境界性パーソナリティー障害の症状って?詳しい特徴や原因について解説。
境界性パーソナリティー障害の症状は様々ですが、特に相手から見捨てられることに対して極端に耐えられないという特徴があります。
孤独を恐れるあまり、自分は大事にされていない、見捨てられたのでは?と感じると怒りや不安の感情が強くなりコントロールできなくなくなります。
本人は苦しい思いを抱えたりと日常生活にも影響が出てしまう障害です。
境界性パーソナリティー障害の5つの症状
境界性パーソナリティー障害の症状には、どのようなものがあるのか以下に整理します。
対人関係
- 見捨てられる事に極端に敏感
- 怒りなどの相手の表情に敏感
境界性パーソナリティー障害の特徴として、対人関係の受け止めがあります。他の人と、結びつきを持ちたいという欲求が強いことが特徴です。
見捨てられ不安が強く、人間関係での見捨てられるという感じ方が強い傾向を持っています。しかし、実際には親などに見捨てられていないケースが多いと言われます。
こういった他人への期待感の強さや不安から、思い通りにならないと怒りを爆発させるといった特徴もあります。
また、相手への興味関心が強く、相手の表情の変化や感情を敏感に察知するといった特徴もあります。
強い自己否定感
- 物事を両極端に考えてしまいがち
- 自己否定感が根底にある
境界性パーソナリティー障害の方は、自分についてのイメージが否定的という特徴があります。自己についてのイメージが不安定な場合が多いです。
そのため、なにかストレスがかかると自分自身を責めたり、罪悪感を感じることが多くなります。
「良いか、悪いか」といった両極端な印象で自分をとらえたり、物事をとらえる傾向もあります。人に対しても、好き嫌いが激しい様子になりがちです。
感情が両極端な二つに分けられるような状態のまま成長がされてない、幼い状態のままであることが原因と考えられています。
衝動的な行動
- 自己を傷つける行為
- アルコールや薬物などの大量服薬
見捨てられ不安や否定的な自己イメージがあり、もともと感情的に不安定です。さらに、ストレスがかかると、感情が不安定になります。
このような時に、衝動的な行動をする傾向があります。具体的には、自分の体に傷をつけるような行動を繰り返すことがあるようです。
こういった衝動的な行動が、少なくとも2つ以上の領域にわたりあることが診断基準となっています。
感情が不安定
- 感情が不安定で気分の波が激しい
- 冷静になった後恥ずかしさ等から自分を責める
強い見捨てられ不安や両極端な考えが強いことで不安定な気持ちなどが強くあります。そのため、感情が不安定で気分の波が激しい状況になりやすいです。
激しい気分の波によって、衝動的な行動をとってしまうことがあります。そして、そのような行動にいたった自分を責める気持ちになることがあります。
自分を責めたり、恥ずかしく思ったりといった心理状態になります。
その他の症状
- 強いストレスから記憶が一時的になくなる
- 現実感が感じられなくなる
自分自身に価値がないとか、見捨てられたという感じを強く持つなどの強いストレスがかかることをきっかけに、他の精神疾患でおきるような幻覚や妄想といった症状が出現する場合があります。
患者さん本人は現実に生きているという感じが持ちにくく、思考や感情が身体と連動しないような状況になります。そのような状態のことを、解離といいます。
このような幻覚や妄想を信じ込んでしまう形で、激しい行動に出てしまうこともあり注意が必要です。
境界性パーソナリティー障害の原因
環境的要因
幼少期に児童虐待の被害にあった人の中に、境界性パーソナリティー障害を持つ方がいるようです。逆に、過保護や過干渉な環境で育つと発症しやすいと言われています。
これらの養育環境の共通点は、親の影響の強さです。親の行動や教育方針の影響を強く受けすぎて、子ども自身が自立しない状況になります。
また、親との離別なども境界性パーソナリティー障害の原因と考えられています。
こういった環境にある人がすべて境界性パーソナリティー障害になるわけではなく、過大なストレスなどがあった際に発病するとされています。
遺伝的要因
境界性パーソナリティー障害の原因には、遺伝的要因もあります。家族で何人もこの障害を持つ方がいるということもあります。
特に両親のどちらかが、境界性パーソナリティー障害である場合には、そうでない場合に比べ、発症する可能性が約5倍と高くなります。
こういった家族背景を持っている方は、境界性パーソナリティー障害以外の精神疾患の合併のリスクも高まります。
ストレスに対応する力やストレスに対する強さなども遺伝的な理由もあると考えられています。
境界性パーソナリティー障害を持つ方への関わり方
境界性パーソナリティー障害を持つ方に関わる際には、患者さんの感情や行動が不安定になることを理解し、それに惑わされないようにすることが大切です。
激しい感情や言動をされても、患者さんが困っていることや伝えたいことを理解しようと、冷静に向き合っていくことが大切です。
患者さんの感情や行動に振り回されないようにすることで、患者さんへのサポートを継続することができるのです。
患者さんを支え、関わる際には、適度な距離感を保つことが、回復への支援になります。
境界性パーソナリティー障害かもと感じたら
境界性パーソナリティー障害でつらい状態のときには、相談窓口や精神科への受診を検討するとよいでしょう。
専門窓口(電話・SNS相談窓口)
・よりそいホットライン
・こころの健康相談ダイヤル
LINE相談窓口
・こころのほっとチャット
・生きづらびっと
チャット相談窓口
・あなたのいばしょチャット相談
・こころのほっとチャット
境界性パーソナリティー障害の症状があり、辛い場合や話を聞いてもらいたいときに利用できる相談窓口があります。
終日どんなときでも利用できるサービスもあります。電話相談では、専門的な方に話を聞いてもらうことができます。
電話以外のチャットなどでも相談が可能です。患者さんの必要な時に、利用できる点が辛いときにどこの場所からでも相談できます。
利用してみることで、つらさが軽くなる場合もあります。利用してみて、ご自身の治療に役立てるとよいでしょう。
精神科医師に相談
精神科医へ相談することも、とても大切です。境界性パーソナリティー障害があり、良くなりたいと思う方は、精神科の医師に相談することで、つらさや病状の回復につながります。
境界性パーソナリティー障害の治療を専門としているクリニックもあります。そういったクリニックでは、精神療法を実施しているところもあります。
境界性パーソナリティー障害の症状で、自分を傷つける行動などが辞められない場合などは、入院治療になる場合もあります。
精神科訪問看護という選択肢も
精神科訪問看護とは
サービス名 | 精神科訪問看護 |
---|---|
職種 |
・看護師 ・准看護師 ・作業療法士 |
訪問日数 |
原則週3日以内 (※例外もあります。) |
精神科訪問看護を看護とは、精神科の知識や経験のある看護師などがお宅を訪問して看護やリハビリテーションを提供するサービスです。
精神科訪問看護は、精神科医の指示のもと行われます。バイタルサインなどの状態観察や日常生活のなかでのリハビリテーションをします。
症状や生活の中での困りごとについての相談にのることもできます。服薬についての相談や支援も可能です。
精神科訪問看護は、自立支援医療の対象になるサービスです。
精神科訪問看護のメリット
- 自宅に居ながら専門的なケアが受けられる
- 自宅での様子を主治医に連携できる
- 家族の負担が軽減できる
精神科訪問看護をサービスとしてうけることのメリットとしては、住み慣れた生活の中で、精神科の専門的なケアがうけられることです。
自宅でのご様子を看護師などがうかがい、医師や他職種の支援者との連絡や連携を図ります。症状が悪化して、入院にならないようにお手伝いします。
訪問の際には、ご家族の相談にのることも可能です。ご家族の心理的負担の軽減にも役立ちます。
住み慣れたご自宅で、利用者さんごとにある治療の目標や生活上の希望に添うかたちで看護師などのサポートを個別的に受けることができます。
精神科訪問看護の料金
負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
---|---|---|
3割負担 | 3,897円 | 2,565円 |
2割負担 | 2,598円 | 1,710円 |
1割負担 | 1,299円 | 855円 |
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
精神科訪問看護では、医療保険を利用することにより自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用可能。かかった費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、長時間の訪問を行う場合は別途料金が発生します。
また自立支援医療制度いう制度を利用すると料金が1割負担になるほか、所得に応じて自己負担が0円になる場合もございます。
治療法
境界性パーソナリティー障害の治療に対する、精神療法と薬物療法について整理します。
精神療法
弁証法的行動療法
弁証法的行動療法は、認知行動療法のひとつです。特に、境界性パーソナリティー障害の治療に効果があるとされています。
激しく不安定な感情があった時に、どのような行動をするかということなどに焦点をあてる治療です。
メンタライゼーション
メンタライゼーションは、自分や身の回りの行動がどのような気持ちや背景から生じているのかという点に注目して分析する心理療法です。
人間関係や出来事を題材にして、自分自身の気持ちをとらえなおし、行動についても考える練習が行われます。
スキーマ療法
スキーマ療法は、認知行動療法やカウンセリングなどと、組み合わせて行われる心理療法です。
自分の根底にある考え方の特徴などを、把握し認識することから始まります。個人や集団の両方で可能な治療方法です。
薬物療法
薬物療法は、精神療法と並行して行われることで治療効果があります。境界性パーソナリティー障害に対する、特効薬はありません。
薬物療法のみで、回復するといったことは難しいのが、境界性パーソナリティー障害です。
境界性パーソナリティー障害に伴う症状に対して、つらさを和らげるような薬が処方されます。強い不安などの感情や気分変動のときには、抗不安薬などの安定剤が使用されます。
非定型抗精神病薬や抗うつ薬という薬が使用されることがあります。
併存しやすい疾患
- パニック障害
- 大うつ病
- PTSD
- 物質使用性障害
- 双極性障害
- 摂食障害
境界性パーソナリティー障害に併存しやすい疾患には、さまざまな精神疾患があります。否定的な自己イメージが強いことから、うつ病などの気分障害を発症する方が多い傾向にあります。
また、境界性パーソナリティー障害の原因として、子どもの頃に虐待を受けた方は、PTSDを併せ持つ場合があります。
自己破壊的な行動が強く現れる場合には、摂食障害といった行動につながります。破壊的な行動が周囲に向く場合には、喧嘩などのトラブルがおき、生活に支障がでます。
内服薬やアルコールといった薬物への依存なども併存しやすい疾患といえます。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
シンプレの特徴
シンプレ訪問看護ステーションは、精神科疾患に特化した訪問看護ステーションです。精神科の知識や経験のある看護師などがお宅へ訪問して、支援しています。
シンプレ訪問看護ステーションは、利用者さんの自主性を尊重することを理念としています。自主性を尊重した、訪問看護を実施しています。
社内でもバックオフィスのサポートを充実させることで、訪問看護を支えています。
地域で暮らす利用者さんの生活がよりよくなるように、地域の医療機関や行政と連携し、各方面への調整も行います。
シンプレで対象となる精神疾患
不安障害
・些細なことに不安や恐怖を感じ日常生活に支障がでる
・イライラや恐怖で夜よく眠れない
うつ病
・気分の落ち込みや意欲の低下
・体のだるさや痛み
統合失調症
・幻覚や妄想という症状が特徴的
・生活に支障をきたしてしまう
その他精神疾患
シンプレ訪問看護ステーションでは、境界性パーソナリティー障害の方の訪問看護も対応可能です。
境界性パーソナリティー障害によって日常生活に支障がある方の相談を受けることができます。地域社会で安心して暮らせるお手伝いをしています。
境界性パーソナリティー障害以外の精神疾患にも対応しています。依存症や気分障害を合併している方のサポートもすることができます。
それぞれの利用者さんの自主性を大切にして、治療目標を確認しながら訪問看護を提供します。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
今回は、境界性パーソナリティー障害の症状について詳しく解説しました。境界性パーソナリティー障害の症状は、患者さん自身だけでなく、周りの人も辛くなってしまうものです。
境界性パーソナリティー障害の症状について、性格だからとあきらめてしまわずに、専門的な治療をうけることで回復することができます。
境界性パーソナリティー障害の症状を改善したい方は早期に治療を開始することをおすすめします。わたしたちシンプレ訪問看護ステーションにも、ぜひご相談ください。
あきらめずに、日々の生活を少しでもより良くするお手伝いをさせていただければ幸いです。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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