妄想性障害の症状とは?5つの種類・治療法について詳しく解説。
妄想性障害の症状は、誰かから好意を持たれていると妄想したり、自分が中傷や嫌がらせをされていると思い込む、自分は悪臭を放っていると思い込むなど多彩にあります。
妄想の症状のある統合失調症とは区別されており、他の精神病の症状を含まず妄想だけが現われます。
今回は、妄想性障害の詳しい症状をまとめました。心当たりのある方や、周りに思い当たる方がいる方は参考にしてみて下さい。
妄想性障害の症状
被愛型
- だれかが自分に恋愛感情をもっていると思う妄想
- 妄想の相手に接触や監視をすることもある
妄想性障害の被愛型の症状は、1つもしくはそれ以上の妄想に持続的に捉われてしまうことです。
最初に説明するのは被愛型です。このタイプは、誰かが自分に対して恋愛感情を持っていると妄想します。例えば、好きな芸能人が自分のことを愛してくれていると勝手に妄想し、自信を持ち始めます。
その結果、特定の人に電話や手紙、メールなどの接触を図るようになり、妄想がひどくなると監視やストーカー行為に発展するケースもあります。
嫉妬型
- 配偶者や恋人が浮気をしていると思いこむ
- はっきりしない証拠から誤った推測を信じ込む
次に嫉妬型です。このタイプの症状は、恋人が浮気していると思い込んでしまいます。自分本位な思い込みをする傾向があり、不確かな情報をもとに誤った推測をしてしまいます。
代表例としては、少し衣服が乱れているなど些細なことで、恋人が不貞をはたらいたと勘違いをしてしまい、言い争いに発展するケースがあります。
また嫉妬型は、身体的な暴力をふるう可能性が高く、傷害事件に発展するケースが高い傾向にあります。
被害型
- 見張られていると思いこむ
- 中傷や嫌がらせをされていると思い込む
続いては被害型です。このタイプの症状は、「誰かにだまされている」「見張られている」「嫌がらせされている」などと思い込んでしまいます。
例えば、隣の住民が大きな音を立て、自分に嫌がらせをしている感じ、妄想を膨らむなどの症状が見られます。
また自分に危害を加えそうな相手に対して激しい怒りを持つことが、暴力的になったり、裁判を起こすなどの行き過ぎた行動を取ってしまうケースがあります。
身体型
- 自分はとても醜いと思いこむ
- 自分は悪臭などの体臭を放っていると思い込む
妄想性障害の身体型の症状は、自身自身のことをとても醜いと感じたり、悪臭を放っているのではないかと思い込むことです。
身体の機能や感覚にかかわる妄想をし、皮膚のなかに虫が入りこんでいるのではないかと感じ、妄想を膨らませてしまうことがあります。
誇大型
- 有名人などと特別に親しいなどという妄想
- 自分は優れた能力をもっているという状態
誇大型の症状は、自分自身が卓越した才能または見識をもっている、または重大な発見をしたと根拠がなく思い込むことです。例えば、芸能人と特別な親しい関係にあると勘違いしたりすることがあります。
上記の5つのタイプの共通点としては、妄想性障害の人は、幻聴や幻覚などの症状があまり強くありません。もし幻覚があっても、それは妄想の一部であることが多いことが特徴です。
その他の症状
- 混合型
- 特定不能型
上記でもご説明したように、妄想性障害は5つのタイプに分かれます。しかしながら、なかには5つのタイプを混合する混合型もあります。
そのほかにも特定不能型があり、被害型・誇大型に近い症状をもち、5つのタイプにピッタリとハマらないケースもあります。
妄想性障害の診断基準と患者数
診断基準
妄想性障害の診断基準では、1ヶ月以上妄想に取りつかれているか、妄想以外に奇怪な行動することが無いか問診で確認されます。
また統合失調症やうつ病などの可能性がないか確認も必要で、幻覚症状や抑うつ状態の期間・エピソードなどを質問されるでしょう。
症状によっては、統合失調症またはうつ病など他の精神疾患の可能性もあるので、妄想性障害について少しでも当てはまる場合は専門の医療機関を受診することをおすすめします。
妄想性障害の方の患者数
妄想性障害の生涯有病率は0.2%、生涯を通して500人に1人がかかる病気といわれています。
もっともよく見られるタイプは、「被害型」であり、発生頻度は男女に大きな差はありません。一般的に40歳〜64歳までの中年期に、発病しやすいといわれています。
妄想性障害の治療
妄想性障害の方は、非常に疑い深く、医師や周囲の人に不信感を抱きやすいことが特徴です。そのため、医師としっかりとしたコミュニケーションが取りづらく、治療をはじめるのが難しい病気ともいわれています。
また、自分自身が病気にかかっていることを理解できていないケースが多く、まずは適切なコミュニケーションをとることが大切です。そのため、医師は患者に寄り添い、信頼関係を築くことに努めなければなりません。
症状によっては、不安や妄想を緩和するために、一時的に抗うつ薬・抗精神病薬を処方されることがあります。しかし、妄想性障害の回復には、長期的な治療が必要となることも少なくありません。
妄想性障害の相談窓口
- 保健センター
- 精神保健福祉センター
- 精神科・心療内科
妄想性障害などの精神疾患を患った際は保健センターや精神保健センターに相談するのが1つです。
精神疾患や身の回りのことなど幅広い内容の相談を聞いてくれ、電話・面談で相談ができます。
また精神保健福祉センターでは、医師や精神保健福祉士、臨床心理士などが在籍している場合があり、状況に合わせた対応を行ってくれます。
根本的な治療・症状の悪化防止には、精神科や心療内科の病院・クリニックを受診することが必要であり、心当たりがあると感じたら、最寄りの病院やかかりつけの医師に相談してみるのもよいでしょう。
精神科訪問看護という選択肢も
精神科訪問看護とは
・精神科・心療内科に通院中の方
・精神疾患の診断を受けた方
・診断がなくとも医師が必要と判断した方
訪問する人
・看護の専門職
・リハビリテーションの専門職
訪問時間
・医療保険
(30分から90分程度)
精神科訪問看護とは、精神疾患を抱える方や精神的な不安をもつ方が利用できるサービス。
自宅で専門的な医療を受けることが可能となり、30分〜90分の間、点滴やリハビリなどの医療を受けることができます。また医療保険が適用されるのもうれしいポイントです。
精神科訪問看護は家族への支援も実施しており、利用者さまを取り巻く環境全体を整えていく役割も担っています。
利用対象者は「精神科・心療内科に通院している」「精神疾患の診断を受けた」といった方々ですが、精神疾患を不安に思う方は、一度相談することをおすすめします。
精神科訪問看護の料金
訪問看護 | 利用者負担額(1割) | 利用者負担額(2割) |
---|---|---|
基本療養費Ⅰ |
555円 | 1,110円 |
基本療養費Ⅱ |
655円 | 1,310円 |
精神科訪問看護では、医療保険を利用することで自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用することが可能。費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、長時間の訪問する場合は別途料金が発生します。
国からの自立支援医療制度を利用すると料金が1割負担になるほか、所得に応じて自己負担が0円になる場合もございます。
自立支援医療(精神通院医療)
区分 | 上限額 |
---|---|
生活保護 |
0円 |
低所得1 |
2,500円 |
低所得2 |
5,000円 |
中間所得1 |
5,000円 |
中間所得2 |
10,000円 |
一定所得以上 |
20,000円 |
表の料金は所得に応じた医療費の月額自己負担額の上限額となっております。
表の料金を超えた場合には、自己負担なしで医療が受けられます。
自立支援医療制度は、すべての精神疾患が対象になり、継続して通院している人が申請できる制度。
医療費の自己負担分を3割から1割までに軽減することができ、障害があっても自立した生活が送れるようにするため設立されました。
精神科病院やクリニックに通院している場合には、受診料が自立支援医療の対象になり、そのほかにも薬代・訪問看護にかかる費用・デイサービスの費用なども自立支援医療の対象になります。
訪問看護のメリット
- 自宅に居ながら専門的なケアが受けられる
- 自宅での様子を主治医に連携できる
- 対人関係や日常生活の支援を受けられる
訪問看護では、上記のようにさまざまなサービスをおこなっており、訪問看護は主治医が必要と判断すれば利用することが可能です。
年齢などの制限はなく、医師の判断で利用の可否が決定されます。利用料金には医療保険が適用されるため、少ない自己負担で訪問看護を受けることができます。
主治医や関係機関との連携を図ることで、重症化する前に受診できたり、入院を予防することができます。
また必要時には家族への助言を行い、社会資源の活用をサポートすることで、療養環境を整え治療に集中できるよう支援します。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
シンプレの特徴
精神科に特化したシンプレ訪問看護ステーションは、妄想性障害やうつ病などのこころの病気で悩んでいる方やそのご家族への継続的なサポートを行い、患者さんの自主性を重んじた社会復帰をお手伝いします。
治療においては、家族のサポートや安心できる環境作りが重要なため、精神科訪問看護では安心して自宅療養できる環境を整え、再発を予防していきます
地域に密着した訪問を行い、医療関係や公共機関と連携を取り合いながら、地域全体としてサポートできる体制をととのえてます。
シンプレで対応している疾患の一覧
- 妄想性障害
- アルコール依存症
- うつ病
- 自閉スペクトラム症
- 統合失調症
- その他精神疾患全般
妄想性障害の他にも、シンプレ訪問看護ステーションでは上記のように多くの精神疾患に対応しています。
アルコール依存症やうつ病などは、気分の浮き沈みが激しかったり、コミュニケーションが取りづらいなどの症状があり、一般的に精神疾患をもつ方々は、日常生活を送るのが困難になっている現状があります。
そんな悩みをもつ患者さんに対して、シンプレでは訪問看護を通してサポートをし、利用者様の不安を受け止め、治療への頑張りを一緒に共有し、心から安心できる居場所づくりをお手伝いします。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
妄想性障害は、特定の人から好意を持たれているなど妄想をする病気で、誰しもがかかりうる可能性があります。
また妄想が悪化してしまうと、他人に迷惑をかけてしまったり、社会生活に支障をきたしたりする可能性があり、対応が非常に難しい病気といえます。
シンプレは精神疾患に特化した訪問看護サービスで、家族とともに本人に寄り添い、本人らしく生きていけるようサポートします。
ご利用をご検討の際はお気軽にご連絡ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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