注意欠陥多動性障害(ADHD)の症状とは?こども・おとなの特徴や診断・治療をわかりやすく解説
注意欠陥多動性障害(ADHD)は、こどもからおとなまで幅広い年代にみられる発達特性で、集中が続かない、思いつきで行動してしまう、じっとしていられないなど、日常の中でさまざまな困りごとが生じることがあります。
成長の過程で気づかれにくい場合もあり、「性格の問題」「しつけの問題」と誤解されてしまうことも少なくありません。
ただ、注意欠陥多動性障害の症状について正しく理解することで、本人が感じている生きづらさを減らし、周囲も適切に関わりやすくなります。
本記事では、ADHDの特徴や症状、診断方法、支援制度などをわかりやすく解説していきます。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の症状

注意欠陥多動性障害(ADHD)では、日常生活の中で「忘れ物が多い」「集中が続かない」「思いつきで行動してしまう」「じっとしていられない」など、さまざまな症状が現れます。
これらは単なる性格ではなく、生まれつきの脳の働き方の特徴によって生じるもので、環境や状況によって強く出る場合もあります。注意欠陥多動性障害の症状を理解しておくことで、本人が感じる困りごとを軽減し、周囲も適切なサポートがしやすくなります。
ADHDの主な3つの症状
ADHDには「不注意」「衝動性」「多動性」という3つの中核症状があります。
これらは単独で現れる場合もあれば、複数が組み合わさって表れることもあります。日常の些細な行動にも影響し、学業・仕事・人間関係のストレスにつながりやすいため、症状の特徴を把握することはとても重要です。
不注意
注意を持続することが難しく、細かい部分に気づきにくい、忘れ物が多い、作業の順序立てが苦手などの傾向があります。
周囲からは「だらしない」「集中力がない」と誤解されやすいものの、本人は努力しても改善しにくく、落ち込んでしまうこともあります。不注意の症状は見た目では分かりにくいため、周囲の理解が欠かせません。
衝動性
思いついた行動をすぐに実行してしまう、順番を待てない、つい口が出てしまうなどの行動が目立ちます。
衝動的な行動はトラブルの原因になることもあり、本人も「気をつけよう」と思っていても制御が難しい場合があります。感情の揺れが強く出る場合もあり、周囲の状況を冷静に判断する前に行動してしまうことが大きな特徴です。
多動性
身体を動かさずにいることが難しく、落ち着きがない、座っていてもそわそわする、手足が止まらないといった行動が見られます。
子どもに多いイメージがありますが、大人でも「長時間の会議が苦手」「じっと座り続けられない」などの形で現れます。この症状が強い場合、周囲から浮いてしまうこともあり、本人の負担は大きくなることがあります。
こどもの症状
- 落ち着きがなく座っていることがむずかしい
- 授業などにじっと参加することができない
- 順番をまつことができない
- 怒りをコントロールできない
- ルールに従うことがむずかしい
こどものADHDでは、授業中に席を立ってしまう、順番が待てない、感情のコントロールが難しいなどの行動が見られます。
また、注意散漫になりやすいため学習面でつまずくこともあり、できないことを叱られ続けることで自信を失いやすい傾向があります。
周囲の理解がないまま否定され続けると、意欲の低下や二次障害につながる場合もあるため、早い段階で特性を理解することが大切です。
おとなの症状
- 忘れ物やなくし物が多い
- 時間の管理が苦手
- 順序だてて仕事や作業を行うことが苦手
- 約束や用事を忘れてしまう
大人のADHDでは、仕事の締め切りを忘れる、計画的に作業を進められない、スケジュール管理が苦手など、社会生活に直接影響する症状が多くなります。
子どもの頃から特性があっても気づかれず、大人になって初めて困りごとが顕著になるケースも珍しくありません。責められる経験が蓄積すると自己肯定感が下がり、うつや不安などの二次的な問題を抱えやすくなります。
日常生活への影響
ADHDの症状は、学業・仕事・家事・人間関係など幅広い場面に影響します。集中力の維持が難しいことで作業効率が落ちたり、衝動的な言動が誤解を招いたりするなど、本人の意図とは異なるトラブルが発生しやすくなります。
こうした積み重ねは強いストレスとなり、周囲の叱責や否定的な言葉が増えると「自分はできない」と感じてしまうこともあります。症状を理解し、環境を整えることで生活のしやすさは大きく変わるため、周囲の支援と気づきが重要です。
適切なサポートがあればADHDでも安心して生活できます。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の原因

注意欠陥多動性障害(ADHD)の原因は、一つに限定されるものではなく、複数の要因が複雑に影響して生じると考えられています。
研究が進む中で、脳の働き方や神経伝達物質のバランス、そして家族内での遺伝的な傾向などが深く関係していることが明らかになってきました。
また、環境による影響もゼロではないとされ、これらが組み合わさることで症状の現れ方に個人差が生まれます。注意欠陥多動性障害を理解するためにも、背景にある原因について知っておくことはとても大切です。
遺伝的要因
ADHDは遺伝的な影響が強いといわれており、家族内にADHDや類似の発達特性を持つ人がいる場合、症状が受け継がれる可能性が高いとされています。
遺伝だからといって必ず発症するわけではありませんが、脳の働きの傾向や行動パターンが似やすいことから、家族内で同じ特徴が見られるケースは少なくありません。遺伝要因は避けられませんが、早期に気づくことで環境を整えやすくなり、困りごとを減らすことにつながります。
脳の働きとの関係
ADHDの要因として特に注目されているのが脳機能の特性です。集中力を維持したり、計画を立てて行動したりする際に働く「前頭前野」、衝動を抑える働きを担う「尾状核」など、行動をコントロールするための脳領域の活動に違いがあると報告されています。
また、ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質のバランスが崩れやすいことも指摘されており、これが「不注意」や「多動・衝動性」につながると考えられています。脳科学の視点から理解すると、本人の努力では改善しづらい特性であることが分かり、周囲の誤解を減らすきっかけにもなります。
環境要因
ADHD自体は環境が直接の原因になるわけではありません。しかし、妊娠中の健康状態、早産や低体重出生、幼少期の生活環境などが影響する可能性はあるとされています。
また、ストレスの多い環境や生活リズムの乱れは症状を強くすることがあり、幼少期の経験が行動パターンに影響を与える場合もあります。環境要因は改善できる部分が多く、生活習慣や周囲のサポートによって症状が落ち着くケースもあります。
環境調整はADHDを理解するうえで欠かせない視点です。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断・チェック方法

ADHDの診断は、単なる性格の偏りや一時的な不調と区別するためにも、多方面から丁寧に行われます。
症状が日常生活にどの程度影響しているのか、幼少期からどのような傾向があったのかなど、複数の情報を組み合わせて判断される仕組みです。
ADHDの診断基準は明確に定められていますが、自己判断では誤解につながることもあるため、気になる症状が長く続く場合は専門機関での相談が推奨されます。注意欠陥多動性障害の症状が気になる場合でも、早めにプロの視点で確認することで安心につながります。
診断の流れ(医療機関での検査)
医療機関での診断は、まず問診から始まり、現在の困りごとや生活の様子、幼少期の状態などを丁寧に確認します。
その後、必要に応じて心理検査や知能検査、日常の行動を把握するチェックリストなどが行われます。これらを総合的に評価し、ADHDの特性がどの程度当てはまるかを医師が判断します。診断は短時間で終わるものではなく、複数の視点から慎重に確認されることが特徴です。
医師と相談しながら進めることで、自分の特性を理解しやすくなり、適切な支援や治療につながります。
自己診断チェックリストと注意点
インターネットや書籍には、ADHDの可能性を簡易的に確認できる自己診断チェックリストが多く存在します。
これらは目安として便利ですが、結果だけで「ADHDだ」と断定するのは危険です。環境のストレス、疲労、他の発達特性などによって似た行動が出ることもあるため、あくまで相談のきっかけとして活用することが大切です。
強い不安を感じる場合や、日常生活に影響が出ている場合は、専門機関に相談し、正式な診断を受けることが望ましいでしょう。チェックリストは自分の傾向を知るためのツールとして役立ちます。
診断基準(DSM-5など)
ADHDの診断には、アメリカ精神医学会が作成した「DSM-5」という基準が広く使用されています。
DSM-5では、不注意・多動性・衝動性に関する具体的な行動が複数項目として定められており、いくつ当てはまるか、そしてその状態が生活にどの程度影響しているかをもとに判断されます。
また、症状が12歳以前からみられていたかどうかも診断において重要なポイントです。診断は慎重に行われるため、誤診を防ぐためにも医師による総合的な評価が必要となります。
自分では説明しづらい特性でも、専門家が整理してくれるため、気になる場合は早めに相談すると良いでしょう。専門的な視点があることで正しい診断につながります。
ADHDと似た症状・他の発達障害との違い

注意欠陥多動性障害(ADHD)には「不注意」「衝動性」「多動性」などの特徴がありますが、これらの傾向はほかの発達障害や精神疾患でも似た形で見られることがあります。
そのため、自分ではADHDだと思っていても、実際には別の発達特性が関係している場合もあります。誤った理解のまま対応してしまうと、適切な支援につながらなかったり、本人が必要以上に負担を感じたりすることがあるため、症状の違いを知ることはとても大切です。
似て見える行動の背景には異なる理由が潜んでいることも多く、注意欠陥多動性障害の症状を明確に区別することで、自分に合ったサポートを受けやすくなります。
自閉スペクトラム症(ASD)との違い
ADHDと自閉スペクトラム症(ASD)は同時に語られることが多く、似ている部分もありますが、その特性は異なります。
ADHDは「注意が散りやすい」「衝動的に行動してしまう」といった特徴が中心であるのに対し、ASDは「コミュニケーションが苦手」「こだわりが強い」「予測外の変化に弱い」などが特徴です。
また、ASDでは情報処理の仕方や感覚の敏感さなどが影響して行動に現れることが多く、ADHDの“思いつきで行動する”とは背景が異なります。
ただし、ADHDとASDの特性が併せて見られることも珍しくなく、その場合は行動の傾向が複雑になりやすいため専門家による判断が重要です。
学習障害(LD)との違い
学習障害(LD)は、読む・書く・計算するなど特定の学習領域にだけ困難が生じる発達障害です。
ADHDのように注意が散ったり多動があるとは限らず、学習の一部だけが苦手という特徴があります。ADHDの不注意が原因で成績が伸びにくく見える場合もあるため、LDと区別するには専門的な評価が必要です。
LDのある子どもは努力しても成果が出にくいため、自信を失いやすいという点でもADHDと共通しますが、困りごとの理由は異なります。そのため、適切な支援の方法も症状によって変わります。
うつ病や不安障害との違い
うつ病や不安障害でも「集中できない」「落ち着かない」といった症状が出ることがあり、ADHDと混同されやすい傾向があります。
しかし、うつ病の場合は気分の落ち込みや意欲の低下が中心で、不安障害では強い緊張や心配が行動に影響します。一方、ADHDでは幼少期からの特性として“不注意・衝動性・多動性”が見られるのがポイントです。
大人になってうつや不安を発症したように見えても、その背景にADHDが隠れているケースもあるため、慎重な診断が必要です。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の二次障害

注意欠陥多動性障害(ADHD)は、不注意・多動性・衝動性といった特性そのものよりも、周囲からの理解が得られないことや、環境とのミスマッチによって生じる「二次障害」が大きな負担となることがあります。
症状が原因で失敗や叱責を繰り返すと、自信を失いやすく、心の不調へとつながることがあります。本人の努力不足ではなく、特性が理解されにくいことで起こりやすい問題のため、注意欠陥多動性障害の背景を知ることが予防につながります。
なりやすい精神疾患(うつ・不安障害など)
ADHDの人は、日常生活の中で「忘れ物が多い」「時間に間に合わない」「人間関係で注意される」などの経験を積み重ねやすく、自己肯定感が下がりやすい傾向があります。
このような状態が続くと、うつ病・不安障害・パニック症状・適応障害などの二次的な精神疾患につながることがあります。特に大人の場合、仕事でのプレッシャーや人間関係のストレスが重なり、疲れ果ててしまうケースも珍しくありません。症状を正しく理解しないまま叱責や否定を受け続けると、精神的負担が増し、二次障害の発症リスクが高くなります。
早期の気づきと適切な支援は、心の不調を防ぐ大きな助けとなります。
社会生活への影響
ADHDの特性は、学業・職場・家庭などのさまざまな場面で影響を及ぼします。
こどもの場合は学校での指示が理解しづらかったり、行動面で注意を受けたりすることが多く、クラス内で浮いた存在になってしまうこともあります。大人の場合は、仕事の締め切り管理が難しかったり、感情的になりやすいことで誤解が生まれたりするなど、社会生活のストレスが大きくなりがちです。
これらが長期間続くと、「自分はダメだ」「どうせうまくいかない」と感じ、生活の意欲が低下することがあります。また、家庭内でも誤解や摩擦が増えることで孤立してしまうケースもあります。症状への理解と環境調整があれば、社会生活の負担を大きく軽減できます。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療方法

注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療では、症状そのものを「完全に治す」ことを目的とするのではなく、日常生活の困りごとを軽減し、より暮らしやすい環境を整えることが重視されます。
治療方法には、心理教育やカウンセリング、薬物療法、環境調整、行動療法などさまざまなアプローチがあり、特性や生活スタイルに合わせて組み合わせることが一般的です。注意欠陥多動性障害の症状は一人ひとり現れ方が異なるため、自分に合った治療法を見つけることが重要です。
ソーシャルスキル・トレーニング(SST)
ソーシャルスキルトレーニング(SST)は、コミュニケーションや対人関係を円滑にするためのスキルを習得するトレーニングです。
会話の仕方、断り方、依頼の伝え方など、日常生活で必要になる具体的なスキルをロールプレイングなどで練習します。
ADHDでは衝動的に発言してしまったり、状況を読みづらいことが原因で誤解が生まれることがあるため、SSTによって行動の幅が広がり、対人ストレスの軽減につながります。子どもから大人まで幅広い年代で取り入れられている方法です。
薬物療法
薬物療法では、脳内の神経伝達物質(主にドーパミン・ノルアドレナリン)に働きかけ、注意や行動のコントロールを助ける薬が使用されます。
代表的な薬には、不注意に作用しやすい薬、多動性・衝動性に効果のある薬など、症状に合わせた選択が行われます。薬の効果はあくまで「症状を抑える」ものであり、ADHDそのものを治すわけではありません。
また、副作用や依存のリスクもあるため、医師と相談しながら適切な量・期間で利用することが大切です。効果を感じる場合には、生活上の困りごとが大きく改善するケースも多く見られます。
生活習慣・環境調整
ADHDの治療で最も効果的とも言われるのが「環境調整」です。生活リズムを整える、スケジュールを視覚化する、物の定位置を決めるなど、日常の工夫によって症状の負担が大きく減ることがあります。
また、周囲の理解と支援が十分にある環境では、失敗が減り自己肯定感を保ちやすくなるため、二次障害の予防にもつながります。小さな工夫の積み重ねが生活のしやすさを大きく変えます。
カウンセリング・心理行動療法
カウンセリングや心理行動療法は、ADHDの特性により生じている困りごとを整理し、感情や行動をコントロールする力を身につけていく方法です。
まずは自身の特性を理解する「心理教育」から始まり、忘れ物を減らす工夫や生活リズムの見直しなど、実践的な対策を一緒に考えていきます。また「認知行動療法(CBT)」では、物事の捉え方や行動パターンを整え、ストレスに対処しやすくすることを目指します。
環境を整えるだけでも症状の強さが変わるため、生活の土台づくりとして非常に有効です。
注意欠陥多動性障害(ADHD)との向き合い方

注意欠陥多動性障害(ADHD)と向き合ううえで大切なのは、特性を「本人の努力不足」ではなく、脳の働き方の違いによって生じるものとして正しく理解することです。
こどももおとなも、ADHDによる困りごとは生活のあらゆる場面に影響するため、周囲のサポートや環境調整によって負担を大きく減らすことができます。注意欠陥多動性障害は周囲の理解と関わり方によって生活のしやすさが大きく変わるため、特性に合わせた工夫が欠かせません。
こどもの場合(家庭・学校での工夫)
こどものADHDでは、忘れ物が多い、落ち着いて座っていられない、感情のコントロールが難しいなど、日常の小さな行動に困りごとが生じやすくなります。
家庭では、叱るよりも「できたことを褒める」関わり方が効果的で、成功体験を積むことで自己肯定感の低下を防げます。
スケジュールを見える場所に貼る、荷物の置き場所を決めるなどの工夫も有効です。学校では、席の位置や課題の量を調整するだけでも集中しやすくなることがあります。特性が伝わっていないと誤解が生まれやすいため、家庭と学校が情報を共有し、こどもが安心して過ごせる環境づくりが必要です。
おとなの場合(仕事・日常生活での工夫)
おとなのADHDでは、仕事のスケジュール管理、書類整理、マルチタスクが苦手といった悩みが多くみられます。
スマホのリマインダーを活用する、やることをリスト化する、作業をひとつずつ区切って進めるなど、シンプルな工夫だけでも負担が大きく軽減します。
また、忘れ物対策として「定位置管理」を徹底することも有効です。職場では、できる範囲で作業の優先順位を相談したり、マルチタスクを避ける環境を整えるなど、周囲の理解が成果につながりやすくなります。
長年の苦手さが自信低下を招くこともあるため、無理にひとりで抱え込まず、サポートを受けることが大切です。
家族や周囲のサポート
家族や周囲の関わり方は、ADHDの当事者にとって大きな支えになります。否定的な言葉をかけられ続けると、自己肯定感が下がり、うつや不安症状などの二次障害につながることがあります。
行動の背景には特性があることを理解し、「できない理由」を一緒に探す姿勢が大切です。また、本人のペースを尊重しながら、生活環境を整えるサポートを行うことで、日常のトラブルを防ぎやすくなります。
周囲の理解と適切な支援が、当事者の生活を大きく支えるポイントになります。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の相談先・支援制度

注意欠陥多動性障害(ADHD)に関する悩みを抱えたとき、一人で抱え込まず、利用できる支援制度や相談窓口を知っておくことが大切です。
相談先には公的機関から医療・福祉サービスまでさまざまな種類があり、状況に応じて必要なサポートを受けることができます。制度を活用することで、治療費の負担軽減や生活支援につながり、より安心して日常生活を送れるようになります。
注意欠陥多動性障害による困りごとがある場合でも、制度を上手に使うことで生活のしやすさが大きく変わります。
発達障害者支援センター
発達障害者支援センターは、発達障害に関する総合的な相談窓口です。自治体ごとに設置されており、専門スタッフ(社会福祉士・臨床心理士・言語聴覚士など)が在籍しています。
相談内容は、診断前の不安、生活上の困りごと、学校・職場での対応など幅広く、必要に応じて医療機関や支援機関と連携をしてくれます。ADHDかもしれないと感じた段階でも相談できるため、初めての相談先としても利用しやすい機関です。
精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患によって生活に支障がある人が取得できる制度で、等級は1〜3級に分かれます。この手帳を持つことで、障害者雇用枠への応募、公的サービスの割引や助成、税制上の優遇など、さまざまなサポートが受けられます。
ADHDの特性によって日常生活に不便がある場合には、取得することで負担軽減につながります。手帳の利用は社会参加にも役立ち、働き方の選択肢を広げるきっかけになることもあります。
自立支援医療制度
| 区分 | 上限額 |
|---|---|
生活保護![]() |
0円 |
低所得1![]() |
2,500円 |
低所得2![]() |
5,000円 |
中間所得1![]() |
5,000円 |
中間所得2![]() |
10,000円 |
一定所得以上![]() |
20,000円 |
表の料金は所得に応じた医療費の月額自己負担額の上限額となっております。
表の料金を超えた場合には、自己負担なしで医療が受けられます。
自立支援医療制度(精神通院医療)は、精神疾患の治療を継続して受ける方の負担を軽減する制度です。
医療費が通常の3割負担から1割に軽減され、さらに所得に応じた月額上限が設定されるため、継続的な通院治療が必要な場合でも安心して医療を受けられます。
指定の医療機関・薬局を利用する必要がありますが、経済的負担が大幅に下がるため、治療を中断するリスクを防ぐ効果があります。治療と生活を両立させるための重要な制度です。
学校や職場での支援制度
こどもの場合、通級指導教室や特別支援学級など、学習環境を調整できる制度が利用できます。提出物の期限延長や席の調整、個別の支援計画など、学校側が工夫を行うことで学習の負担が大きく減ります。
おとなの場合、職場での業務量調整、指示の出し方の工夫、マルチタスクの軽減など、合理的配慮を依頼することができます。制度を知らないまま働き続けると大きなストレスにつながるため、必要に応じて上司や産業医に相談し、環境調整を行うことが大切です。
精神科訪問看護という選択も

精神科訪問看護って?
精神科訪問看護は、精神疾患や日常生活の不安がある方のご自宅へ、看護師などの専門職が伺い、生活面・医療面のサポートを行うサービスです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)を含むさまざまな精神疾患の方が利用しており、自宅で安心して生活できるよう継続的に支援します。
利用者さまの体調や生活状況を丁寧に確認しながら、服薬・受診のサポート、生活リズムの改善、社会復帰の準備など、必要に応じたケアを提供します。
・生活リズムの整え方の提案
・身の回りの困りごとの相談
症状の悪化防止・服薬支援
・日々の体調確認
・薬の飲み忘れ防止・受診同行
社会復帰へのサポート
・主治医や関係機関との連携
・就労や社会活動へのステップづくり
家族への支援
・関わり方のアドバイス
・利用できる制度の情報提供
精神科訪問看護では、利用者さまだけでなく、そのご家族もサポートします。家庭内で抱え込みがちな悩みを一緒に整理し、安心して過ごせるよう環境全体を整えていくことが特徴です。
とくに「相談する場所がない」「外出が難しい」「病院だけでは生活面のフォローが足りない」と感じている方にとって、訪問看護は大きな助けとなります。
訪問看護のメリット
精神科訪問看護のメリットは、専門的なケアを“自宅にいながら”受けられる点です。
利用者さまの生活環境を直接見ながらサポートできるため、病院だけでは気づきにくい困りごとも把握しやすく、より実践的な支援につながります。
また、主治医との連携により、体調の変化を早期に察知しやすく、症状悪化の予防にも役立ちます。
- 自宅で専門家の支援が受けられる
- 生活の様子をふまえた具体的なアドバイスが可能
- 家族の負担軽減につながる
- 主治医との連携で症状悪化を早めに察知できる
「病院へ行くのがおっくう」「生活改善がうまくいかない」「家族だけで支えるのが大変」という場合、精神科訪問看護はとても有効な選択肢です。
自宅という落ち着いた環境でサポートを受けられるため、継続しやすく、安心して治療と生活を両立できます。
精神疾患をお持ちならシンプレへ

注意欠陥多動性障害(ADHD)をはじめ、精神疾患による生活の困りごとは、一人だけで抱え込むと心身の負担が大きくなりがちです。
そんなとき、身近な場所で支援を受けられる「精神科訪問看護」は、安心して暮らすための大きな助けとなります。
シンプレ訪問看護ステーションでは、精神疾患に特化した訪問看護サービスを提供しており、利用者さま一人ひとりの気持ちやペースを大切にしながらサポートを行っています。注意欠陥多動性障害による日常の困りごとも、専門職がご自宅で丁寧に支援します。
シンプレの特徴
シンプレ訪問看護ステーションでは、看護師・准看護師・作業療法士が在籍し、利用者さまの状態に合わせた支援を行っています。
精神疾患の特性を理解したスタッフが訪問するため、安心して悩みを相談できる点が大きな特徴です。訪問時間は1回あたり30分〜90分、週1〜3回を中心に、状態や生活状況に応じて訪問回数の調整も可能です。
祝日・土曜日の訪問にも対応しているため、忙しい方でも利用しやすい環境が整っています。
訪問内容は、症状の観察や服薬支援、生活リズムの調整、退院後のフォロー、再発防止のサポート、社会復帰への支援、ご家族への助言など多岐にわたります。
ADHDを含む精神疾患では、日常生活の中で「できない」「続かない」場面が繰り返されることで心が疲れてしまうことがありますが、訪問看護ではそうした悩みを一緒に整理し、生活がスムーズに進むようサポートします。また、胃ろう・ストーマ管理・褥瘡ケア・在宅酸素療法など、医療的ケアにも対応しているため、幅広いニーズをカバーできるのも特徴です。
シンプレの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
対応エリアは、東京23区、西東京市、武蔵野市、三鷹市、調布市、府中市、東久留米市、および埼玉県の一部地域です。近隣市区町村で訪問が可能な場合もありますので、まずはお気軽にご相談ください。
利用できる制度には、自立支援医療制度(精神通院)、心身障害者医療費助成制度、子ども医療費助成制度、生活保護などがあり、介護保険をお持ちの方でも精神科訪問看護は医療保険の適用となります。生活に寄り添った支援を受けることで、安心して地域で暮らしていける環境が整います。
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まとめ

注意欠陥多動性障害(ADHD)は、不注意・多動性・衝動性といった特徴が中心となる発達特性で、こどもからおとなまで幅広く見られます。
これらの特性は努力不足ではなく、脳の働き方によって現れるものであり、生まれ持った特性として理解することが大切です。
生活の中で経験する困りごとは個人差がありますが、注意欠陥多動性障害の症状を正しく理解し、適切なサポートや治療を受けることで、日常生活は大きく改善します。
ADHDそのものを完全に治すことはできなくても、工夫や支援次第で本人が安心して生活できる環境は十分に整えられます。
ADHDは「不注意・衝動性・多動性」が特徴
ADHDの特性は大きく「不注意」「衝動性」「多動性」の3つに分けられ、これらが日常生活のさまざまな場面で影響を与えます。
集中が続かない、衝動的に行動してしまう、じっと座っているのが難しいなどの特徴が見られ、こどもでは学校生活に、大人では仕事や家事、人間関係に困りごとが生じやすくなります。
周囲の理解が不足したまま叱責され続けると自信を失い、二次障害につながることもあります。特性を正しく理解することが、良いサポートの第一歩です。
こどもとおとなで症状の出方が異なる
ADHDは年齢によって症状の現れ方が変化します。
こどもの頃は落ち着きがない、順番を待てない、感情が高ぶりやすいなど行動面で表れやすい一方、大人になると計画性の難しさ、時間管理の苦手さ、仕事の段取りが難しいといった形で表れることが多い傾向があります。
成長とともに多動が落ち着く場合もありますが、不注意や衝動性は残りやすく、生活の中で困りごとが続くこともあります。年齢に合わせた支援が必要です。
早期診断と適切な治療・サポートが重要
ADHDは早期に気づき、特性に合った支援を受けることで、生活上の困難を大幅に減らすことができます。
診断を受けることで、自分の特徴がはっきりし、今後の対策を立てやすくなります。また、カウンセリング、認知行動療法、薬物療法、環境調整などの治療方法を適切に組み合わせることで、症状が緩和し、日常生活の負担が軽減します。
周囲の理解があることで、本人の意欲や自己肯定感が守られ、二次障害の予防にもつながります。
支援制度を活用して安心して生活できる環境づくりを
ADHDによる困りごとは一人で抱える必要はありません。発達障害者支援センター、精神障害者保健福祉手帳、自立支援医療制度、学校・職場での支援制度など、利用できる制度は数多くあります。
制度を知ることで、治療負担の軽減や生活のしやすさにつながり、安心して社会参加ができるようになります。また、訪問看護などの在宅支援も活用することで、日常生活の悩みを一緒に整理し、継続したサポートを受けることができます。適切な支援と環境調整があれば、ADHDでも自分らしく生活できます。
シンプレ訪問看護ステーションでは、精神科に特化した専門的なスタッフがさまざまな観点からADHDを支援いたします。
一人で抱え込まずに、まずは専門家へ相談してみましょう。
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