訪問看護の際に出される「特別指示書」について解説
特別指示書とは、主治医から出される訪問看護の指示書のうち、週に4日以上訪問看護を利用できる指示書のことです。
今回この記事では、指示書のことが分からないというかたのために、指示書の説明をしていきます。
指示書の種類とそれぞれの違いや、訪問看護の料金についても解説しているので、訪問看護を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
特別指示書について紹介
特別訪問看護指示書ってなに?
- 急激な容態悪化など、頻繁な訪問看護が必要な場合に交付
- 医師の判断に基づき交付
- 緊急時用のため、適用期間や交付回数は厳密に定められている
特別訪問看護指示書とは、患者さんの状態が急激に悪化した時など、頻繁に訪問看護が必要になった場合に交付される指示書です。主治医が診察をもとに判断し、交付します。
緊急時に交付される指示書のため、通常の指示書と違い適用期間や交付回数は厳密に定められています。
詳しい期間や、特別訪問看護指示書が交付される条件などは、次の項目で詳しく解説していくので参考にしてください。
期間はどれくらい?
- 基本的に月1回・最長14日間
- 週に4日以上の訪問が可能(通常は週3日間以内)
通常の訪問看護指示書の期間が最長6カ月に対して、特別訪問看護指示書は最長14日間です。通常の訪問看護指示書と比べるととても短い期間であることが分かります。
適用される期間とともに大きな違いがあるのは、訪問日数です。通常であれば週3日間以内の訪問ですが、特別訪問看護指示書が交付されると週に4日以上の訪問ができます。
どんなときに出されるもの?
・医師が診察を行い
頻繁な訪問が必要と判断した患者さん
具体的には以下のような方が該当
・急激に容態悪化した患者さん
・末期のガンなど終末期の患者さん
・退院直後で自宅での療養が安定するまで
毎日の確認が必要な患者さん
月2回の交付が可能な患者さん
・気管カニューレを使用している方
・真皮を超える褥瘡(じょくそう)がある方
医師が診察を行い、頻繁な訪問が必要な状態と判断すると交付されます。
多くは急激に容態悪化した患者さんや、末期のガンなど終末期の患者さんが適用されます。もしくは、退院直後で自宅での療養が安定するまで、毎日の確認が必要な患者さんです。
気管カニューレを使用している・真皮を超える褥瘡(じょくそう)、どちらかの状態にあてはまる方は月2回の交付が可能です。
指示書と特別指示書の違いをチェック
指示書ってなに?
訪問看護における指示書とは、医師が診療の結果をもとに訪問看護で行う処置・サポート内容について記したものです。
訪問看護を行う看護師などの医療従事者は、この訪問看護指示書の内容に沿ったサポートを行います。複数の看護施設を使用する場合は、それぞれの施設に交付される仕組みです。
基本的には主治医が作成しますが、複数の医師が診療にあたっている場合があります。同一診療所で同じ診療科であれば、いずれかの医師が作成し交付することが可能です。
指示書と特別指示書の違い
訪問看護指示書は、通常交付される指示書でサポートの基本となります。特別訪問看護指示書は、指示書が交付されていないと交付することはできません。
訪問看護を受けていることを大前提として、緊急時に交付されるのが特別訪問看護指示書です。適用期間も、1~6カ月の指示書と比べると最長14日間と短く設定されています。
特別訪問看護指示書に関しては条件付きで月2回までの交付が可能です。
訪問看護ってどんなことをするの?
- 血圧・脈拍・体温などのチェック
- 食事・排泄・入浴などの介助や指導
- 医師の指示による医療措置
- 薬の相談・指導や残薬確認
- ご家族等への介護支援・相談
- 症状緩和やターミナルケア
訪問看護とは、在宅で療養している方のサポートを行うサービスです。訪問するスタッフは看護師などの医療従事者のため、医師の指示書に基づいた医療行為を行うことができます。
訪問看護が行うサポートは、生活の補助から服薬の介助、各専門機関との連携まで幅広いことが特徴的です。
利用者さんの年齢や病状にもよりますが、日常生活の自立や社会復帰が1つの目標です。高齢の方や病状が末期の方には、利用者さんが穏やかに自分らしい日々を過ごせるよう、サポートする役割を担っています。
精神科訪問看護ってどんなことをするの?
- 日常生活の維持
- 生活技能の獲得・拡大
- 対人関係の維持・構築
- 家族関係の調整
- 精神症状の悪化や増悪を防ぐ
- ケアの連携
- 社会資源の活用
- 対象者のエンパワーメント
精神科訪問看護とは、精神科に特化した訪問看護です。うつ病や統合失調症や、アルコール依存症などの依存症に対してのサポートを行います。
基本的なサポート内容は、一般的な訪問看護と同じです。しかし、精神科訪問看護は対人・家族との関係修復やコミュニケーション能力の向上などに重きを置いたサポートを行います。
精神疾患をお持ちの方は、さまざまな精神症状を抱えており、他者とのコミュニケーションが難しくなります。
訪問看護のスタッフは、地域の関連施設と連携を図りながら患者さんやご家族が孤立しないよう、橋渡し的なサポートも行います。
主にどんな疾患の方が利用するの?
統合失調症
統合失調症
症状
・妄想
・幻覚
・認知障害
治療法
・薬物療法
・精神療法など
精神疾患の中でも、よく聞く病気の1つが統合失調症です。現在では、およそ100人に1人の割合で発病している頻度の高い病気となっています。
主な症状と治療方法は表にまとめている通りです。統合失調症は、早期に治療を開始することで、症状を改善し、社会復帰を目指していくことが出来ます。
しかし、統合失調症は再発しやすい病気です。医師のアドバイスを受けながら再発防止に力を入れることが重要です。
うつ病・双極性障害
うつ病
症状
・抑うつ状態
・自尊心が低下する
・絶望感
治療法
・薬物療法
・精神療法
・看護支援
・心理的治療
気分の落ち込みが長期間続くのが「うつ病」です。うつ病の原因はさまざまで、ストレスや脳の問題から起こることもあります。
死にたくなってしまったり、実際に自殺未遂を起こしてしまうこともあるので早期発見・早期治療が大事な疾患です。
治療法についてですが、うつ病の場合は軽度であればカウンセリングや心理的治療で改善することがあります。重度のうつ病では、抗うつ薬が併用されることがあります。
アルコール依存症
アルコール依存症
症状
・飲酒のコントロールができなくなる
・お酒が抜けるとイライラする
・不安感・抑うつ など
治療法
・入院治療
・薬物療法
・リハビリテーション
アルコール依存症は、アルコールに依存する状態です。依存症になると、アルコールを摂取しないと身体や精神が不調になり、やめられなくなります
アルコール依存症には、現在特効薬はありません。そのため、入院して適切な処置を行うことが一般的です。
アルコール依存症の治療では、まず解毒治療を行い、解毒治療では、アルコールを体から排出し、身体の負担を軽減します。
その後、リハビリ療法を行います。リハビリ療法では、生活習慣を改善し、再発を防止するためのスキルを身につけます。退院後もアフターケアを受けることが重要です。
PTSD
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
症状
・フラッシュバック、悪夢、侵入的な思考
・トラウマの回避、感情の麻痺、無関心
・覚醒・亢進症状:集中力の困難、睡眠障害
治療法
・曝露療法(トラウマ記憶に段階的に向き合い、不安や恐怖を克服する)
・認知行動療法(トラウマ体験に対する考え方を変える)
・EMDR(トラウマ記憶を処理し、苦痛を和らげる)
・薬物療法(抗うつ薬、抗不安薬など)
PTSDは、戦争、災害、暴力、事故など、強い恐怖やショックを感じる出来事を経験した後、発症する精神疾患です。
主な症状は、トラウマ体験を繰り返し思い出すフラッシュバックや悪夢、トラウマ関連の刺激を避ける行動、感情の麻痺、睡眠障害などです。
こういった症状は、日常生活や人間関係に大きな支障をきたします。
治療には、曝露療法、認知処理療法、EMDR、薬物療法などがあります。発症から時間が経過しても症状が続く場合があり、早期発見・早期治療が重要です。
精神科訪問看護の利用料金をチェック
基本料金はこちら
負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
---|---|---|
3割負担 | 3,897円 | 2,565円 |
2割負担 | 2,598円 | 1,710円 |
1割負担 | 1,299円 | 855円 |
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
精神科訪問看護では、医療保険を利用することにより自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用可能。かかった費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、長時間の訪問を行う場合は別途料金が発生します。
また自立支援医療制度いう制度を利用すると料金が1割負担になるほか、所得に応じて自己負担が0円になる場合もございます。
訪問看護で適応される医療保険
時間 | 30分 未満 |
30分以上 60分未満 |
---|---|---|
1割負担 |
467円 | 816円 |
2割負担 |
934円 | 1,632円 |
3割負担 |
1,401円 | 2,448円 |
訪問看護が高額で戸惑われた方もいるかもしれませんが、安心してください。訪問看護には医療保険が適用されます。請求される金額は、訪問看護利用料の1~3割です。
訪問看護は、医療保険が適用されるため、利用料の一部が自己負担となります。負担の割合は、年齢で決まっており、義務教育前の6歳未満が2割負担で、6~70歳未満の現役世代が3割負担です。
70~74歳までが2割負担、75歳以上が1割負担になります。ただし、70歳以上の方で、現役並みに所得があると判断された方は、3割負担となります。
精神訪問看護なら当ステーションにお任せください!
シンプレ訪問看護ステーションって?
シンプレ訪問看護ステーションでは、精神疾患に特化した訪問看護を行うステーションです。つ病や摂食障害など、幅広い疾患を対象としています。
精神科勤務経験のあるスタッフが在籍し、病気と付き合いながら自分らしい生活ができるように、自主性を尊重した看護サービスを提供しています。
また、病院、行政、在宅との情報共有を行い、それぞれの専門性を活かしながら治療や社会復帰のサポートができるのも特徴です。
シンプレが大切にしているのは、利用者の主体性です。利用者が希望する未来のために、ともに考え必要な支援を行います。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
訪問看護は、特別訪問看護指示書が交付されるのは容態が急に悪化した緊急時や退院直後の落ち着くまで訪問の頻度が必要と判断された場合のみです。
特別訪問看護指示書が交付されると、週4日以上の訪問が可能となります。病気を抱えながら自宅で療養する方には、欠かせない制度です。
シンプレ訪問看護ステーションでは状況に応じて特別訪問看護指示書をかかりつけ医師と連携して発行して、毎日訪問を行うこともあります。
精神疾患でお悩みの方は当ステーションへご相談ください!
ご相談の問い合わせはこちら▼
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