適応障害の症状とは?原因・治療中の過ごし方についても詳しく解説
適応障害の症状は、ストレスや変化に対する適応が困難となり、不安や恐れ、疲れや倦怠感、過食や過眠などがあります。
新生活など環境の変化などによって引き起こされ、長期間にわたってこういった症状が持続する場合は、適応障害の可能性があります。
今回は、詳しい症状や混同しやすい疾患などについて解説していきます。
適応障害の症状について
精神的な症状
- 気分の落ち込み
- 混乱や不安の症状
- 感情のコントロールができない
- 判断力が低下する
適応障害とは、周囲の環境に適応できず、ストレスが原因で心身に影響が出る病気です。適応障害の症状はさまざまですが、上記のような精神的な症状が多くみられます。
憂うつな気分や不安感が強くなるため、神経が過敏になったり、過剰に心配したり、感情のコントロールが上手にできません。
またストレスを感じる出来事について考えると、焦り・緊張などを感じ、涙が出てしまうこともあります。
そのため気分や感情面が不安定であり、日常生活・仕事に大きな支障がでています。
身体的な症状
- 不眠・過眠
- めまい
- 頭痛
- 胸がドキドキする
また身体面にも大きな不調を与え、不眠・めまい・頭痛・肩こり・腹痛・倦怠感・疲労感・動悸・吐き気などを訴えます。
具体的には、夜眠れない、朝早くから目覚めてしまうといった不眠、逆に寝ても寝ても眠気がとれない過眠症状、全身のだるさ感、肩こりや腰痛なども起こり、仕事や勉強に集中することができないでしょう。
身体の症状が目立つ場合は、適応障害と気づかないことがあり、内科の受診を繰り返すこともあるので注意が必要です。
行動にあらわれる症状
- 暴飲暴食
- 人と関わるのを避ける
- 喧嘩など周囲とトラブルが増える
- タバコやお酒の量が増える
- 浪費が増える
適応障害は精神や身体の症状だけでなく、行動面にも変化があらわれることがあります。
暴飲暴食・イライラから人・モノに当たるなど、症状はさまざまです。また攻撃的な言動・行動をとりやすく、周囲の人とトラブルにつながるケースも少なくありません。
適応障害は精神・身体・行動面のいずれか単独で変化があるわけではなく、場合によっては複数あらわることがあります。
仕事・学校を休むほど症状が出ている場合にはお近くの精神科や、クリニックを受診することをおすすめします。
適応障害の原因
環境による変化
・引っ越し
・転職や部署の異動
・結婚や出産
・学校の入学や進学
人間関係
・会社や学校の人と気が合わない
・いじめ
・失恋
・家族やパートナーとの喧嘩
適応障害の原因は、主にストレスです。ストレスの原因となるのは、主に「環境の変化」と「人間関係」です。
環境の変化には、引っ越しや転職、異動などがあります。人間関係の変化には、学校や職場での人間関係の変化、結婚や出産などがあります。
また、良い出来事もストレスの原因になることがあります。
例えば、結婚や出産、昇進などの人生の転機は、喜ばしい出来事ですが、それによって生活や仕事の状況が大きく変化するため、ストレスを感じる人が多くいます。
適応障害の原因がわかっている場合には、まずはそのストレスから離れることが大切です。
本人の性質による原因
- ストレスの上手な発散方法がわからない
- ストレスとこれまで無縁であった
- 物事を白黒つけて考える
- 完璧主義
- 人からの発言を考えすぎてしまう
適応障害の発症には、本人が持つ性質も大きく影響します。
同じストレスがある環境下でも、ストレスの感じ方や対処の仕方、ストレスに耐える力など、人によって特性はさまざまです。
適応障害になりやすい人には、一般的にストレスの発散の仕方が上手ではない人や、物事をはっきりさせたい人がなりやすい特徴があります。
また完璧を求めるあまり、自分を追い込んでしまったり、考え込むにつれマイナス思考となったり、ほかの人からするとなんでもないことでも発症する場合があります。
うつ病と混同しやすい
・ストレスが原因で発症する
・ストレスから離れることで症状が改善する
・楽しいことがあれば楽しめる
・症状に応じて薬物療法を行う
・うつ病
うつ病
・原因がはっきりしないことが多い
・ストレスが積み重なって発症する
・ストレスから離れてもすぐには改善しない
・主な治療法は薬物療法
適応障害とうつ病には、似たような症状がありますが、実は同じ病気ではありません。
両方とも、重大なストレスが要因ですが、発症のきっかけ・症状・治療方法などが異なります。
適応障害の場合は、ストレスの原因がはっきりしており、ストレスから離れれば物事を楽しむことができます。また薬物療法による効果が大きくないのも特徴です。
一方、うつ病は、ストレスの原因がわからないことや休日でも抑うつ状態が続く場合があります。また薬物療法の効果も大きく、症状の程度・治療方針が異なることを覚えておきましょう。
ご家族や周囲の方が気づいた場合
身近な人が適応障害かもしれないと感じたら、まずは本人の話を聞いてあげましょう。
適応障害になりやすい人は、変化や刺激に敏感で、他人のために頑張りすぎたり、ストレスを感じやすい傾向があります。
そのため、本人の話を否定したり、無理やり解決策を提案したりすると、状況が悪化する可能性があります。
まずは、本人の話に耳を傾け、話を聞いてあげることが大切です。本人が自分の気持ちを吐き出すことで、気持ちが楽になることもあります。
また、話を聞いてあげることで普段と違う様子や、本人が感じているストレスの原因などが見えてくる可能性があります。
適応障害の治療
環境調整
- 環境を調整する
- ストレスへの適応力を高める
適応障害の治療には、とくに環境の調整が重要です。ストレスの原因が明確なため、ストレスの除去を目指していきます。
仮にストレスの原因が職場にある場合は、数日〜数週間で休職を取ることで、心身の回復が期待できます。
自分が置かれている状況を確認して、家族や職場の方に相談し、自身の環境を整えて行きましょう。
また環境調整だけでは難しい部分については、ご本人の適応力を高めて、ストレスへの対応の仕方を身に付けることも大切です。
ご自身が置かれている環境や性格と向き合うことで、自身に合った解決策を探っていきましょう。
薬物療法
適応障害の治療には、状況が改善しない場合や、症状が悪化する場合に薬物療法が行われます。
たとえば、「不安」や「緊張」の症状がある方に対しては、抗不安薬、「睡眠の障害」が出ている方には睡眠薬などといったように、症状に合わせてお薬の処方がされます。
薬の処方は、患者さんの状況や症状に合わせて調整されます。
また、飲み合わせや薬の副作用などのリスクもあるため、自分の判断で勝手に薬の量を増やしたり減らしたりせず、主治医に相談しながら服用しましょう。
休養中の過ごし方
- ストレスから離れ休養に専念する
- 適度な運動をする
- バランスの取れた食事をとる
休養中の過ごし方は、ストレスから離れ、休養に専念することが基本です。十分な睡眠・バランスの取れた食事・適度な運動をすることで、生活リズムを整えていきます。
「早く治そう」と焦らず、適度に活動しながら、ゆっくりと回復を待つくらいの気持ちで過ごすとよいでしょう。
心身が安定してくると、徐々に活動の量を増やしていくことも大事です。ストレッチ・散歩など、軽めに体を動かし、活動量を増やしていきましょう。
生活を改善することが、適応障害を繰り返さない回復の道のりです。
治療の一つとして精神科訪問看護もある
精神科訪問看護とは?
・精神科・心療内科に通院中の方
・精神疾患の診断を受けた方
・診断がなくとも医師が必要と判断した方
訪問する人
・看護の専門職
・リハビリテーションの専門職
訪問時間
・医療保険
(30分から90分程度)
精神疾患を抱える方や精神的な不安を抱える方が、自宅で受けられるサービスです。
看護師や作業療法士などの医療スタッフが医師の指示のもと自宅へ訪問し、病状観察や日常生活指導、また家族支援などのサポートを行います。
訪問時間については医療保険の場合は30分から1時間半程度となっています。ご利用者様の体調に合わせて時間を調整いたします。
また訪問回数は基本的に週に3回まで利用することはできます。ただし条件によっては週に4回以上利用することも可能です。
精神科訪問看護はどんなことをしてくれるの?
・自立した生活を営めるための支援
・生活リズムの調整
症状の悪化防止・服薬支援
・生活状況を観察
・受診や服薬を支援
社会復帰へのサポート
・主治医や関係機関と連携
・社会復帰を支援
家族の方への支援
・家族へのアドバイスや相談
・社会資源の活用などを支援
精神科訪問看護の内容としては、「健康状態の観察」「病状悪化の防止・回復」「療養生活の相談とアドバイス」などとさまざまです。
状況に応じて、主治医・ケースワーカー・保健師などの医療・行政と連携をとることができます。
また精神訪問看護においては、「どのような生活がしたいか」「どのような生き方をしたいか」などの、ご利用者さまの意志を尊重しながら日常生活からサポートします。
訪問してご本人が面会ができない場合でも、ご家族から相談を受けるなどでき、利用者さまのまわりの環境を整えていくのが特徴です。
訪問看護のメリット
- 自宅に居ながら専門的なケアが受けられる
- 自宅での様子を主治医に連携できる
- 対人関係や日常生活の支援を受けられる
訪問看護は、主治医が必要と判断すれば利用可能。自宅に居ながら専門的な医療を受けることができ、療養環境を大きく向上させます。
利用料金には医療保険が適用でき、1〜3割の自己負担で訪問看護を受けることができます。
「内服管理の援助」「副作用のモニタリング」など、病院では治療しにくい部分についてサポートしてくれて安心です。
「外出が難しい方」「自宅という慣れた環境で、自然な雰囲気で治療をしたい方」などにとっては、ピッタリのサポートといえるでしょう。
精神科訪問看護の料金
負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
---|---|---|
3割負担 | 3,897円 | 2,565円 |
2割負担 | 2,598円 | 1,710円 |
1割負担 | 1,299円 | 855円 |
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
精神科訪問看護では、医療保険を利用することにより自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用可能。かかった費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、長時間の訪問を行う場合は別途料金が発生します。
また自立支援医療制度いう制度を利用すると料金が1割負担になるほか、所得に応じて自己負担が0円になる場合もございます。
自立支援医療(精神通院医療)
区分 | 上限額 |
---|---|
生活保護 |
0円 |
低所得1 |
2,500円 |
低所得2 |
5,000円 |
中間所得1 |
5,000円 |
中間所得2 |
10,000円 |
一定所得以上 |
20,000円 |
表の料金は所得に応じた医療費の月額自己負担額の上限額となっております。
表の料金を超えた場合には、自己負担なしで医療が受けられます。
自立支援医療制度は、すべての精神疾患の方が対象。
医療費の自己負担分を1〜3割を軽減することができ、障害をもつ方でも自立した生活が送れるようにするため設立された制度です。
訪問看護にかかる費用はもちろん、通院・薬代・デイサービスの費用などが自立支援医療の対象になります。
申請する際には、役所の障害福祉課などが窓口となり、申請書のほかに医師の診断書が必要です。
適応障害をお持ちならシンプレへ
シンプレの特徴
精神科に特化したシンプレ訪問看護ステーションでは、精神疾患で悩んでいる方やそのご家族への継続的なサポートを行っています。
精神疾患の専門知識や精神科経験のあるスタッフが訪問看護を行っており、幅広い精神疾患に対応することができるのが当院の強みです。
医療関係や公共機関と連携を取り合いながら、利用者さん・ご家族の意志を重んじ社会復帰をお手伝いします。
シンプレで対象となる精神疾患
- 適応障害
- うつ病
- 統合失調症
- 双極性障害
- その他精神疾患全般
適応障害のほかにも、シンプレ訪問看護ステーションでは数多くの精神疾患の対応をしています。
精神疾患をもつ方は、「気分の落ち込み」や「常に理由もなく不安におそわれる」など、こころの不調や感情のコントロールが上手にできません。
そのため日常生活においても、コミュニケーションがとりづらい特徴があります。
シンプレ訪問看護ステーションでは、こころの病気をもつ患者さんをサポートし、通院とは違った「精神科訪問看護ならでは」のサポートを行います。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
不調となるストレスから離れれば、体調が良くなる適応障害です。そのため環境調整がとくに重要となり、周囲の生活リズムを整えていきます。
仕事の向き合い方はもちろん、睡眠・食事・運動など、普段の生活リズムから見直す必要があり、早期の回復には、専門的な精神的ケアを受けることが良いでしょう。
シンプレ訪問看護ステーションは、精神科に特化した訪問看護を行っており、社会復帰に向けて、訪問看護のサービスを利用することができます。
適応障害の症状がひどい方や社会復帰をめざしていきたい方は、ぜひシンプレ訪問看護ステーションにご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
人気記事
最近の投稿
これまでの記事
- 2024年11月 (4)
- 2024年10月 (4)
- 2024年8月 (7)
- 2024年7月 (7)
- 2024年6月 (8)
- 2024年5月 (3)
- 2024年4月 (3)
- 2024年3月 (1)
- 2024年2月 (10)
- 2024年1月 (6)
- 2023年12月 (5)
- 2023年7月 (2)
- 2023年6月 (11)
- 2023年5月 (6)
- 2023年4月 (8)
- 2023年3月 (9)
- 2023年2月 (28)
- 2023年1月 (20)
- 2021年10月 (1)
- 2021年9月 (11)
- 2021年8月 (21)
- 2021年7月 (12)
- 2021年3月 (5)
- 2021年1月 (10)
- 2020年11月 (31)
- 2020年10月 (7)