家族が精神疾患を発症したときの対応方法をチェック
家族が精神疾患を発症してしまったとき、どうしたらいいのか悩んでしまう方は多いでしょう。
対応によっては、精神疾患の悪化や取り返しがつかない事態につながる恐れもあるため適切な対応について知っておくことが大切です。
今回は、精神疾患が疑われる家族への適切な対応方法についてや精神疾患に関する相談先・医療機関の選び方などについて紹介していきます。
家族が精神疾患かも知れないと不安を抱えている方は、ぜひ最後までこの記事に目を通してみてくださいね。
家族が精神疾患かもしれないときの相談先は?
保健師・医師・精神保健福祉士が健康・福祉の相談に乗ってくれる
精神保健福祉センター
医師や看護師がこころの健康についての相談に乗ってくれる
いのちの電話
電話やSNSなどで匿名で受け悩みを聞いてくれる
今回は、精神面での不安に対して相談できる3つの施設をピックアップしています。それぞれの施設では、専門知識を持つ相談員が利用者の相談を請け負います。
保健所・保健センターと精神保健福祉センターは、各地域や都道府県に1つは必ずある施設です。
地域の状態を良く理解しているので、地域の公的サービスなどと連携をとりながらサポートを行ってくれます。
いのちの電話は、電話やSNSなどで相談ができる窓口です。費用は無料で、相談の際に名前を名乗る必要もありません。
家族の精神疾患に関する相談で伝えるべきことは?
本人の生活状況や既往歴
患者本人の生活状況や既往歴は必ず聞かれるので、できる範囲で構いませんがまとめておいてください。
生活状況とは1日の生活パターンなどです。食事や睡眠の状況や、ギャンブルやお酒などの依存症の有無。また、幻覚などの症状が出ていないかなどです。
既往歴はこれまでかかった病気や怪我、現在服薬している薬の種類などになります。特に精神科への入退院の事実があれば、時期や診断名も必要です。
精神障碍者福祉手帳や療育手帳を持っている方は、等級なども確認しておくとよいでしょう。
精神疾患を疑う症状や状況
なぜ、精神疾患を疑っているのか、疑ってしまった状況や本人の言動は具体的にまとめておきましょう。
言葉にすることが難しければ、写真や動画がとても有効です。相談員や医師も、実際に目で確認することで正確に現状を把握することができます。
可能であれば、日付も記録しておいてください。時系列や時間を知ることができれば、一日のどの時間帯に症状が出るなど、パターンを見つけることも可能です。
どんな助けを求めているのか
相談員も相談者の「助けてほしい」という気持ちはわかっても、具体的にどのようなサポートを受けたいのかを伝えてもらわないと適切なサポートを行うことはできません。
困っていること、してほしいサポート、将来の事、緊急性の有無など、相談者の話し方次第で得られる支援には違いが出てきます。
できるだけ冷静に道筋を立てて話すことが大切です。特に、公的機関だと早急に対応することが難しい場合もあるので、時間的に余裕をもって相談に行かれることをおすすめします。
精神疾患を扱っている診療科をチェック
精神科
診療科 | 精神科 |
---|---|
扱っている 症状 |
・気持ちが落ち込む ・意欲が出ないなど |
治療対象 となる病名 |
・うつ病 ・双極性障害 ・パニック障害など |
精神科が専門に扱うのは、心の症状のある疾患の治療です。上記のような精神症状が現れた場合には、まず精神科を受診するとよいでしょう。
症状の種類によっては、より適切な医療機関を紹介することもあります。精神疾患に限らず、病気は早期に治療を受けることが重要です。
どの診療科に受診すべきか迷った場合でも、受診が遅れることはデメリットとなります。症状が軽度の段階であっても、精神科または次に説明する心療内科を受診することをお勧めします。
心療内科
診療科 | 心療内科 |
---|---|
扱っている 症状 |
・検査を受けて身体の異常のない方 ・身体と心どちらの不調か わからない方 |
治療対象 となる病名 |
心身症など |
心療内科は、心の負担が身体の内側に生じた際に受診します。ストレスからの摂食障害や緊張性頭痛などが主な症状です。
日本において、診療科と心療内科の役割は明確に分かれていません。診療科での摂食障害の治療や、心療内科でのうつ病の治療は珍しく無いのが現状です。
そのため、自宅からの距離や医師の人柄など、通いやすい方に通院してください。特に心の病は、医師の信頼関係が大切になります。
いくつか医療機関を受診して自分に合う医師を探してみるのもおすすめです。
神経内科
診療科 | 神経内科 |
---|---|
扱っている 症状 |
・もの忘れ ・手足が動かないなど |
治療対象 となる病名 |
・認知症 ・パーキンソン病 |
神経内科では、脳内の中枢神経や末梢神経に生じた症状の治療を専門に扱います。脳以外にも筋肉や脊髄(せきずい)などの異常で、体を上手く動かせない時にかかる診療科です。
身体が震える、上手く物が掴めないなどの症状が表れた時に受診するとよいでしょう。脳腫瘍など手術が必要な場合には、脳神経外科が対応します。
精神療法や外科処置は精神科や他の専門分野(例えば、心療内科や外科)で提供されることが一般的です。それぞれの疾患や症状に応じて、適切な医療機関や専門医を受診することが重要です。
家族から本人に受診を説得するためのポイント
受診の必要性を繰り返し伝える
家族が治療を受ける本人の味方であり続けることが重要です。継続的な支援を通じて、受診や治療のスムーズな進行を促すことができます。
曖昧な表現では、受診の必要性が伝わらない場合があり、言葉の選び方が重要です。具体的な病名を避けて、症状や心配事などお気持ちを伝えることが良いでしょう。
受診の必要性を繰り返し、忍耐強く明確に伝えることがポイントです。また、初めての受診時には、本人に付き添ってあげることが望ましいです。
本人の訴えに耳を傾ける
本人が不安を抱えていることを理解し、もし受診したくない理由がある場合は、それをきちんと聞いてあげましょう。
パニック状態になり、上手く自分の気持ちを伝えることができない場合もあります。
そのような時は無理に聞き出すことなく、うなずきながら相手の言葉を繰り返すことで話しやすい環境が作られます。
もしご家族自身も興奮してしまった場合は、焦らず一度距離を置き、話し合いの環境を整えることが大切です。
心配していることを誠実に伝える
家族は患者本人が大切な事、心配していることは言葉にして伝えてあげてください。「病院に行こう」だけでは、本人の気持ちを前向きに変えることは難しいでしょう。
「あなたのことを心配している」「あなたのことが心配だから、病院に行ってほしい」と伝えるだけで、家族の気持ちが自分に向いていることを確認することができます。
本人が苦しさや症状について話してくれるのならば、決して否定せず気持ちに寄り添うことが大切です。
精神疾患のある家族と接する際の注意点
正常な部分と病気の部分を区別する
精神疾患は、ご家族にとっても大変な病気です。しかし、ご家族が病気を理解し、サポートすることで、本人の回復の大きな助けとなります。
第一に、ご家族が病気について学び、病気によってできないこともあるけれど、本人の正常な部分も大きく残っていることを理解することが大切です。
身体的な病気や怪我と違い、精神疾患は分けて考えることが難しい病気です。それでも、精神疾患はその人のほんの一部分を侵しているだけにすぎません。
病気に侵されている部分と正常部分をしっかりと区切ることで、過干渉になることなく必要な部分をサポートをすることができるようになるでしょう。
本人の生活のしづらさを理解する
精神疾患は、身体の病気とは違って、外から見てわかりにくい病気です。たとえば、骨折した人は歩くのが大変ですが、精神疾患の人は、外から見て歩くのに問題がなくても、心の中では大変な思いをしていることがあります。
精神疾患の人は、病気だから○○がしにくいのだという理解が必要です。たとえば、うつ病の人は、気分が落ち込んだり、やる気が出なかったりします。
そのため、家事や仕事が大変に感じることがあります。家族や周囲は、病気だから家事や仕事が大変なんだと理解して、サポートしてあげることが大切です。
本人ができることは自分でできるようサポートする
病気の治療には、家族や周囲のサポートも大切ですが、自分でできることは自分ですることも大切です。
特に家族は、本人を大切に思いすぎて過保護になりがちです。本人ができることにも手を差し伸べてしまうと、本人の意欲の低下を招きます。
小さなことでも自分でやってみると、気分が良くなったり、やる気が出たりすることがあり自立への第一歩にもなります。
ご家族や周囲の方は、本人ができることには手を出さず、見守ってあげることが大切です。本人ができることが増えていけば、社会復帰への道も早くなるでしょう。
精神科訪問看護を利用するという選択肢も
精神科訪問看護とは?
・精神科・心療内科に通院中の方
・精神疾患の診断を受けた方
・診断がなくとも医師が必要と判断した方
訪問する人
・看護の専門職
・リハビリテーションの専門職
訪問時間
・医療保険
(30分から90分程度)
精神科訪問看護とは、精神疾患を患っている方を専門に扱う訪問看護です。訪問するスタッフは、専門知識を持つ医療従事者になります。
より安定した日常生活を送れるようにサポートを行うと同時に、社会生活への復帰に向けて多方面の関連機関と連携を図り対応してくれます。
精神疾患の治療は、重篤にならない限り基本的には在宅です。定期的に外部からサポートや指導を受け、地域で孤立することなく治療を続けることができます。
精神科訪問看護のサポート内容
- 症状のコントロールや治療の相談
- 日常生活の援助
- 対人面の相談
- 気分転換の援助・健康管理
- 服薬管理状況確認、援助
- 家族の悩みや不安の解消
- 社会資源の活用援助
精神科訪問看護のサポート内容は多岐に渡ります。日常生活の補助から服薬管理、本人だけでなく家族の相談を請け負うことも可能です。
このサポート内容は、医師の診察のもと指示がなされます。ただし、訪問看護で大切なことは、症状や目的に合った適切なサポートを行うことです。
サポート内容が合わないと感じた時などは、スタッフや主治医に相談してみてください。適切なサポートを行うには、本人や家族の希望を明確にし良く話し合うことが大切です。
精神科訪問看護ならシンプレ
シンプレ訪問看護ステーションとは?
シンプレは、精神疾患に特化した訪問看護サービスを提供しており、自宅で看護を受けることができるので、外出が難しい方でも自宅でリラックスしながらサービスを受けることができます。
日常生活の介助や心のケアだけではなく、服薬の管理や、ご相談があればご家族様へのサポートなども行っています。
シンプレは訪問看護サービスを通して利用者様の不安を受け止め、治療への頑張りを一緒に共有し、心から安心できる居場所づくりをお手伝いします。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの訪問エリアは、上記中心に行っています。
訪問対応エリアを順次拡大しています。上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、お気軽にお問い合わせください。
年齢に関わらずご利用することが可能です。サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。
シンプレ看護ステーションでは、メールや電話で相談を受け付けています。訪問看護の開始は、主治医から訪問看護の指示書を受け取り、面談でサポート内容を説明した後からとなります。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
感情の起伏が激しい・眠れていない・落ち込みやすいなど、家族の異変に気づいたら早めに保健センターなど公的機関に相談してみてください。
患者の状況に応じた専門の医療機関を紹介することができます。精神疾患でも、自宅での治療に不安がある場合には訪問看護サービスを受けることが可能です。
シンプレは、精神疾患に特化した訪問看護ステーションです。専門知識を持つスタッフが、生活の補助から社会生活への復帰まで多方面のサポートを行います。
訪問看護のサービスについて聞いてみたい、どこに相談をしたらいいかわからなくて困っていた、などございましたらわたくしどもにお気軽にお問い合わせください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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