精神疾患のセルフチェック項目と相談先|シンプレ訪問看護
気分の落ち込みが続く、眠れない日が増えた、これまで楽しめていたことに手がつかない——そんな変化が重なると、「もしかして心の病気なのだろうか」と不安になる方は少なくありません。精神疾患のセルフチェックは、自分の状態を言葉にする手がかりになります。ただし、それは診断ではなく、あくまで気づきのきっかけです。
厚生労働省の患者調査では、精神疾患を有する総患者数は約603万人とされ、そのうち大半が外来で治療を受けながら暮らしています。つまり、特別なことではありません。この記事では、こころ・からだ・暮らしの3つの側面から確かめたいサインと、結果をどう受け止め、どこに相談すればよいかを整理してお伝えします。
精神疾患のセルフチェックとは

精神疾患のセルフチェックとは、最近の気分・睡眠・食欲・生活の様子などについての質問に自分で答え、こころの状態を大まかに把握する方法です。心療内科や精神科の受診をためらう段階でも、自分のつらさを客観的に眺め直せるところに意味があります。数分で終わるものが多く、誰にも知られずに試せるのも取り組みやすい点です。
セルフチェックでわかること、わからないこと
セルフチェックでわかるのは、「いまの自分に、どんな変化がどれくらい起きているか」というおおよその傾向です。項目に当てはまる数が多ければ、それだけ心身に負荷がかかっているサインと受け取れます。逆に、どの病気なのか、治療が必要な段階なのかまでは判断できません。
精神疾患の診断は、症状の種類だけでなく、いつから続いているか、生活にどれだけ支障が出ているか、体の病気や薬の影響がないかなど、多くの情報を組み合わせて行われるとされています。そのため、チェック結果だけで「自分は◯◯病だ」と決めつけたり、逆に「当てはまらないから大丈夫」と切り捨てたりしないことが大切です。
セルフチェックと医師の診断の違い
医師の診断は、問診に加えて、これまでの経過や生活状況の聞き取り、必要に応じた血液検査・画像検査などを踏まえて行われます。甲状腺の病気や貧血、睡眠時無呼吸など、体の病気が気分の変化として現れる場合もあるためです。
つまりセルフチェックは受診の代わりではなく、受診の前に自分の状態を整理しておくための道具です。チェックした結果を手元に残しておくと、診察室で「いつから、どんなふうにつらいのか」を伝えやすくなります。医療者に話す言葉が見つからないときほど、この準備は役に立ちます。
公的機関が公開しているセルフチェックの例
信頼できるチェックを探すなら、まず公的機関が公開しているものが目安になります。厚生労働省が運営する働く人向けのポータルサイト「こころの耳」では、無料で匿名のストレスセルフチェックが公開されています。全57問で所要時間が5分程度のものと、23問・3分程度の簡易版があり、いずれも職業性ストレス簡易調査票をもとに作られています。
結果は、仕事の負担・周囲の支援・心身の状態などの観点でフィードバックされます。あくまで職場のストレスに焦点を当てたものですが、自分の負荷を数値で眺める第一歩としては使いやすい内容です。学生の方や働いていない方の場合は、次章以降のサインを目安に、当てはまる項目を書き出す形でも構いません。
セルフチェックの前に知っておきたい主な精神疾患

ひとくちに精神疾患といっても内容はさまざまで、あらわれ方も人によって違います。どんな病気があるのかをざっと知っておくと、精神疾患のセルフチェックで気になる項目が出てきたときに、自分の状態を整理しやすくなります。ここでは代表的なものを、症状の傾向ごとにまとめます。
気分の変化があらわれる病気
うつ病や双極症(双極性障害)のように、気分の落ち込みや高ぶりが中心となるものです。うつ病では気分の落ち込みや意欲の低下が2週間以上続くことが多いとされ、双極症では、うつの時期と、気分が高まって活動的になりすぎる時期を繰り返すといわれています。
本人は気づきにくいのがこのグループの特徴です。とくに気分が高まっている時期は「調子がいい」と感じられるため、後から振り返って初めて波の存在に気づくケースもあります。家族や職場の人からの「最近ちょっと違うね」という声が手がかりになることもあります。
不安や緊張が強くなる病気
不安症(不安障害)やパニック症、社交不安症などが含まれます。誰にでもある不安が、生活に支障が出るほど強く長く続く状態です。動悸や息苦しさ、めまいといった体の症状をともなうことが多く、内科を受診しても異常が見つからないという流れをたどる方も少なくありません。
電車に乗れない、人前で話せない、家から出られないなど、行動が制限されていくのが特徴といわれています。「気の持ちよう」と片づけられがちですが、治療法が確立している領域でもあります。
考えや感じ方に変化があらわれる病気
統合失調症などが代表的です。実際にはない声が聞こえる、周囲から見張られていると感じるといった症状のほか、意欲が乏しくなる、感情の表現が減るといった変化があらわれることもあるとされています。10代後半から30代にかけて発症することが多いといわれています。
症状の性質上、本人が「自分は病気だ」と感じにくい場合があります。そのため、周囲の気づきが入り口になることも多く、家族が相談窓口に連絡するところから支援が始まるケースもあります。
発達や特性にかかわる困りごと
注意欠如・多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症などは、生まれつきの特性にかかわるもので、病気というより「得意・不得意の偏り」として理解されるようになってきたとされています。忘れ物や段取りの苦手さ、人づきあいの独特さなどが、環境によって困りごとになる形です。
大人になってから、仕事の量が増えたり役割が変わったりしたタイミングで気づく方もいます。特性そのものは治療の対象ではありませんが、二次的にうつや不安が重なることがあるため、つらさが強いときは相談先を持っておくと安心です。
精神疾患のセルフチェックで確かめたいこころのサイン

ここからは、精神疾患のセルフチェックで実際に確かめたい項目を見ていきます。まずはこころの変化です。ポイントは「以前の自分と比べてどうか」と「2週間以上続いているか」の2点。一時的な落ち込みは誰にでもありますが、続くかどうかが目安のひとつになります。
気分の落ち込みが続いていないか
朝起きた瞬間から気持ちが重い、理由がはっきりしないのに悲しくなる、涙が出る——こうした状態がほとんど毎日、一日の大半を占めていないかを振り返ってみてください。週末に休んでも回復しない落ち込みは、疲れとは違う性質のものかもしれません。
逆に、朝はつらいけれど夕方には少し楽になる、という日内の変動が見られることもあるとされています。「動けない時間帯がある」という形で気づく方もいます。
好きだったことに関心が向かなくなっていないか
これまで楽しめていた趣味やテレビ、人との会話などに、まったく心が動かなくなっていないでしょうか。「面倒くさい」ではなく「何も感じない」という感覚が近い場合、注意したいサインのひとつです。
好きだった音楽をかけても素通りしてしまう、行きたかった場所に誘われても気持ちが動かない。こうした変化は本人にとって分かりやすい目印になります。落ち込みよりも先に、この「関心の薄れ」から始まる方もいるといわれています。
不安や焦りで落ち着かない日が増えていないか
じっとしていられない、理由のない焦りに追い立てられる、悪いことばかり考えて頭が休まらない。考えが同じところをぐるぐる回って止まらない状態が続いていないかも確かめたい点です。
不安は本来、危険を避けるために必要な働きです。ただ、その働きが強くなりすぎると、決断ができない、人に会うのが怖いといった形で日常を狭めてしまいます。「心配性だから」で済ませてきたことが、実は治療で楽になる範囲だった、というケースもあります。
自分を責める考えが強くなっていないか
「自分は価値がない」「周りに迷惑をかけている」「いなくなったほうがいい」——こうした考えが頭から離れないときは、早めに相談してください。これは性格の問題ではなく、心身が限界に近いことを知らせるサインとして受け止める必要があります。
ひとりで抱えているとき、考えはどんどん狭くなっていきます。厚生労働省の「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」では、各都道府県・政令指定都市の相談窓口につながり、専門の相談員が話を聞いてくれます。受付時間は自治体により異なりますが、平日の夜間や土日祝に対応している地域もあります。医療機関にかかる前の段階でも利用できます。
精神疾患のセルフチェックで確かめたいからだのサイン

精神疾患のセルフチェックというと気分の話に目が向きがちですが、実際には体の変化が先に出ることも珍しくありません。とくに、気持ちのつらさを自覚しにくい方ほど、睡眠や食欲、体調不良として現れる傾向があるとされています。内科で「異常なし」と言われた不調が続いているなら、この章を確かめてみてください。
眠りの変化が続いていないか
寝つくのに時間がかかる、夜中に何度も目が覚める、朝早くに目が覚めてそのまま眠れない。あるいは反対に、いくら寝ても眠気が取れず日中も横になってしまう。眠りの乱れは、こころの不調でもっとも早く現れる変化のひとつといわれています。
「早朝に目が覚めて、そこから気分が沈む」という形はよく知られていますし、過眠として現れることもあります。眠れているつもりでも、休んだ感じがまったくしないという場合も含めて振り返ってみてください。2週間以上続いているようなら、記録して受診時に伝える価値があります。
食欲や体重が変わっていないか
食べたいと思わない、味がしない、食事の時間が苦痛になる。逆に、気づくと何かを口に入れていて止まらない。数か月で体重が大きく増減したときは、心身のどちらかに負荷がかかっているサインと考えられます。
体重の変化は数字として残るので、後から振り返りやすい指標です。健康診断の記録や、体重計のアプリなどがあれば、受診の際に見せられるよう準備しておくとよいでしょう。
原因のはっきりしない不調が続いていないか
頭痛、肩こり、胃の痛み、吐き気、下痢や便秘、動悸、めまい、手のふるえ。検査をしても原因が見つからないのに続く不調は、ストレスや不安が体に出ているものかもしれないと考えられています。気のせいではありません。
こうした症状で内科や耳鼻科を受診し、そこから心療内科を紹介されるという流れも一般的です。かかりつけ医がいるなら、体の症状と一緒に「最近気分も落ち込んでいる」と伝えてみてください。適切な診療科につないでもらえることがあります。体の不調を訴えること自体が、こころの相談の入り口になります。
精神疾患のサインがあらわれる暮らしの変化

3つめの視点が、日々の暮らしの変化です。気分や体の症状は本人にしか分かりませんが、生活の変化は周囲からも見えるかたちで現れます。精神疾患のセルフチェックでは、この「できていたことが、できなくなっていないか」という観点も欠かせません。
仕事や学校を休みがちになっていないか
朝、起きられない。準備をしても玄関から出られない。出勤や登校の直前に体調が悪くなる。行けない日が増えたという事実は、意志の弱さではなく、心身がブレーキをかけている状態と考えたほうが自然です。
また、出勤はできていても、集中が続かない、簡単なミスが増えた、会議の内容が頭に入らないといった形で現れることもあります。仕事の質が落ちたことで自分を責め、さらに落ち込むという悪循環に入りやすい部分でもあります。
人との連絡や外出が減っていないか
友人からの連絡に返信できないまま日が過ぎる、電話が鳴ると身構えてしまう、買い物以外で外に出なくなった。人と関わることが負担に感じられる状態が続いていないか振り返ってみてください。
一時的にひとりで過ごしたい時期は誰にでもあります。ただ、それが数週間から数か月に及び、本人も「このままではまずい」と感じながら動けないのなら、支えが必要な段階かもしれません。
家事や身のまわりのことが続かなくなっていないか
食器が片づかない、洗濯物がたまる、ゴミを出せない、お風呂に入るのが億劫になる。こうした変化は、意欲が落ちているときに現れやすいものです。「だらしなくなった」と自分を責めてしまう方が多いのですが、症状のひとつとして起こることがあります。
部屋の様子は、本人が言葉にできない状態を映していることがあります。以前と比べて明らかに違うと感じるなら、それも記録しておきたいサインです。
家族や周りが気づきやすい変化
ご家族や身近な方が気になっているケースもあるでしょう。表情が乏しくなった、口数が減った、逆にいつになく多弁で寝ていない、お酒の量が増えた、金銭の使い方が変わった。こうした変化は本人よりも周囲のほうが早く気づきます。
気づいたときは、問い詰めるのではなく「最近眠れている?」「疲れていない?」と、体調を尋ねる形から入ると話しやすくなります。本人が受診を渋る場合でも、家族だけで相談できる窓口があります。各都道府県・政令指定都市に設置されている精神保健福祉センターや保健所では、家族からの相談も受け付けています。
精神疾患のセルフチェックの結果との向き合い方

チェックを終えたあと、多くの方が戸惑うのがここからです。精神疾患のセルフチェックは診断ではありません。当てはまる数が多くても病気と決まったわけではなく、少なくてもつらさが否定されるわけでもありません。結果をどう扱うかで、次の一歩の踏み出しやすさが変わります。
当てはまる項目が多かったときの考え方
まず落ち着いて受け止めてほしいのは、結果は現在地を示すものであって、将来を決めるものではないということです。多く当てはまったのなら、それだけ心身に負荷がかかっている状態が続いてきたと考えられます。原因を突き止めようと自分を分析しすぎるより、専門家に見てもらう段階だと切り替えたほうが早く楽になります。
結果はスクリーンショットやメモで残しておいてください。診察では「いつから」「どんなふうに」「どれくらい困っているか」を聞かれます。手元に記録があれば、その場で言葉が出てこなくても伝えられます。
当てはまらなくてもつらさが続くとき
チェックにほとんど当てはまらなかったのに、しんどさが消えない。そういう方もいます。セルフチェックは限られた質問で状態を見るものなので、すくいきれない不調があるのは当然です。
とくに、職場の人間関係や家庭の事情など、環境そのものが負担になっている場合は、症状として現れる前に本人が疲弊していきます。「病名がつかないと相談してはいけない」ということはありません。困っている状態そのものが相談の理由になります。
一人で抱え込まずに話してみる
誰かに話すこと自体に、気持ちを整理する働きがあります。家族や友人でもよいですし、話しにくければ相談窓口でも構いません。話すうちに「自分はここがいちばんつらかったのか」と輪郭が見えてくることがあります。
職場に産業医や保健師がいるなら、そこも選択肢です。学生の方なら、学校の保健室やスクールカウンセラー、学生相談室があります。いきなり病院でなくてもかまいません。相談できる場所は思っているより多くあります。
受診をためらう気持ちについて
「大げさではないか」「もっとつらい人がいる」「精神科にかかったと知られたくない」。受診をためらう理由はさまざまです。ただ、早めに相談したほうが、休職や治療の選択肢を落ち着いて選びやすくなります。
診療の内容には守秘義務があり、本人の同意なく職場や学校に伝えられることは原則ありません。健康保険を使って受診したことが勤務先に個別に通知される仕組みもありません。気になる点があれば、受診前に医療機関へ電話で確認しておくと安心です。
精神疾患が気になるときの受診先と相談先

精神疾患のセルフチェックで気になる結果が出たとき、次に迷うのが「どこへ行けばいいのか」です。選択肢はいくつもあり、医療機関以外の窓口から始めても構いません。ここでは代表的な相談先と、費用の見通しを整理します。
精神科と心療内科の選び方
大まかにいえば、精神科はこころの症状全般を、心療内科はストレスから体に症状が出ている状態を主に扱うとされています。ただし実際には両方を掲げるクリニックが多く、どちらでも構いません。迷ったら、通いやすい場所にあるところを選んでください。
予約制のところが多いので、まず電話やウェブで初診の空き状況を確認します。混み合っていて数週間先になることもあるため、早めに動いておくと安心です。
かかりつけ医や職場の産業医に相談する
いきなり精神科の門をたたくのが重いなら、内科のかかりつけ医に相談するのもひとつの方法です。体の不調として話を切り出せるので、心理的なハードルが下がります。必要と判断されれば、適切な医療機関を紹介してもらえます。
働いている方は、職場の産業医や保健師も選択肢です。健康相談として利用でき、業務量の調整や休職の相談にもつながります。
精神保健福祉センターや保健所という選択肢
各都道府県・政令指定都市には精神保健福祉センターが設置され、市区町村の保健所・保健センターとあわせて、こころの健康に関する相談を無料で受け付けています。本人だけでなく家族からの相談も可能で、医療機関の情報提供や、利用できる制度の案内も行っています。
「病院に行くほどなのか分からない」という段階で使えるのが、この窓口の利点です。継続的なカウンセリングは行っていない場合が多いものの、次にどこへ行けばよいかを一緒に整理してもらえます。
つらさが強いときにすぐ使える電話相談
眠れない夜や、気持ちが追い詰められたときに使える窓口もあります。厚生労働省の「こころの健康相談統一ダイヤル」は全国共通の番号で、かけると自分の地域の相談窓口につながります。
- こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556(受付時間は自治体により異なります)
- お住まいの自治体の精神保健福祉センター・保健所
- 厚生労働省の相談窓口案内サイト「まもろうよ こころ」(電話・SNS相談の一覧)
受付時間や対応方法は地域によって違いがあります。最新の情報は各窓口の案内でご確認ください。
受診にかかる費用と自立支援医療
精神科・心療内科の診察は健康保険の対象で、自己負担は年齢や所得に応じて1〜3割です。初診では診察料に加えて検査を行うこともあり、3割負担の場合でおおよそ3,000〜5,000円前後、再診はそれより低い金額が目安になります。処方があれば薬局での薬代が別にかかります。
通院が続く見通しになったら、自立支援医療の精神通院医療という制度があります。精神疾患で継続的に通院する方の自己負担を原則1割に軽くし、さらに所得に応じた月額の上限が設けられる公費の仕組みです。
統合失調症・うつ病・不安症・てんかんなど幅広い疾患が対象になります。また、この制度に年齢の制限はありません。年齢で区分されるのは身体障害向けの更生医療や育成医療で、精神通院医療は18歳未満の方も対象です。
申請は市区町村の窓口で行い、医師の診断書などが必要です。対象になるのは通院医療で、入院は含まれません。18歳までの方は、お住まいの自治体の子ども医療費助成と併用できる場合もあります。制度の内容や上限額は年度の改定や自治体によって異なるため、最新の情報は市区町村の窓口や医療機関の相談員にご確認ください。手続きは窓口の担当者が整理してくれるので、まずは主治医に「自立支援医療を使えますか」と尋ねてみるところからで大丈夫です。
精神疾患の診断後の在宅生活を支える訪問看護

受診して診断がつき、治療が始まってからも、暮らしの中には迷いが残ります。薬をこのまま飲み続けていいのか、調子の波とどう付き合うのか、生活のリズムをどう戻すのか。そうした場面で、自宅に看護師が訪問して支えるのが精神科訪問看護です。精神疾患のセルフチェックをきっかけに受診へ進んだ方が、その先で使える支えのひとつとして知っておくと役立ちます。
精神科訪問看護でできること
看護師や作業療法士などの専門職が自宅を訪問し、体調とこころの状態を確認しながら、暮らしのペースづくりを一緒に考えます。具体的には、体調の観察、服薬を続けるための工夫の相談、睡眠や食事のリズムの振り返り、通院や手続きに関する困りごとの整理などです。
気をつけたいのは、看護師が治療方針を決めるわけではないという点です。薬の種類や量、通院の間隔を判断・指示するのは主治医で、訪問看護師は日々の様子を観察して主治医に報告し、必要な情報を橋渡しする役割を担います。生活援助(掃除・買い物・調理など)は訪問介護のヘルパーが担う領域なので、そこも役割が分かれています。「何でも代わりにやってくれる人」ではなく、困ったときに相談できる相手が定期的に来てくれると考えるとイメージしやすいはずです。
利用までの流れと主治医の指示書
訪問看護は誰でも自由に申し込めるサービスではなく、主治医の指示書が前提になります。精神科を標榜する医療機関の精神科医が「精神科訪問看護指示書」を交付することで利用が始まる流れです。つまり、セルフチェックの段階や、まだ受診していない段階では利用できません。まずは受診が第一歩になります。
実際の手順としては、主治医や医療機関の相談員に「自宅での支えがほしい」と伝えるところから始まります。そこからステーションの選定、契約、初回訪問と進みます。退院を控えているなら、病院の相談窓口が調整してくれることも多くあります。
訪問の回数は、医療保険では原則として1日1回・週3日まで、1回あたり30〜90分が目安です。調子が不安定な時期には、精神科特別訪問看護指示書が交付されて週4日以上の訪問が可能になる場合もあります。ただし上限は上限であって、実際の回数はご本人の状態や希望をふまえてステーションと相談しながら決まります。
費用と自立支援医療の併用
精神科訪問看護指示書に基づく訪問看護は、原則として医療保険の扱いになります。自己負担は年齢や所得に応じて1〜3割です。そして、通院で自立支援医療を申請している方は、訪問看護もあわせて対象になります。自己負担が原則1割になり、所得に応じた月額上限も設けられるため、負担はかなり軽くなります。
生活保護を受けている方は自己負担がありません。18歳までの方は自治体の子ども医療費助成と組み合わせて、実質的に負担がほとんどかからないケースもあります。どの制度が使えるかは状況によって変わりますが、市区町村の窓口や医療機関の相談員が整理してくれます。制度の内容・上限額は年度の改定や自治体で異なるため、最新の情報は各窓口でご確認ください。
| 負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
|---|---|---|
1割負担![]() | 1,299円/回 | 855円/回 |
2割負担![]() | 2,598円/回 | 1,710円/回 |
3割負担![]() | 3,897円/回 | 2,565円/回 |
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
精神科訪問看護では、医療保険を利用することにより自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用可能。かかった費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、長時間の訪問を行う場合は別途料金が発生します。
また自立支援医療制度という制度を利用すると料金が1割負担になるほか、所得に応じて自己負担が0円になる場合もございます。
家族が相談できる場としての訪問看護
精神疾患のある方を支えるご家族は、接し方に迷ったり、自分の時間が取れずに疲れてしまったりすることがあります。訪問看護は本人へのケアが中心ですが、家族の相談にも応じます。声のかけ方に困っている、調子の変化にどう気づけばいいか分からない、といった内容も含めて話せます。
「家族だけで抱えなくていい」と実感できることが、在宅で過ごし続けるうえでの支えになります。第三者が定期的に入ることで、家庭の中の空気が少しやわらぐこともあります。
なお、24時間の連絡体制については、訪問看護ステーション全体の約9割が届出をしているという調査結果があります。ただし実際に対応できる範囲はステーションごとに違うため、契約前に確認しておくと安心です。
精神疾患とともに暮らす方を支えるシンプレ訪問看護ステーション

セルフチェックから受診へ、そして治療を続けながらの暮らしへ。その道のりのなかで、自宅での時間を一緒に支える存在が必要になる場面があります。シンプレ訪問看護ステーションは精神科に特化した訪問看護を行っており、精神疾患とともに暮らす方とご家族の日常に寄り添っています。
シンプレ訪問看護ステーションの特徴
うつ病、統合失調症、双極症、不安症、発達に関する特性など、幅広い状態の方にご利用いただいています。看護師をはじめとする専門職が定期的にご自宅へ伺い、体調とこころの様子を確認しながら、服薬を続けるための工夫や生活リズムの整え方を一緒に考えます。
大切にしているのは、こちらのやり方を押しつけないことです。すでにご本人やご家族が続けてきた工夫があるので、まずはそれを一緒に確認するところから始めます。回復のペースは人それぞれで、進む時期もあれば足踏みする時期もあります。その波ごと受け止める関わりを心がけています。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
- 東京23区
- 立川市
- 武蔵野市
- 三鷹市
- 府中市
- 昭島市
- 調布市
- 西東京市
- 小金井市
- 小平市
- 日野市
- 東村山市
- 国分寺市
- 国立市
- 福生市
- 狛江市
- 東大和市
- 清瀬市
- 東久留米市
- 武蔵村山市
- 多摩市
- 稲城市
- 和光市
- 朝霞市
- 志木市
- さいたま市
- 蕨市
- 川越市
- ふじみ野市
- 所沢市
- 川口市
- 戸田市
- 富士見市
- 新座市
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
訪問は週1回から3回程度が目安で、調子が不安定な時期には主治医の指示のもとで回数を増やせる場合もあります。1回あたりの時間は30〜90分程度です。土曜・祝日の訪問にも対応しており、平日の日中に時間を取りにくい方や、ご家族が同席したい場合にもご相談いただけます。ご本人からの連絡が難しいときは、ご家族からのお問い合わせでも構いません。
※お受けできる内容は、時期・対応エリア・ご本人の状態によって異なり、医療的に重いケースなど一部対応できない場合もあります。まずはお問い合わせから対応可否をご確認ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
精神疾患のセルフチェックを次の一歩につなげていくために

精神疾患のセルフチェックは、こころ・からだ・暮らしの3つの側面から、いまの自分を眺め直すための道具です。診断ではありませんが、言葉にしにくかったつらさを形にする役割を果たしてくれます。当てはまる項目が多かった方も、少なかったのにしんどさが続いている方も、それを持って誰かに相談することが次の一歩になります。
相談先は医療機関だけではありません。精神保健福祉センターや保健所、こころの健康相談統一ダイヤル、職場の産業医や学校の相談室など、段階に応じた入口があります。通院が続く見通しになれば自立支援医療で負担を軽くできますし、診断後に自宅での支えが必要になったときには精神科訪問看護という選択肢もあります。
ひとりで抱え続ける必要はありません。シンプレ訪問看護ステーションでは、精神疾患とともに暮らす方とご家族が、その人らしいペースで日々を過ごせるよう、自宅での時間を一緒に支えています。ご利用を検討される場合も、まず話を聞いてみたいという段階でも、お気軽にご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
※本記事は執筆時点の一般的な情報をまとめたものです。制度の内容や保険のあつかいは年度の改定・地域・ご本人の状態により異なる場合があります。また、シンプレ訪問看護ステーションがお受けできる内容は、時期・対応エリア・ご本人の状態によって異なり、医療的に重いケースなど一部対応できない場合もあります。ご利用を検討される際は、お問い合わせから対応可否をご確認ください。参考:厚生労働省「患者調査」、厚生労働省「こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)」、厚生労働省「自立支援医療制度の概要」、厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」「まもろうよ こころ」、全国訪問看護事業協会「訪問看護アクションプラン2025 最終評価」。最新・正確な内容は各窓口でご確認ください。
