出しきることのほうが感染予防には大切だといわれています。神経質になりすぎず、無理のない手順で続けられるよう、看護師と一緒に確認していくとよいと考えられています。
一日の回数は人によって異なる
導尿の回数は、一日の尿量や膀胱の容量、生活のリズムを考えて決められるとされています。一般には一日3回程度から始め、尿量を見ながら増やしたり減らしたりすることが多いといわれています。膀胱に尿をためすぎないことが目安とされますが、適切な回数は状態によって変わるため、主治医や訪問看護に相談しながら調整していくと安心です。
自己導尿に使うカテーテルの種類

在宅自己導尿で使うカテーテルにはいくつかの種類があり、生活スタイルや手の動きに合わせて選ばれるとされています。どれが合うかは主治医が判断し、使い方は看護師と一緒に確認していくのが一般的です。代表的なものを整理します。
再利用型カテーテル
消毒液の入ったケースに入れて保管し、繰り返し使うタイプで、「セルフカテ」とも呼ばれることがあるとされています。持ち運びやすい一方で、清潔に保つための手入れが必要だといわれています。
使い捨てのディスポーザブルカテーテル
1回ごとに使い捨てるタイプで、個別に包装されているものが多いとされています。表面に水でなめらかになる加工(親水性コーティング)がほどこされたものもあり、挿入時の負担をやわらげる工夫がされているといわれています。手入れの手間が少ない点も特徴です。
間欠バルーンカテーテル
自分で間欠的に導尿できるカテーテルのうち、先端を膨らませて一時的にとどめておけるタイプもあるとされています。状態に合わせて選択肢が用意されているため、使い心地や生活との相性をふまえて、主治医・看護師と相談しながら決めていくとよいと考えられています。
在宅自己導尿で起こりやすいトラブルと対処

在宅自己導尿を続けるなかでは、いくつか気をつけたいトラブルがあるとされています。あらかじめ知っておくことで落ち着いて対応しやすくなりますが、自己判断せず、気になるときは早めに相談することが大切だと考えられています。
尿路感染症に気をつける
導尿を続けていると、尿路感染を起こすことがあるといわれています。予防のためには、尿をためすぎないことと、最後までしっかり出しきることが大切だとされています。発熱や尿のにごり、痛みなどがあるときは、感染のサインのことがあるため、主治医や訪問看護に相談するとよいと考えられています。
出血や痛みがあるとき
カテーテルを無理に入れると、尿道を傷つけて出血や痛みが起こることがあるとされています。ゆっくり、痛みのないように挿入することが基本だといわれています。少量の出血でもくり返すときや、強い痛みがあるときは、続け方を見直す必要があるため、早めに医療者へ相談します。
困ったときの相談先
「うまく入らない」「いつもと違う」と感じたときは、ひとりで抱え込まず、主治医・かかりつけ医・訪問看護ステーションなどに相談することがすすめられています。判断やケア方法を決めるのは主治医ですが、身近な相談相手として訪問看護を利用することもできます。状態やトラブルの内容によって対応は変わるため、最新で正確なことは医療者に確認してください。
在宅自己導尿指導管理料と費用や保険のしくみ

在宅自己導尿を続けるうえで気になるのが費用です。在宅自己導尿に対しては「在宅自己導尿指導管理料」という医療費の項目があり、医療機関が指導管理を行ったときに毎月かかる費用です。実際の支払いは健康保険の自己負担割合(年齢・所得により1〜3割)に応じた金額になります。ここでは目安を整理しますが、最新で正確な金額は医療機関や各窓口でご確認ください。
在宅自己導尿指導管理料とカテーテルの費用
在宅自己導尿指導管理料は月1,400点(約14,000円)で、これに加えてカテーテルの種類に応じた加算(特殊カテーテル加算)が別途かかるしくみになっています。下の表は、管理料部分の自己負担のイメージです。
| 自己負担割合 | 管理料の自己負担(月あたりの目安) |
|---|---|
| 1割 | 約1,400円 |
| 2割 | 約2,800円 |
| 3割 | 約4,200円 |
※表の金額は健康保険の自己負担分の目安で、最終的な支払い額そのものではありません。カテーテル代(特殊カテーテル加算)は別に加算されます。生活保護の世帯では自己負担が0円になるなど、後述の助成で負担が大きく軽くなる場合があります。
医療保険と介護保険のどちらになるか
在宅自己導尿を行っている状態は、訪問看護が手厚くなる「別表第8」に含まれ、特別管理加算の対象になります。保険のあつかいは、要介護認定があるかどうかで医療保険か介護保険かが分かれるのが原則です。要介護認定のないお子さんや現役世代は医療保険、要介護認定のある方は介護保険が優先されます。急に状態が悪くなったときは、主治医が特別訪問看護指示書を出すことで、その期間は医療保険で訪問回数を増やせる場合があります。
負担をやわらげる制度
費用の負担をやわらげる制度もあります。1か月の医療費の自己負担が高額になったときは高額療養費制度で所得に応じた上限が設けられています。また、身体障害者手帳などの要件を満たす場合は重度心身障害者医療費助成(東京ではマル障)の対象になり、住民税非課税なら実質無料になることもあるとされています。18歳までのお子さんは子ども医療費助成(マル乳・マル子など)で実質無料になることが多い(自治体差あり)です。どの制度が使えて有利かは複雑なので、市区町村の窓口や医療ソーシャルワーカー(MSW)が整理してくれます。
在宅自己導尿を続ける暮らしを訪問看護が支える

在宅自己導尿は、ご本人やご家族が日々続けていくケアです。訪問看護は、その毎日を見守り、困ったときに相談できる身近な存在として関わります。ケアの方法や回数を決めるのは主治医ですが、看護師は観察と支援、そして主治医への橋渡しを担います。
手技の確認と療養上の相談
すでにご自宅で続けてきたやり方がある場合も多いため、訪問看護では「これまでどうされていましたか」と確認するところから始まることがよくあります。一方的に教えるというより、一緒に確認しながら、迷ったときに相談できる相手がいるという形です。続けるなかでの小さな疑問にも寄り添います。
体調の観察と感染の早期発見
看護師は、尿の色やにおい、発熱や体調の変化などを観察し、感染などのサインを早めに見つけて主治医に報告する役割を担います。気になる変化があれば医師に相談し、必要な対応につなげていきます。日常的な観察があることで、変化に早く気づきやすくなると考えられています。
家族への助言と医師との橋渡し
ご家族に対しては、介助の方法や使える制度、困りごとについての相談に応じます。なお、掃除や買い物といった生活援助や日常的な外出の付き添いは訪問介護(ヘルパー)の役割で、医療面のケアは訪問看護というように役割が分かれています。必要に応じて、ケアマネジャーやヘルパーなど他のサービスへの橋渡しも行います。
在宅自己導尿の在宅療養を支えるシンプレ訪問看護ステーション

在宅自己導尿を続けながらの暮らしには、医療面の見守りと、日々の安心の両方が大切です。シンプレ訪問看護ステーションでは、ご本人とご家族のペースに寄り添いながら在宅療養を支えることを大切にしています。
一緒に確認しながら続けられる
これまで続けてきたやり方を尊重し、一緒に確認しながら進めます。「こうしなければいけない」と押しつけるのではなく、困ったときに相談できる関係づくりを心がけています。
医療と生活の両面を支える
専門職が定期的にご自宅を訪問し、体調の観察や療養上の相談に応じます。在宅自己導尿を行っている状態は別表第8に含まれ、特別管理加算の対象として手厚い管理が受けられる状態にあたります。必要なときには主治医と連携し、安心して在宅生活を続けられるよう支えます。
相談の流れ
「こんなことを相談してもいいのかな」という段階でも大丈夫です。サービス内容やスケジュールのご相談も承っています。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
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<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
訪問の頻度は、状態や主治医の指示にもとづき、週1〜3回程度を目安に調整します。必要に応じて回数を増やせる場合もあります。1回の訪問はおおむね30〜90分で、土曜・祝日の対応やご家族からのご相談にも応じています。詳しい頻度や時間は、ご状況にあわせてご相談ください。
※お受けできる内容は、時期・対応エリア・ご本人の状態によって異なり、医療的に重いケースなど一部対応できない場合もあります。まずはお問い合わせから対応可否をご確認ください。
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在宅自己導尿を訪問看護とともに続けていくために

在宅自己導尿は、自然排尿が難しい方が在宅で続けていく排尿法で、神経のはたらきによる障害や尿の通り道の障害など、原因はさまざまだとされています。年齢を問わず行われており、清潔な操作で尿をためすぎず最後まで出しきることが大切だといわれています。カテーテルにはいくつかの種類があり、生活に合わせて選ばれます。
費用面では、在宅自己導尿指導管理料やカテーテルの加算がかかりますが、別表第8に含まれる状態として特別管理加算の対象になり、高額療養費制度や各種の医療費助成で負担がやわらぐ場合もあります。保険のあつかいや手続きは複雑に見えますが、窓口やMSWが整理してくれるので、ひとりで抱え込む必要はありません。
そして、日々のケアを見守り、困ったときに相談できる相手として、訪問看護を利用するという選択肢があります。シンプレ訪問看護ステーションは、ご本人とご家族のペースに寄り添いながら在宅療養を支えます。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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※本記事は執筆時点の一般的な情報をまとめたものです。制度の内容や保険のあつかい、点数・料金は年度の改定・地域・ご本人の状態により異なる場合があります。また、シンプレ訪問看護ステーションがお受けできる内容は、時期・対応エリア・ご本人の状態によって異なり、医療的に重いケースなど一部対応できない場合もあります。ご利用を検討される際は、お問い合わせから対応可否をご確認ください。参考:診療報酬点数表(C106 在宅自己導尿指導管理料/C163 特殊カテーテル加算)、厚生労働省「特掲診療料の施設基準等・別表第八」、難病情報センター、各自治体の医療費助成案内、泌尿器科・リハビリテーション領域の専門医療情報。最新・正確な内容は各窓口でご確認ください。
