心気症の症状・原因・治療法について。なりやすい人の特徴をチェック!
心気症の症状は、頭痛や胃痛など身体的な些細な不調を「自分は重篤な病気にかかっているのではないか」と心配し過剰不安を抱えます。
また、検査で異常がないと診断されても、医師のアドバイスを聞き入れることができず、受診を繰り返すなどがあります。
今回この記事では、詳しい症状や原因、心気症になりやすい人の特徴などを確認していきます。
心気症の症状
精神的な症状
- 重篤な病気ではないかと過剰に心配する
- 病院の診断を信じられず、病院を転々とする
心気症の人は、重い病気にかかっているのではないかと過剰に心配し、常に不安や恐怖を感じています。
しかし、身体的な症状に意識が向いているため、心の病気であることに気づいていません。
病院で検査を受けても異常が見つからないため、医師の説明を受け入れることができません。
医師の診断に疑問を感じて、次々と病院を回る傾向があり、より不安な状態に陥る悪循環に陥ります。
身体的な症状
- 胃痛・吐き気
- 動悸
- 倦怠感
- しびれ
- 不眠
心気症は、原因不明の身体的な不調を感じる精神疾患です。
具体的には、上記のような症状のほか、睡眠障害・手足のしびれ・食欲の低下など、多岐にわたります。
心気症の人は、自分が重い病気にかかっているのではないかと思い込み、日常生活や仕事にまで大きな支障をきたすことがあります。
心気症の原因
心気症の原因は、まだ完全にはわかっていません。しかし、ストレスや過労、家族や本人の病気がきっかけとなるのではないかと考えられています。
例えば、ご家族が病気で亡くなったことをきっかけに、自身も同じ病気ではないかと不安になることがあります。
また、自身の抱えている悩みや問題から目を背けるために、無意識のうちに重篤な病気にかかっているのではないかと思い込むこともあります。
心気症になりやすい人
- 発症しやすい年代特にない
- 男女問わず発症する可能性がある
心気症はだれしもが発症する可能性があり、男女差はとくにありません。発症年齢は幼少期から高齢期と幅広く、その中でも20〜40歳までに発症しやすいという報告があります。
成人期には、社会的な責任の重さや生活の変化が大きく、年をとるごとに健康的な不安要素も強くなります。そのため糖尿病・高血圧症などの生活習慣病が精神的なストレスと結びつく場合もあります。
体の症状があるかないかで診断される
心気症の診断は、DSM-5の診断基準に基づいて行われます。この診断基準では、心気症を「身体症状症」と「病気不安症」の2つに分類しています。
身体症状症は、身体的な症状を自覚している場合に診断されます。病気不安症は、身体的な症状を自覚していない場合に診断されます。
ただし、身体的な症状が重度な場合には、身体の病気と誤診される可能性もあり、心気症の診断は、医師の専門的な判断が重要です。
不安障害やうつ病を合併することがある
うつ病
症状の例
・体のだるさや痛み
・気分が落ち込む
・何をしても楽しめない
・食欲減退
・不眠
心気症は、うつ病を併発することがあります。うつ病を発症すると、食欲が減退し、憂うつで何をしても楽しめなくなるなどの症状が現れます。
また、不安やイライラ、食欲不振などの症状も現れることがあり、精神面での症状は特につらいものです。
家族や周囲の理解やサポートが得られないと、本人の孤立感を強めて病気を悪化させてしまうことがあります。
不安障害
症状の例
・恐怖・不安
・発汗・震え
・呼吸困難
分類
・全般性不安障害
・パニック障害
・強迫性障害
不安障害は、恐怖や不安を異常に強く感じる状態です。常に強い不安感に襲われ、日常生活が送れなくなることがあります。
また、頭痛や筋肉の緊張、首や肩のこり、震え、動悸、発汗、めまいなどの身体的な症状も現れます。
不安障害には、全般性不安障害、パニック障害、強迫性障害などのさまざまなタイプがあり、各タイプの症状は異なります。
うつ病や不安障害を併発すると症状が悪化するため、心気症の可能性があると感じたら早期に治療を受けることが大切です。
心気症の方への接し方
心気症の方は、身体のささいな不調を重篤な病気と捉えてしまい、精神疾患だと認識できないことがあります。そのため、病気への理解が重要です。
医師だけでなく家族も、本人の訴えをしっかりと聞き、「十分な検査をしたから大丈夫」と伝え、安心させることが大切です。
しかし、すぐに納得するケースは少ないため、繰り返し説明をしていく必要があります。
納得するまで時間がかかる場合もありますが、少しずつ本人と話し合いながら、心気症への理解を深めることが大切です。
心気症の治療方法
心理療法
心気症の患者さんは、一般に精神科での治療を拒否する傾向があります。
しかし、内科で精神科的な治療が行われ、ストレスの軽減と慢性疾患の自己管理に焦点を当てることで、治療を受け入れる患者さんもいるようです。
その場合は、集団精神療法が選択されることが多く、患者さん同士の交流を通じて、不安を小さくするのに役立ちます。
また、その他にも行動療法、認知療法、催眠療法なども行われることがあります。
心理療法を受けることで、自分のこころ(ストレス)が身体的な影響を与えていることを理解していきましょう。
薬物療法
薬物療法は、心気症の患者さんが抱える不安や恐怖、抑うつなどの症状を緩和するために行われる治療法です。
精神療法と組み合わせたり、症状が軽い場合など、本人の病状や体質によっては、不安に効果が期待される漢方を使用することもあります。
服用を開始した直後は、胃腸の不調やめまいなどの副作用が出ることがあります。不安な方や、そういった症状が出た場合は、主治医に相談するようにしましょう。
精神科訪問看護という選択肢も
精神科訪問看護とは?
・精神科・心療内科に通院中の方
・精神疾患の診断を受けた方
・診断がなくとも医師が必要と判断した方
訪問する人
・看護の専門職
・リハビリテーションの専門職
訪問時間
・医療保険
(30分から90分程度)
精神科訪問看護とは、精神疾患を抱える方や精神的な不安を抱える方が、自宅で受けられるサービスです。
看護師や作業療法士などの医療スタッフが医師の指示のもと自宅へ訪問し、病状観察や日常生活指導、また家族支援などのサポートを行います。
訪問時間については医療保険の場合は30分から1時間半程度となっています。ご利用者様の体調に合わせて時間を調整いたします。
また訪問回数は基本的に週に3回まで利用することはできます。ただし条件によっては週に4回以上利用することも可能です。
精神科訪問看護ってどんなことをしてくれるの?
・自立した生活を営めるための支援
・生活リズムの調整
症状の悪化防止・服薬支援
・生活状況を観察
・受診や服薬を支援
社会復帰へのサポート
・主治医や関係機関と連携
・社会復帰を支援
家族の方への支援
・家族へのアドバイスや相談
・社会資源の活用などを支援
訪問看護では、利用者様の健康状態を観察し、病状の悪化を防ぎ、回復を促すためのケアを行います。また、療養生活に関する相談やアドバイスも行います。
住み慣れた自宅で療養できるので、安心感が得られることや訪問看護の職員が定期的に自宅に訪問することによって孤立や孤独感が軽減され、心の支えを得られるというメリットもあります。
そのほかにも必要に応じて、医師や保健師、ケースワーカーなどの関係機関と連携し、病状の悪化の防止や早期回復につながるようサポートを行います。
精神科訪問看護のメリット
- 自宅に居ながら専門的なケアが受けられる
- 自宅での様子を主治医に連携できる
- 対人関係や日常生活の支援を受けられる
精神科訪問看護は、外出が難しい方や治療を中断してしまう方も、自宅で継続的に専門的な支援を受けることができます。
医療機関やかかりつけの医師と連携し、病状や内服状況などの情報を共有します。
家庭での療養状況や家族の疲労を確認し、デイサービスやショートステイ、介護サービスの導入をサポートします。
また、精神疾患と診断された方が、家庭や地域社会、また学校生活を安心して過ごせるよう、利用できる制度などを提案します。
精神科訪問看護の料金
負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
---|---|---|
3割負担 | 3,897円 | 2,565円 |
2割負担 | 2,598円 | 1,710円 |
1割負担 | 1,299円 | 855円 |
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
精神科訪問看護では、医療保険を利用することにより自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用可能。かかった費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、長時間の訪問を行う場合は別途料金が発生します。
また自立支援医療制度いう制度を利用すると料金が1割負担になるほか、所得に応じて自己負担が0円になる場合もございます。
自立支援医療(精神通院医療)
区分 | 上限額 |
---|---|
生活保護 |
0円 |
低所得1 |
2,500円 |
低所得2 |
5,000円 |
中間所得1 |
5,000円 |
中間所得2 |
10,000円 |
一定所得以上 |
20,000円 |
表の料金は所得に応じた医療費の月額自己負担額の上限額となっております。
表の料金を超えた場合には、自己負担なしで医療が受けられます。
自立支援医療制度とは精神疾患を患うすべての人が対象となる制度です。
助成の内容としては精神科にかかわる医療費が1割負担になることと、所得に応じて月の自己負担上限額が設定され上限額を超えた分に関しては自己負担がなしとなります。
通院費やお薬にかかる費用も、自立支援医療の対象になります。そのうえで、精神科デイケアや精神科訪問看護を利用した場合に、その費用が補助されます。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
シンプレの特徴
精神科に特化したシンプレ訪問看護ステーションでは、精神疾患で悩んでいる方やそのご家族への継続的なサポートを行っています。
精神疾患の専門知識や看護経験が豊富なスタッフが在籍しており、幅広い精神疾患に対応することができるのが当ステーションの強みです。
医療関係や公共機関と連携を取り合いながら、利用者さん・ご家族の意志を重んじ社会復帰をお手伝いします。
シンプレで対象となる精神疾患
- 心気症
- うつ病
- 不安障害
- ADHD
- アルコール依存症
- その他精神疾患全般
シンプレで対象となる精神疾患は、心気症だけでなく、うつ病や不安障害などの精神疾患にも対応しています。
うつ病や不安障害では、気分の落ち込みや不安感などの症状が現れ、対人コミュニケーションが困難になるなど、日常生活に支障をきたすことがあります。
シンプレ訪問看護ステーションでは、精神科訪問看護ならではのサポートで、精神疾患を抱える方の生活を支えます。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
心気症は、重い病気にかかっているのではないかと過剰に心配する精神疾患です。
病気への理解を深めることで治癒する可能性もありますが、専門的な精神的ケアを受けることが望ましいと言えます。
シンプレ訪問看護ステーションは、精神科に特化した訪問看護を行っており、社会復帰に向けて、訪問看護のサービスを利用することができます。
心気症でつらい症状のある方や、社会復帰をめざしていきたい方は、ぜひシンプレ訪問看護ステーションにご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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