知的障害の症状とは?程度ごとに解説。接し方・サポート制度についても紹介
知的障害の症状は読み書きや、自分の意思を伝えることが苦手など、障がいの程度などによってひとりひとり能力や生活がことなります。
今回この記事では、知的障害の方の4段階に分かれている軽度・中等度・重度・最重度ごとの症状の違いについて解説しています。
知的障害をお持ちの方との接し方やサポートの際、悩んだ時に活用できる窓口についても参考にしてみてください。
知的障害の症状の現れ方
軽度知的障害
- ・IQ50~69の範囲
- ・主に読み書きが苦手
軽度知的障害とは、知的障害のうちその症状が「軽度」であるものを指します。
特徴としてはIQ(知的指数)が50~69の範囲にあたり、学校での勉強や文字の読み書きが苦手といったことが挙げられます。
他者に感化されやすい傾向があるため、だまされたり、身体的・性的虐待の被害にあったりする場合も少なくありません。
自閉症スペクトラム症などの発達障害やうつ病といった二次的障害を併発する可能性も指摘されています。
中等度知的障害
- ・IQ35~49の範囲
- ・運動能力などに発達の遅れが見られる
中度知的障害は知的障害のうちIQ(知能指数)が35~49の範囲の方をさします。
中等度知的障害の方は幼少期の発達段階に、言語を理解したり使ったりする部分の発達がおそく、最終的な発達に限界があることが特徴です。
運動能力の発達も遅れたり、学校での勉強に限界がある方もいたりする場合があります。
中等度知的障害の方たちは、身体的には活動的で、人とコミュニケーションをとり、単純な社会的活動に従事する能力をもっていますが、完全に自立した生活ができる人はまれとされています。
重度知的障害
- ・IQ20~34の範囲
- ・食事、入浴、排泄など広範囲で支援が必要
重度知的障害は知的障害のなかでIQ(知能指数)が20~34の範囲内の方です。
症状は、中等度知的障害と似ていますが、「読み書き」「数を数えること」「時間の理解ができない」「金銭管理ができない」などが挙げられます。
生涯を通じて、「食事」「身支度」「入浴」「排泄」などができないことが多いため、広範囲にわたる支援を必要とするのも特徴です。
また、重度知的障害のほとんどの方には顕著な運動障害や、中枢神経系の障害を併発するため、身体的な発達が十分でない例が多く見られます。
最重度知的障害
- ・IQ20未満
- ・食事や排泄など、身支度すべての支援が必要
最重度知的障害の方は、IQ(知能指数)が20未満と定義され、周囲の人の要求を理解したり、それに応じたりする能力が極めて低いのが特徴です。
てんかんや視覚、聴覚の障害、重度の身体的障害によって、自分で動くことが難しく、食事や排泄などについても介助が必要とされています。
コミュニケーションにおいても、身振り手ぶりや、非言語的な会話に限られる場合が多いです。
しかし、適切なトレーニングを受けることによって、自分の要求を伝えられるようになったり、重い障害をお持ちでない方の場合は、ごく簡単な家事を手伝ったりすることができるようになることもあります。
原因と疾患の割合
原因
知的障害を引き起こす原因については、出生前の胎児期に発症する先天的な場合が多いといわれていますが、出産後や成長段階に後天的に発症する場合までさまざまです。
成長するにつれて明らかになり、だんだんと家族や周囲の人が知的障害の症状に気づくことが多くなります。
また、知的障害と関連のある疾患に「染色体異常」「神経皮膚症候群」「先天代謝異常症」「胎児期の感染症」などがあります。
疾患の患者数
厚生労働省による調査(平成28年)により推計された数値によると、知的障害者の数は108万2千人となっています。
年齢別にみた平成28年の調査では、18歳未満22.2%、18~65歳60.3%、65歳以上15.5%となっており、平成23年と比較すると患者数が約34万人増加しています。
また性別でみた調査では、65歳未満では男性62.5%、女性37.1%、65歳以上では男性53%、女性43.5%となっています。
このことから、性別で見た場合、女性より男性のほうが知的障害の患者数がおおいことがわかります。
診断基準
- 出生前検査
- 知能および発達評価
- 中枢神経系の画像検査
- 遺伝学的検査
知的障害の診断には、上記4つの方法があります。
知能および発達評価では標準化された知能検査を行い、知的能力が平均を下回っているかの確認をしますが、誤りが生じることも多いです。
とはいえ、こういった検査は一般に小児の知的能力を評価する場合には妥当とされています。
上記以外にも診断のための検査方法はありますが、中等度から重度の発達遅滞、神経筋機能の悪化などが見られた場合は、小児科医または小児神経科医が評価を行うべきです。
知的障害の方との接し方
- ゆっくり、やさしく必ず本人に話しかけるようにする
- 話が長くならないよう具体的にはっきりと伝える
- 本人の年齢に応じた接し方・話しかけをする
症状は、重度の場合は幼児期から、軽度の場合は成人になるまで発見されないこともあります。診断には、症状の評価と原因疾患の有無の確認が必要です。
知的障害の診断には、主に上記の4つの方法があります。診断には、お子さんの症状や発達状況を総合的に判断して、必要な検査を実施します。
悩んだ際には相談やサポートを
相談窓口
- 保健センター
- 児童相談センター
- 心身障害者福祉センター
- 発達障害者支援センター
保健センターでは、保健師や医師などの専門家が、電話や面談、訪問などを通じて相談に応じてくれます。
児童相談センターでは、18歳未満の子どもに関するさまざまな相談に応じ、子どもの視点に立った支援を相談者と一緒に考えていきます。
ご本人やご家族だけではどうしていけばいいのかわからない場合は、公的機関に頼ることで解決策が見えてくるかもしれないので、ぜひ相談してみましょう。
支援を受けられるサービス(お子さんの場合)
- 児童発達支援
- 放課後等デイサービス
知的障害のあるお子さんには、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの支援サービスがあります。
児童発達支援は、地域の障害のあるお子さんを対象に、集団生活への適応のための訓練を行うサービスです。
区分は、日常生活における基本的な動作の指導などを行う「福祉型」と、身体面の障害があるお子さんに対する児童発達支援や治療を行う「医療型」の2種類があります。
放課後等デイサービスは、障害のあるお子さんを対象に、放課後や、学校の長期休暇中においてさまざまな訓練を行い、放課後の居場所を提供するサービスです。
支援を受けられるサービス(大人の場合)
- ハローワーク
- 就労移行支援事業所
知的障害を持つの大人の方が受けられる支援サービスにハローワークや就労移行支援事業所などがあります。
ハローワークでは、障害のある方の就職活動を支援するため、仕事に関する情報を提供したり、就職に関する相談に応じたりしています。
また個別にその方にあった求人の提出を事業主に依頼したり、採用面接に同行したりできることも特徴です。
就労移行支援事業所では事業所に通い、ビジネスマナーや職業トレーニング、面接や履歴書対策などの就職活動のサポートを受けることができます。
知的障害の方が利用できる制度
療育手帳
療育手帳とは、知的障害があると判定された18歳未満の方に交付される手帳です。
療育手帳を持っていると、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスや、各自治体や民間事業者が提供するサービスを受けることができます。
療育手帳の判定基準は、各自治体によって異なります。詳細については、お住まいの市町村の担当窓口に問い合わせてください。
自立支援医療制度(精神通院)
区分 | 上限額 |
---|---|
生活保護 |
0円 |
低所得1 |
2,500円 |
低所得2 |
5,000円 |
中間所得1 |
5,000円 |
中間所得2 |
10,000円 |
一定所得以上 |
20,000円 |
表の料金は所得に応じた医療費の月額自己負担額の上限額となっております。
表の料金を超えた場合には、自己負担なしで医療が受けられます。
精神科訪問看護では、自立支援医療制度(精神通院)という助成制度を利用できます。
自立支援制度は、障害のある方の自立を助けるための公費負担医療費制度です。精神に障害のある方の、障害の軽減などのために医療の自己負担費が補助されます。
助成の内容としては精神科にかかわる医療費が1割負担になることと、所得に応じて月の自己負担上限額が設定され上限額を超えた分に関しては自己負担がなしとなります。
通院費やお薬にかかる費用も、自立支援医療の対象になります。そのうえで、精神科デイケアや精神科訪問看護を利用した場合に、その費用が補助されます。
精神科訪問看護をする選択肢も
精神科訪問看護とは?
・精神疾患の診断を受けた方
・精神科・心療内科に通院中の方
・診断がなくとも医師が必要と判断した方
訪問する人
・看護の専門職
・リハビリテーションの専門職
訪問時間
・医療保険
(30分から90分程度)
精神科訪問看護とは、看護師含む専門家がお宅に訪問し、病気や障害に応じた看護をおこなうことで、健康状態の悪化を防止したり、回復にむけてお手伝いしたりするサービスです。
主治医の指示を受け、病院と同じような医療処置や、自宅で最期を迎えたいという希望にそった看護をおこなう場合もあります。
対象者は精神疾患の診断を受けた方や、精神科に通院中の方、医師が訪問看護を必要と判断したといった方がたです。
訪問の時間や頻度に関しては通常週3回までで、1回の訪問時間は30分~1時間半程度となっていますが、病気や状態によっては毎日いくこともできます。
精神科訪問看護のメリット
- 自宅に居ながら専門的なケアが受けられる
- 自宅での様子を主治医に連携できる
- 対人関係や日常生活の支援を受けられる
精神科訪問看護では、精神疾患でお悩みの方が、うまく日常生活を送れるよう本人や家族の不安や悩みの相談にのり、アドバイス・支援を行っていきます。
病院で受診せずに自宅で専門的なサービスをうけることができ、利用者の希望にそった援助が地域生活をしながらおこなえるというのがメリットです。
さらに診察と診察の合間に訪問看護を通じてご自宅での様子を見ることにより、診察室では把握できなかった問題や困りごとが見つかる場合もあります。
そのほか日中に活動できる場があったほうがいいのではないか、家族の負担を減らすためにショートステイを利用したらどうかなど、日常生活においての支援をうけることもできます。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
シンプレの特徴
シンプレ訪問看護ステーションは、うつ病や統合失調症など、精神疾患の方に特化した訪問看護サービスを提供している訪問看護ステーションです。
スタッフが定期的にご自宅を訪問し、ご家庭や地域社会で安心して日常生活を送ることができるように支援させていただいております。
お子さまからお年寄りまで幅広い考え方や価値観を大切にし、思いやりの心を忘れることなく寄り添うことを心がけています。
また看護師とバックオフィスが常に連携をとっており、緊急時もすぐに各関係機関に連絡できるのも特徴です。
シンプレで対象となる精神疾患
- 知的障害
- うつ病
- 自閉スペクトラム症
- 統合失調症
- ADHD
- 双極性障害
- その他精神疾患全般
シンプレ訪問看護ステーションは知的障害、うつ病、自閉スペクトラム症、統合失調症、ADHDなどのさまざまな精神疾患に対応しています。
とくに精神疾患をもっている方の中には、コミュニケーションに悩んでいたり、日常生活に支障をきたしていたりといった方も少なくないでしょう。
シンプレ訪問看護ステーションではそれぞれの利用者さまに合った治療を適切な方法で行っております。
精神疾患から併発する、合併症などに苦しんでいる方のご相談も受けつけておりますので知的障害含め、お困りごとや悩みごとがありましたらお気軽にご相談ください。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
知的障害の症状について説明してまいりました。知的障害があると日常生活を送るうえで、さまざまな困難を感じるかもしれません。
しかしそういった場合でも1人1人にあった支援や治療を適切にうけることで、より日常生活を送りやすくしていく方法もあります。
ですので現在の日常生活や仕事などで困っていることがあれば、まずは公的機関含め専門家に一度相談することをおすすめします。
シンプレ訪問看護ステーションでも知的障害の治療を行っている患者さんの対応が可能です。
知的障害でお困りの方や、ご家族に知的障害の方がいて相談ごとがある場合には、ぜひシンプレ訪問看護ステーションにもご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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