認知症の家族の対応は?相談先と支援制度|シンプレ訪問看護
親や配偶者の様子が変わり、「もしかして認知症かもしれない」と感じたとき、家族はどう対応すればよいのか戸惑うものです。同じ話をくり返す、約束を忘れる、急に怒り出す。こうした変化を前に、つい強く言い返してしまい、あとで自分を責める方も少なくないでしょう。
認知症の家族の対応は、気づいたとき・診断されたあと・日々の暮らしの中と、段階によってやるべきことが変わります。
この記事では、認知症の家族の対応を段階ごとに整理し、接し方の基本や困った症状への工夫、介護する家族自身の休み方、頼れる相談先と支援制度、訪問看護の支えまでをやさしく解説します。家族だけで抱え込まないための手がかりとして読んでみてください。
認知症の家族の対応で最初に知っておきたいこと

認知症の家族の対応を考えるとき、まず押さえておきたいのは「認知症とはどういう状態なのか」という基本です。病気の仕組みを少し知っておくだけで、本人の言動を病気の症状として受け止めやすくなり、家族の気持ちにも余裕が生まれます。ここでは、対応の土台となる4つのポイントを紹介します。
認知症は誰にでも起こりうる身近な病気
認知症は、脳の病気やけがによって記憶や判断などの働きが低下し、日常生活に支障が出ている状態を指します。特定の病名ではなく、アルツハイマー型・血管性・レビー小体型・前頭側頭型など、さまざまな原因による状態の総称とされています。
厚生労働省が公表した推計では、2025年の認知症の高齢者は約471万人、その前段階とされる軽度認知障害の高齢者は約564万人とされています。高齢者の4人に1人ほどが認知症かその予備群と考えられており、どの家庭にも起こりうる身近な病気です。また、65歳未満で発症する若年性認知症の方も全国に約3.6万人いると推計されています。
症状は中核症状と行動・心理症状に分かれる
認知症の症状は、大きく2つに分けて考えられています。ひとつは、脳の働きの低下によって直接起こる中核症状です。新しいことを覚えられない記憶障害、日付や場所がわからなくなる見当識障害、段取りを立てられなくなる実行機能の障害などが含まれます。
もうひとつは、中核症状に本人の性格や体調、周囲の環境などが重なって現れる「行動・心理症状」です。もの盗られ妄想、怒りっぽさ、不安や落ち込み、夜眠れない、ひとりで外に出てしまうといった変化がこれにあたり、医療や介護の現場では「BPSD」とも呼ばれます。家族が対応に悩みやすいのは、多くの場合こちらの症状です。
家族の関わり方が本人の安心につながる
行動・心理症状は、不安や混乱、体の不調、環境の変化などが引き金になりやすいとされています。そのため、周りの関わり方や過ごしやすい環境を整えることで、本人が落ち着いて過ごせる時間が増えることがあります。
ただし、これは「家族の対応が悪いから症状が出る」という意味ではありません。どれだけ丁寧に関わっても症状が出る日はありますし、病気の進み方そのものを家族の力で止めることはできません。家族にできるのは、本人の不安を少しでもやわらげる工夫を重ねることであり、うまくいかない日があっても自分を責める必要はありません。
対応は進み具合に合わせて見直していく
認知症の多くは、年単位でゆっくり進んでいくとされています。初めのころは身の回りのことをほとんど自分でこなせていても、時間とともに手助けが必要な場面が増えていきます。そのため、家族の対応も「一度決めたら終わり」ではなく、その時々で見直すことが大切です。
今できていることは本人に任せ、難しくなってきたことだけを周りが補う。その補い方も、家族だけでなく介護サービスや医療の支えを組み合わせながら少しずつ調整していく。この考え方を持っておくと、先の見えない不安が少し軽くなります。
認知症かもしれないと気づいたときの家族の対応

「最近もの忘れが増えた」「以前と様子が違う」と感じたときが、認知症の家族の対応の出発点です。早めに受診や相談につなげると、原因を確かめられるだけでなく、これからの暮らしに向けた準備の時間を持ちやすくなります。ここでは、気づいた段階で家族ができることを紹介します。
気になる変化を記録しておく
受診や相談の前に、気になった変化を簡単にメモしておくと役に立ちます。診察の場では、本人が普段どおりにふるまえてしまうことも多く、医師に日常の様子が伝わりにくいことがあるためです。
記録しておきたいのは、次のような内容です。
- いつごろから、どのような変化があったか
- 同じ質問のくり返しや、しまい忘れなどの具体的な場面
- 料理・買い物・お金の管理など、できなくなってきたこと
- 気分の変化、睡眠、食欲、転びやすさなどの体調面
- 飲んでいる薬の名前や、最近変わった薬
日付と出来事を一言ずつ書く程度で十分です。スマートフォンのメモ機能を使ってもかまいません。記録があると、家族の中で状況を共有するときにも話がまとまりやすくなります。
かかりつけ医や地域包括支援センターに相談する
最初の相談先として身近なのは、本人が普段通っているかかりつけ医です。必要に応じて、もの忘れ外来や脳神経内科、精神科などの専門の医療機関を紹介してもらえます。
医療機関にかかる前に話を聞いてほしい場合や、どこに行けばよいかわからない場合は、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談できます。高齢者と家族のための総合的な相談窓口で、保健師や社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門職が、受診先の案内や介護保険の手続きまで一緒に考えてくれます。相談は無料で、本人ではなく家族だけで相談することもできます。
本人が受診を嫌がるときの声かけ
「自分はどこも悪くない」と受診を嫌がるのは、珍しいことではありません。もの忘れを指摘されること自体が、本人にとってつらく、プライドを傷つけられる体験になりやすいからです。
そのようなときは、「認知症の検査に行こう」と正面から伝えるより、「健康診断のついでに」「最近よく眠れていないようだから」など、本人が納得しやすい理由で誘うと受け入れてもらいやすいことがあります。かかりつけ医から受診をすすめてもらう、本人が信頼している親戚に声をかけてもらうといった方法もあります。
それでも受診が難しい場合は、家族だけで地域包括支援センターに相談してください。地域によっては、専門職が自宅を訪問して支援する仕組みにつないでもらえることもあります。
認知症に似た症状を示す病気もある
もの忘れや意欲の低下があっても、すべてが認知症とは限りません。正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫、甲状腺機能の低下、ビタミン不足、うつ病、薬の副作用などでも、認知症に似た症状が出ることがあるとされています。
こうした病気の中には、治療によって症状の改善が期待できるものもあるといわれています。自己判断で「年のせい」と決めつけず、一度専門の医師に相談することが大切です。
認知症と診断されたあとに家族がしておきたいこと

診断を受けた直後は、本人も家族もショックや戸惑いを感じやすい時期です。一方で、症状が比較的軽いうちは本人と話し合える時間が残されています。認知症の家族の対応として、この時期に準備しておくと、あとで慌てずにすむことを4つ紹介します。
病気の特徴と今後の見通しを主治医に聞く
認知症は原因となる病気によって、症状の出方や進み方が異なるとされています。たとえば、レビー小体型では実際にはないものが見える幻視や、日によって調子の波が大きいことが特徴とされ、前頭側頭型では性格や行動の変化が目立ちやすいといわれています。
診察の際には、次のようなことを主治医に確認しておくと、家族の備えに役立ちます。
- どのタイプの認知症と考えられるか
- 今後どのような症状が出てくる可能性があるか
- 薬を使う場合の目的と、気をつけたい副作用
- 急に様子が変わったときの連絡先と受診の目安
一度に全部を聞けなくても大丈夫です。気になることを事前にメモしておき、通院のたびに少しずつ確認していくとよいでしょう。
要介護認定を申請して介護保険の準備をする
介護サービスを使うためには、市区町村の窓口で要介護認定を申請します。65歳以上の方と、初老期における認知症など16の特定疾病が原因で介護が必要になった40〜64歳の方が対象です。申請は本人のほか家族も行え、地域包括支援センターに代行してもらうこともできます。
申請後は、調査員による聞き取りと主治医の意見書をもとに、要支援1・2、要介護1〜5などの区分が決まります。結果が出るまでには原則30日ほどかかるとされているため、「まだ必要ない」と思える段階でも早めの申請がおすすめです。認定を受けておけば、必要になったときにすぐサービスを使い始められます。
本人の希望を早めに聞いておく
これからどこで、どのように暮らしたいか。どんな医療や介護を望むのか。こうした希望は、本人が自分の言葉で伝えられるうちに聞いておくことが大切です。
いきなり重い話を切り出す必要はありません。昔話や好きなことの話題から、「これからも家で過ごしたい?」「こうなったら誰に頼りたい?」と自然に尋ねてみましょう。聞いた内容を家族で共有し、書き留めておくと、いざというときの判断の支えになります。医療や介護について前もって話し合っておくこの取り組みは、「人生会議」とも呼ばれています。
お金や契約の管理を話し合っておく
認知症が進むと、通帳やカードの管理、支払い、契約ごとが難しくなることがあります。訪問販売や電話勧誘の被害にあうことも心配です。
判断する力が十分にあるうちであれば、将来に備えて信頼できる人と契約を結んでおく「任意後見制度」を利用できます。すでに判断が難しくなっている場合は、家庭裁判所が後見人などを選ぶ「法定後見制度」があります。また、社会福祉協議会が行う「日常生活自立支援事業」では、福祉サービスの利用手続きや日常的なお金の出し入れを手伝ってもらえます。
どの仕組みが合うかは状況によって異なります。地域包括支援センターや社会福祉協議会に相談すると、手続きの流れも含めて案内してもらえます。
認知症の家族への接し方の基本

毎日の認知症の家族の対応で、いちばん悩みやすいのが接し方です。完璧を目指す必要はありませんが、いくつかの基本を知っておくと、言い争いやすれ違いを減らしやすくなります。ここでは、多くの家族が取り入れやすい4つの基本を紹介します。
否定や叱責をせず気持ちを受け止める
認知症の方は、記憶があいまいになっても「叱られた」「ばかにされた」という感情は残りやすいといわれています。間違いを正そうとして「さっきも言ったでしょ」「違うよ」とくり返すと、本人は責められていると感じ、かえって混乱や怒りが強まることがあります。
事実が違っていても、まずは「そうなんだね」「心配だったんだね」と気持ちを受け止めることから始めましょう。そのうえで話題を変えたり、お茶に誘ったりして、気持ちの切り替えを手伝うのがコツです。家族も人間なので、つい言い返してしまう日があって当然です。そのときは少し時間をおいて、穏やかに声をかけ直せば大丈夫です。
短くわかりやすい言葉で伝える
認知症が進むと、一度にたくさんの情報を受け取ったり、長い説明を理解したりすることが難しくなります。話しかけるときは、正面から目線を合わせ、ゆっくり、はっきりと話すことを心がけましょう。
「着替えて、歯をみがいて、出かける準備をして」とまとめて伝えるより、「まず上着を着ましょう」とひとつずつ伝えるほうが伝わりやすくなります。「どうしたいの?」という答えにくい質問より、「お茶とコーヒー、どちらにしますか」と選びやすい聞き方にするのもよい方法です。言葉だけで伝わりにくいときは、実際に物を見せたり、身ぶりを添えたりしてみてください。
できることは本人に任せて役割を保つ
心配から何でも先回りして手伝ってしまうと、本人ができることまで失われていくことがあります。洗濯物をたたむ、食器を拭く、植物に水をやるなど、できることは任せるようにしましょう。
時間がかかったり、仕上がりが完璧でなかったりしても、「助かったよ」「ありがとう」と伝えることが大切です。家の中に役割があることは、本人の自信や張り合いにつながります。以前から得意だったことや好きだったことを手がかりに、無理のない範囲で役割を探してみてください。
安心できる環境と生活リズムを整える
なじみのない場所や急な予定の変化は、本人の不安や混乱のもとになりやすいとされています。家具の配置をむやみに変えない、トイレや部屋の入口にわかりやすい目印をつける、カレンダーや時計を見やすい場所に置くといった工夫で、本人が迷いにくい住まいに近づけられます。
また、起きる時間や食事の時間をなるべくそろえ、日中は散歩や日光を浴びる時間をつくるなど、一日のリズムを整えることも大切です。夜間の眠りにも関わるため、できる範囲で取り入れてみましょう。
認知症の困った症状に家族が対応するときの工夫

行動・心理症状への対応は、認知症の家族の対応の中でも負担を感じやすい場面です。ここでは、よくある4つの場面ごとに、家族が取り入れやすい工夫を紹介します。どの方法もすべての人に合うわけではないため、本人の様子を見ながら試してみてください。症状が強いときや急に変化したときは、主治医に相談することが大切です。
もの盗られ妄想などの訴えがあるとき
「財布を盗られた」という訴えは、しまった場所を忘れてしまうことに、不安や喪失感が重なって起こると考えられています。身近で世話をしている家族ほど疑われやすく、つらい思いをしやすい症状です。
「盗るわけないでしょ」と否定すると、本人の不安がさらに強まりやすくなります。まずは「それは困ったね」と気持ちに寄り添い、「一緒に探しましょう」と声をかけてみてください。見つかったときは、本人が自分で見つけられるようにさりげなく誘導すると、疑いが続きにくくなることがあります。大切なものの置き場所を決めておく、予備の財布を用意しておくといった備えも役立ちます。
怒りっぽさや介護への抵抗があるとき
入浴や着替えをすすめたときに強く拒んだり、急に怒り出したりすることがあります。背景には、何をされるのかわからない不安、恥ずかしさ、痛みや便秘などの体の不調が隠れていることもあるとされています。
怒っているときに説得を続けると、かえって興奮が強まりやすくなります。いったんその場を離れ、時間をおいてからもう一度声をかけてみましょう。入浴なら「お湯が沸いたので温まりませんか」など誘い方を変える、声をかける人を変えるといった工夫も有効な場合があります。
暴言や暴力で家族の身に危険を感じるときは、無理にその場で対応しようとせず、まず距離をとって自分の安全を守ってください。そのうえで、主治医やケアマネジャーに早めに相談しましょう。
道に迷う・一人で出かけてしまうとき
認知症の方がひとりで外に出て道に迷う行動には、「仕事に行かなければ」「家に帰りたい」など、本人なりの理由があることが多いとされています。無理に引き止めるより、「どこへ行くの?」と話を聞き、「一緒に行きましょう」と付き添いながら気分が落ち着くのを待つ方法もあります。
備えとしては、次のような方法があります。
- 衣類や持ち物に名前と連絡先をつけておく
- 位置情報がわかる端末を持ち歩いてもらう
- 自治体の見守りネットワークや事前登録の仕組みを利用する
- 近所の人や、よく行くお店に事情を伝えておく
行方がわからなくなったときは、家族だけで探し続けず、早めに警察へ連絡してください。自治体によっては、認知症の方が起こした事故に備える賠償責任保険の加入を支援している場合もあるので、お住まいの市区町村の制度を確認しておくと安心です。
夜眠れず昼夜が逆転しているとき
夜中に何度も起きる、夕方になるとそわそわして落ち着かない、昼間にうとうとしてしまう。こうした睡眠の乱れは、家族の睡眠不足にも直結しやすい悩みです。
日中にデイサービスや散歩で体を動かし、日の光を浴びる時間をつくる、昼寝は短めにする、夕方以降はカフェインを控えるといった工夫が、生活リズムを整える助けになるといわれています。痛みやかゆみ、トイレの回数が増えているなど、体の不調が眠りを妨げていることもあります。
睡眠薬などを自己判断で使ったり増やしたりすると、ふらつきや転倒につながるおそれもあります。眠りの問題が続くときは、主治医に相談してください。
認知症の家族を支える人が抱え込まないために

認知症の家族の対応は、数年単位の長い道のりになることが多いものです。介護を続けていくためには、本人のことと同じくらい、支える家族自身の体と心を守ることが大切です。ここでは、家族が抱え込まないための考え方と使える仕組みを紹介します。
介護する家族に起こりやすい心身の疲れ
夜間の対応による睡眠不足、目が離せない緊張感、思うように気持ちが通じないもどかしさ。こうした負担が積み重なると、家族は心身ともに疲れやすくなります。配偶者が介護を担う「老老介護」や、仕事や子育てと両立しながら親を介護するケースでは、なおさら負担が大きくなりがちです。
「眠れない日が続く」「何をしても楽しくない」「本人にきつく当たってしまう」と感じたら、休息が必要なサインかもしれません。つらさを感じるのは、家族の努力が足りないからではありません。気持ちの落ち込みが続く場合は、家族自身もかかりつけ医などに相談してください。
介護サービスを使って休む時間をつくる
介護する家族が一時的に介護から離れ、休息をとることは、介護の現場では「レスパイト」と呼ばれ、大切な支援のひとつと考えられています。要介護認定を受けていれば、介護保険で次のようなサービスを利用できます。
- 日帰りで食事や入浴、レクリエーションを受けられるデイサービス
- 短期間施設に泊まれるショートステイ
- 自宅で身の回りの介助や家事を手伝ってもらえる訪問介護
- 通い・泊まり・訪問を組み合わせられる小規模多機能型居宅介護
「家族なのに人に任せるのは申し訳ない」と感じる方もいますが、家族が休めることは、本人が穏やかに過ごすことにもつながります。どのサービスをどう組み合わせるかは、ケアマネジャーと相談しながら決められます。
仕事と介護を両立するための制度
働きながら家族を介護する方は、育児・介護休業法にもとづく制度を利用できます。代表的なのが、対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分けて取得できる「介護休業」です。雇用保険に加入していれば、一定の要件を満たすと、休業前の賃金の67%にあたる介護休業給付金を受け取れます。
通院の付き添いなど短い用事には、年5日(対象家族が2人以上なら年10日)まで、1日や時間単位で取れる「介護休暇」も使えます。このほか、残業の免除や短時間勤務などの制度もあります。
介護休業は、介護そのものを家族が担うためというより、介護の体制を整えるための期間と位置づけられています。この期間に介護サービスの手配や家族の役割分担を進めておくと、仕事を続けやすくなります。制度の内容は改正されることがあるため、最新の情報は勤務先の担当部署やハローワークで確認してください。
家族会や電話相談で気持ちを話す
同じ経験をしている人と話すことは、気持ちを軽くする大きな助けになります。全国に支部がある「認知症の人と家族の会」では、介護経験者などが家族の悩みを聞く電話相談を行っています。フリーダイヤルは0120-294-456です。受付日時は変わることがあるため、公式サイトで確認してから電話してください。
地域によっては、認知症の方と家族、地域の人が気軽に集える「認知症カフェ」や、介護者のつどいも開かれています。話せる場所をひとつ持っておくだけでも、孤立を防ぐ支えになります。開催場所は、地域包括支援センターや市区町村の窓口で教えてもらえます。
認知症の家族の対応で頼れる相談先

認知症の家族の対応で迷ったとき、相談できる窓口は思っている以上にたくさんあります。それぞれの窓口の役割を知っておくと、困ったときに迷わず連絡できます。ここでは、主な相談先とその特徴を紹介します。
地域包括支援センター
地域包括支援センターは、高齢者の暮らしを地域で支えるために、市区町村ごとに設けられている相談窓口です。担当地域が決まっているため、本人が住んでいる地域のセンターに相談します。所在地は、市区町村のホームページや窓口で確認できます。
介護・医療・お金・権利を守ることまで幅広く相談できるのが特徴で、要介護認定の申請手続き、介護サービスや医療機関の案内、成年後見制度の紹介、虐待や消費者被害の相談などにも対応しています。「何から相談すればいいかわからない」という段階でも、まずここに連絡すれば適切な窓口へつないでもらえます。
認知症疾患医療センターと認知症初期集中支援チーム
認知症疾患医療センターは、都道府県や政令指定都市が指定する、認知症の専門医療の拠点です。詳しい検査や診断、行動・心理症状が強いときの治療のほか、本人や家族からの医療相談にも応じています。
認知症初期集中支援チームは、医療と介護の専門職がチームを組み、認知症が疑われる方や認知症の方の自宅を訪問して支援する仕組みです。受診を嫌がる方や、医療や介護のサービスにまだつながっていない方などが主な対象で、おおむね半年ほどの期間、受診のすすめや介護サービスの利用などを集中的に支えるとされています。利用の窓口は、多くの場合地域包括支援センターです。
ケアマネジャーと介護保険サービス
要介護認定を受けると、ケアマネジャー(介護支援専門員)が本人や家族の希望を聞きながら、介護サービスの計画であるケアプランを作成します。要支援の場合は、地域包括支援センターが中心となって計画を立てます。
ケアマネジャーは、サービス事業所との連絡や調整を担う、在宅介護の心強いパートナーです。困りごとが変わったら遠慮せずに伝え、サービス内容をその都度見直してもらいましょう。訪問看護を利用したい場合も、まずケアマネジャーに相談すると、主治医との調整を含めて手続きを進めてもらえます。
若年性認知症の場合の相談先
65歳未満で発症する若年性認知症では、仕事や家計、子育てなど、高齢の方とは異なる悩みが重なりやすいとされています。全国の相談窓口として「若年性認知症コールセンター」があり、フリーコール0800-100-2707で本人や家族の相談に応じています。受付日時は公式サイトで確認してください。
また、多くの都道府県には若年性認知症支援コーディネーターが配置されており、仕事の継続や障害年金、傷病手当金などの制度について一緒に整理してもらえます。40〜64歳の方でも、初老期における認知症として要介護認定を受ければ介護保険サービスを利用できます。
認知症の在宅生活を支える訪問看護

認知症の家族の対応を続けるうえで、医療の面から支えてくれるのが訪問看護です。看護師などが主治医の指示書にもとづいて自宅を訪問し、本人の体調や暮らしの様子を確認しながら、家族が一人で判断を抱えずにすむよう支えます。ここでは、認知症の方と家族に向けた訪問看護の役割と費用の考え方を紹介します。
体調の変化や服薬の様子を見守る
認知症の方は、痛みや体の不調をうまく言葉で伝えられないことがあります。便秘や脱水、発熱などの体調の変化が、落ち着きのなさや怒りっぽさとして現れることもあるとされています。
訪問看護では、血圧や体温、食事や水分のとり方、排せつ、睡眠などを確認し、小さな変化に気づくことを大切にしています。薬の飲み忘れや飲み過ぎが心配な場合は、これまでの管理方法を家族と一緒に確認し、お薬カレンダーの活用など続けやすい方法を考えます。気になる変化があれば主治医へ報告し、必要な対応につなげます。
家族の困りごとを一緒に考える
「入浴を嫌がってどうしたらいいかわからない」「夜の対応で疲れてしまった」といった悩みは、家族だけではなかなか解決の糸口が見つからないものです。
訪問看護師は、自宅での本人の様子を見たうえで、家族がこれまで工夫してきたことを聞き取り、その家庭に合った関わり方や介助の方法を一緒に考えます。家族のほうが本人のことをよく知っている場面も多いため、一方的に教えるのではなく、話し合いながら続けやすい形を探していきます。使える介護サービスや相談先について、情報をお伝えすることもあります。
主治医やケアマネジャーとの連携
在宅での認知症ケアは、主治医、ケアマネジャー、訪問介護やデイサービスなど、多くの人が関わるチームで成り立っています。訪問看護は、治療や薬の方針を決める主治医と、生活全体の計画を立てるケアマネジャーの間で、自宅での様子を伝える役割を担います。
たとえば、薬が変わってから眠気やふらつきが増えた、食事量が落ちてきたといった情報を関係者と共有することで、主治医が治療を見直したり、ケアマネジャーがサービスを調整したりしやすくなります。なお、食事の準備や掃除などの生活援助、日常的な外出の付き添いは、主に訪問介護(ホームヘルパー)の役割です。訪問看護と訪問介護を組み合わせることで、医療と生活の両面から支えやすくなります。
訪問看護の費用と保険の考え方
認知症の方が訪問看護を利用する場合、どの保険が使われるかは、年齢や要介護認定の有無などによって変わります。一般的な考え方は次のとおりです。
| 本人の状況 | 主に使われる保険 |
|---|---|
| 要介護・要支援の認定を受けている | 介護保険 |
| 要介護認定を受けていない | 医療保険 |
| 病状が急に悪化し、主治医が特別訪問看護指示書を出した期間 | 医療保険 |
要介護認定を受けている方は、原則として介護保険の訪問看護になり、ケアプランに組み込んで利用します。自己負担は原則1割で、一定以上の所得がある方は2割または3割です。介護度ごとに決められた支給限度額の範囲で、ほかの介護サービスと組み合わせて使います。表の区分は保険の種類を示したもので、実際の支払額は所得や利用回数によって変わります。
介護保険の自己負担が高くなったときは、所得に応じて月の負担に上限を設ける「高額介護サービス費」の仕組みがあり、上限を超えた分はあとから払い戻されます。医療費と介護費の両方がかさむ世帯には、「高額医療・高額介護合算療養費制度」もあります。
急な体調の悪化などで主治医が特別訪問看護指示書を出した場合は、その期間(原則14日以内)に限って医療保険で訪問でき、介護保険の支給限度額を使わずに訪問回数を増やせます。なお、認知症とは別の精神疾患があり、精神科の医師から精神科訪問看護指示書が出ている場合は、医療保険になることがあります。
保険の使い分けや費用の見通しは、主治医・ケアマネジャー・訪問看護ステーションが整理してくれます。家族だけで判断しようとせず、気軽に相談してください。制度の内容や負担額は改定されることがあるため、2026年9月時点の情報として参考にし、最新の内容はお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。
認知症の家族の対応でシンプレ訪問看護ステーションができること

認知症の家族の対応に悩んだとき、自宅に来てくれる看護師がいることは、家族にとって大きな支えになります。シンプレ訪問看護ステーションでは、認知症の方の在宅生活を、本人と家族の両方に寄り添いながら支えています。
シンプレ訪問看護ステーションの特徴
シンプレ訪問看護ステーションでは、看護師・准看護師・作業療法士が自宅を訪問し、主治医の指示のもとで、体調の確認や服薬の見守り、暮らしの中での困りごとの相談に対応しています。認知症の方への訪問にも対応しており、介護保険の訪問看護として、ケアマネジャーのケアプランに沿って利用いただけます。
不安や混乱、怒りっぽさなど、こころの面の変化が目立つ場面では、本人のペースを大切にしながら落ち着いて過ごせる関わり方を家族と一緒に考えます。こころの不調を抱える方の支援に力を入れてきた経験を、認知症の方とご家族への関わりにも生かしています。
主治医やケアマネジャー、地域の介護サービスと連携しながら、一人ひとりの状態や家族の事情に合わせた支援を心がけています。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
- 東京23区
- 立川市
- 武蔵野市
- 三鷹市
- 府中市
- 昭島市
- 調布市
- 西東京市
- 小金井市
- 小平市
- 日野市
- 東村山市
- 国分寺市
- 国立市
- 福生市
- 狛江市
- 東大和市
- 清瀬市
- 東久留米市
- 武蔵村山市
- 多摩市
- 稲城市
- 和光市
- 朝霞市
- 志木市
- さいたま市
- 蕨市
- 川越市
- ふじみ野市
- 所沢市
- 川口市
- 戸田市
- 富士見市
- 新座市
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
訪問の頻度は、介護保険ではケアプランによって決まり、週1〜3回程度が目安です。体調が不安定な時期には、主治医の判断にもとづいて回数を増やせる場合があります。1回の訪問時間は30〜90分程度で、本人の状態や必要なケアに合わせて調整します。土曜・祝日の訪問についてもご相談いただけます。本人への支援に加えて、家族からの介護の悩みや今後の暮らしに関する相談もお受けしています。
※お受けできる内容は、時期・対応エリア・ご本人の状態によって異なり、医療的に重いケースなど一部対応できない場合もあります。まずはお問い合わせから対応可否をご確認ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
認知症の家族の対応を無理なく続けるためのまとめ

認知症の家族の対応は、気づいたとき、診断されたあと、日々の暮らしの中と、段階ごとにやるべきことが変わっていきます。気になる変化に気づいたら記録をとり、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談しましょう。診断を受けたら、要介護認定の申請や本人の希望の確認、お金の管理についての話し合いなど、話し合えるうちにできる準備を進めておくと安心です。
毎日の接し方では、否定せずに気持ちを受け止める、短くわかりやすく伝える、できることは任せるといった基本を意識してみてください。それでも、もの盗られ妄想や怒りっぽさ、夜間の不眠など、家族だけでは対応が難しい場面も訪れます。そのときは、主治医やケアマネジャー、家族会などの支えを遠慮なく頼ってください。
介護を長く続けるためには、支える家族自身が休むことも大切です。デイサービスやショートステイ、仕事と介護の両立制度などを上手に使い、一人で抱え込まない形をつくっていきましょう。
シンプレ訪問看護ステーションでは、認知症の方の体調や暮らしの様子を見守りながら、ご家族の悩みにも一緒に向き合っています。認知症の家族の対応に迷ったときは、どうぞお気軽にご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
※本記事は2026年9月時点の一般的な情報をまとめたものです。制度の内容や保険のあつかいは年度の改定・地域・ご本人の状態により異なる場合があります。また、シンプレ訪問看護ステーションがお受けできる内容は、時期・対応エリア・ご本人の状態によって異なり、医療的に重いケースなど一部対応できない場合もあります。ご利用を検討される際は、お問い合わせから対応可否をご確認ください。参考:厚生労働省「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」、厚生労働省「育児・介護休業法の概要」、訪問看護業務の手引、公益社団法人認知症の人と家族の会、若年性認知症コールセンター。最新・正確な内容は各窓口でご確認ください。