【摂食障害の症状】過食・拒食の原因やなりやすい人について解説

摂食障害の主な症状は際限なく食べ続けてしまう「過食症」と食べることを拒む「拒食症」の二つがあります。
今回この記事では、症状の解説や、原因やサイン、かかりやすい人の特徴についてまとめました。
心当たりのある方、症状に苦しんでいる方はひとりで抱え込まず、まずは相談をしてみることが大切です。
摂食障害の症状は大きく二つに分けられる
神経性無食欲症(拒食症)の症状
まずは、拒食症の症状についてご紹介します。
身体的
- 体重減少
- 無月経
- 血液検査で異常が見られる
拒食症の場合は、体重が増えることをおそれ、食べることを限りなく少なくし、低い体重を維持しようとする病気です。
拒食症には上記の様な身体的な症状があり、脳内・卵巣などからのホルモンが抑制され、無月経や血液の異常がみられるようになります。
精神的
拒食症の人は、自身の身体について違う感じ方を持っており、他の人から見れば痩せてすぎていても、自分では太っているとおもってしまいます。
お尻が大きすぎる、お腹が出ている、太ももが太っていると感じ、身体にコンプレックスや悩みをかかえています。
神経性大食症(過食症)の症状
続いて、過食症の症状についてご紹介します。
身体的
- 吐きダコ
- 虫歯
- 無月経
過食症の方は、食事を摂取したあとに食べ過ぎの埋め合わせをしようとして、意図的に嘔吐したりします。また、下剤や無謀なダイエット、絶食をするなど、極端な行動をとることがあります。
意図的に嘔吐をすることで、手の甲に吐きダコができたり、胃酸により歯のエナメル質が少なくなり虫歯になることが多いです。
精神的
過食症の方は、単なる食べ過ぎとは違い、ハッキリとした過食の始まりと終わりが明白です。一度過食状態になると、まるで人が変わったように食べ始め、自分の意志ではやめることがむずかしいです。
また、もともと痩せたい気持ちがあるため、食事後はパニックになり嘔吐することで辻褄あわせをしようとしてしまいます。
そのほか特定不能の摂食障害
摂食障害の他に、似た症状として「排出障害」などがあり、「特定不能の摂食障害」という食事に問題があるカテゴリーとして区分されます。
排出障害には、噛み吐き(チューイング)といわれる行為があり、食事の後すぐに固定物を吐き出し、咀嚼だけをして胃の中に食事が入ることがありません。
チューイング(噛み吐き行為)は、体重の増加を回避する行動がみられるため、拒食症・過食症と診断されやすいのも特徴です。
こんな人が摂食障害になりやすい
摂食障害は、とくに若い女性がなりやすいのが特徴です。
無理なダイエット以外にも、両親の別居・離婚による家庭環境のストレス、職場や学校での人間関係によるストレスなど、日常生活で感じる強いストレスが原因ともいわれています。
例えば、会社から業績を上げろと責め立てられたり、受験からのプレッシャーなどきっかけとなるものはさまざまです。
一般的に、ストレスをうまく解消できない人・完璧主義で自分自身を追い込む人・自己評価が低く自信がない人などが、摂食障害になりやすいといわれています。
摂食障害の原因と患者数
原因
上記でもご紹介したように、摂食障害の主な原因は環境・人間関係からくる強いストレスがあります。
また、ご本人の性格から「自分が甘えているから?」「なかなか人に相談できない」「ただの大食い?」などと考え、すぐに受診しないのも特徴のひとつであり、症状が悪化してから受診するのがほとんどです。
摂食障害は早期の治療が大切ですが、上記のように無理に我慢してしまうことがあるため、長期的な治療が必要なケースが多くあります。
摂食障害の前兆サイン
急激に体重が減少したり、過度な体重の増減を繰り返したり、食事にたいしてこだわりの強い行動がみられる場合は、摂食障害の前兆サインです。
また他人からみて、何度もトイレにいくようになる、トイレや風呂で嘔吐物の臭いがするなど分かったら要注意。
摂食障害・過食障害は、生命の危機と隣り合わせにある病気であり、万が一上記の様な前兆に気づいたら、心療内科や精神科、小児科に相談するのをおすすめします。
摂食障害の患者数
摂食障害、いわゆる拒食症・過食症は、多くは若い女性がかかる病気であり、国内の患者数は約22万人と推定されています。
とくに14歳から18歳に起きやすい症状で、女性の発症率は男性の約10〜20倍にものぼります。
また死亡率が約5%と報告されており、精神疾患の中ではとくに高い数値であり、摂食障害の対する専門性の高い病院・施設がかぎられていることが背景にあります。
摂食障害の方がかかりやすい二次障害
不安障害
- 些細なことに不安や恐怖を感じ日常生活に支障がでる
- イライラや恐怖で夜よく眠れない
摂食障害の方は、他の精神疾患を併発することがあり、不安障害を併発しやすい病気のひとつです。
不安障害は、人前で極度の緊張や恐怖などを感じる病気であり、緊張などを和らげるためにアルコールへの依存が高くなる症状があります。
摂食障害の方が併発して、アルコール乱用・依存症があると治療が非常に難しくなり、「摂食障害にアルコール依存が関係すると、治療が一番難しい」という医師もいるほどです。
うつ病
- 気分の落ち込みや意欲の低下
- 体のだるさや痛み
摂食障害の方は、もともと自分に自信が持てず自己否定が強い傾向があり、うつ病を併発することが多いです。
摂食障害になった場合抑うつ状態になることがほとんどですが、中には非定型うつ病になる可能性もあり、過食や甘いものなど欲しくなる偏食などを引き起こします。
併発して重症化するまえに、専門の医療機関に受診し対処する必要があります。
低アルブミン血症
- むくみが起こりやすくなル
- 体の調整機能や免疫の低下
低アルブミン血症とは、血液中に存在するタンパク質であるアルブミンが、正常よりも低くなってしまう状態のことをさします。
低アルブミン血症から、体内の水分量が大幅に減少し、手や足などむくみやすくなります。また余計に太ってしまったと勘違いすることが多く、さらに悪循環に陥ることが多いです。
栄養価が足りないことから、ホルモンバランスが崩れ、無月経、月経不順などを起こす可能性があります。
症状に悩んでいる方は無理せず相談を
- 精神科・心療内科
- 電話相談「相談ほっとライン」
- 精神保健福祉センター
- 摂食障害支援拠点病院
摂食障害でお悩みの方の問い合わせ窓口として、精神科・診療内科の他にも、電話相談ができる「よりそいホットライン」や幅広い相談に対応している「精神保健福祉センター」などがあります。
「よりそいホットライン」は24時間電話相談の受付をしており、相談内容に応じて、対面相談に切り替えてくれたり、公的機関につなげたりしてくれるのが特徴です。
また「精神保健福祉センター」は各センターの規模にもよりますが、医師や精神保健福祉士、臨床心理士などの専門家が在籍しています。
「摂食障害支援拠点病院」は摂食障害に特化した病院であり、患者やその家族に対して適切な治療や行政機関からの支援をサポートしています。
摂食障害の治療法
複数の治療法を組み合わせる
摂食障害の治療には、下記の複数の治療方法を組み合わせることが多いです。
環境調整
環境調整とは、学校や職場などでストレスを軽減出来るように、環境を調整してもらうことです。
摂食障害の治療には、焦らずに休養をとることが必要であり、ストレスをかけず過ごせる環境を作ることが回復への早道です。
職場の配置転換や就業時間の短縮、部活動の休止など、可能であれば仕事先・学校に相談をおすすめします。
対人関係療法
対人関係療法とは、対人関係に焦点を当て、そこでの感情や行動、関係性を変化させながら、問題を解決する治療方法。
とくに拒食症・過食症に効果があると報告されており、1回50分程度で合計20回までと期間が限定されており、治療までの期間が明確で始めやすいです。
行動認知療法
認知行動療法とは、ストレスを感じた具体的な出来事に対して、「頭の中に浮かぶ考え(認知)」「感情」「身体の反応」「行動」に分けて、自身の認知や行動などを整理します。
認知の考え方を変えることにより、ストレスを軽減させる治療方法です。
薬物療法を補助的に行う事もある
摂食障害には、直接的な効果のあるお薬がないことが特徴です。
精神的に不安定な状態が続いたり、うつ状態になったりするケースでは、症状をおさえるため抗うつ薬・抗精神病薬などを処方するため、薬物療法は補助的な役割が大きいでしょう。
摂食障害の治療には、早期発見、早期治療はもちろんのこと、表面的にはあらわれにくい、根本的な原因をさがし、患者さんひとりひとりにあった方法で適切に治療し、患者さん本人が治療計画をまもることも重要です。
精神科訪問看護を利用する選択肢も
精神科訪問看護とは?
・自立した生活を営めるための支援
・生活リズムの調整
症状の悪化防止・服薬支援
・生活状況を観察
・受診や服薬を支援
社会復帰へのサポート
・主治医や関係機関と連携
・社会復帰を支援
家族の方への支援
・家族へのアドバイスや相談
・社会資源の活用などを支援
精神科訪問看護とは、精神疾患を抱える方や精神的な理由で不安がある方にたいして、看護師などの専門職がご自宅で支援するサービスです。
同時に家族への支援も実施し、利用者さまを取り巻く環境全体を整えていく役割も担っています。
精神科訪問看護の1回の訪問時間は30分〜90分が一般的で、料金については医療保険が適用されるのが特徴です。
利用対象者は「精神科・心療内科に通院している」「精神疾患の診断を受けた」といった方々ですが、摂食障害について少しでも気になった場合は一度相談する事をおすすめします。
精神科訪問看護のメリット
- 自宅に居ながら専門的なケアが受けられる
- 自宅での様子を主治医に連携できる
- 対人関係や日常生活の支援を受けられる
住み慣れた自宅で療養しながらも、必要な医療ケアを受けられるのが訪問看護。必要であればスタッフは、点滴などの医療行為をすることができるのが大きな特徴です。
また病院への付き添いもしており、通院が億劫になりがちな状態になっても、しっかりと付き添い、場合によっては訪問診療の手続きを行います。
訪問看護の支援は幅広く、日常生活のサポートから緊急時の対応までを請け負い、主治医やケアマネージャー、地域の行政機関と連携を取り合っていきます。
精神科訪問看護の料金
負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
---|---|---|
3割負担![]() | 3,897円 | 2,565円 |
2割負担![]() | 2,598円 | 1,710円 |
1割負担![]() | 1,299円 | 855円 |
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
精神科訪問看護では、医療保険を利用することにより自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用可能。かかった費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、長時間の訪問を行う場合は別途料金が発生します。
また自立支援医療制度いう制度を利用すると料金が1割負担になるほか、所得に応じて自己負担が0円になる場合もございます。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
シンプレの特徴
精神科に特化したシンプレ訪問看護ステーションは、摂食障害や依存症などのこころの病気で悩んでいる方やそのご家族への継続的なサポートを通じて解決への一歩をお手伝いします。
シンプレ訪問看護ステーションには、精神疾患の専門知識や看護経験が豊富なスタッフが多数在籍。
地域に密着した訪問を行い、医療関係や公共機関と連携を取り合いながら、地域全体としてサポートできる体制をととのえていきます。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
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まとめ
摂食障害の症状は、食べる事を拒む「拒食症」と食べ過ぎてしまう「過食症」があり、自分自身ではコントロールが難しい精神疾患です。
その症状の原因は、職場のストレスや人間関係などさまざまであり、精神療法などで症状の改善ができますが、完全な治療には長い時間がかかることがあります。
シンプレ看護ステーションでは、精神科に特化した専門スタッフがその人らしい生活をおくれるようサポートさせていただきます。
摂食障害の症状で、不安なことや気になることがあれば、どんなことでもご相談にのらせていただきますので、是非お気軽にご相談ください。
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